2013/04/27

男の友情





























ディーン「街を出るって・・・なんでだよ。」

ローガン「前々から考えてたことだ。タイミングがちょっと急すぎたけどな。」

















ディーン「にしてもラッキーパームって遠すぎだろ!会いに行くのに何時間かかると思ってんだ?」

ローガン「移動だけで半日かかるな。」

ディーン「仕事帰りにお前と飲もうと思ったら着くの朝だぞ?」















ローガン「そうだな・・・。」

ディーン「ったく・・・なんなんだよ・・・。」

ローガン「悪い。でももう決めたんだ。」
















ディーン「まぁ・・・お前が決めたなら応援するけどさ。」

ローガン「うん。」

ディーン「独立か・・・。これから大変だな。」

ローガン「ああ。」

ディーン「リアちゃんは?一緒に行くのか?」












ローガン「リアとは別れた。」

ディーン「・・・遠距離になるからか。」

ローガン「ララと寝たんだ。それだけで十分な理由だろ。」
















ディーン「え・・・?」




















ローガン「あいつが俺に気があるのは前からわかってた。」

ディーン「そうなのか?」

ローガン「ああ。」

ディーン「じゃあララと行くのか?」














ローガン「いや。あいつは関係ない。俺一人で行く。」

ディーン「ララとそういう関係になったんじゃないのかよ。」

ローガン「ララと寝たのは一度だけだ。」
















ディーン「お前・・・ララのこと、どういうつもりで抱いたんだよ。」

ローガン「求められれば男なら抱くだろ。」

ディーン「ララの気持ち、もて遊んだのか?」

ローガン「・・・そういうことになるな。」














ディーン「なんなんだよ。意味わかんねぇよ。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「お前結局どっちが好きなんだよ。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「どっちも遊びかよ!」












ローガン「そうとられてもしょうがないな。」

ディーン「お前さぁ・・・。」

ローガン「俺にとってはどっちも大事だ。大事だった。」

ディーン「だったら・・・。」

ローガン「でも俺じゃどっちも幸せにできない。誰を選んでも俺じゃだめなんだ。」

ディーン「・・・・。」

ローガン「結局いまだに俺は・・・愛ってやつがなんなのかわかんねぇんだ。人を愛せない人間が誰かを幸せにできるわけないだろ。」












ディーン「お前、結局リアちゃんからもララからも逃げてるだけじゃねぇか。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「幸せにできないんじゃなくて努力しようとしてないだけだろ。そういうの逃げって言うんだよ。」













ローガン「・・・・そうかもな。」




















ディーンが立ち上がる。


ローガン「・・・・。」
















ディーン「立てよ。一発殴らせろ。」



















ディーン「ララは親友だし俺のいとこだ。お前はそのララを傷つけた。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「ララのこと、大事に思ってるならお前が幸せにしてやれよ。」














ローガン「・・・・。」

ディーン「それができないならもう二度とララの目の前に現れるな。」

















ゆっくりとローガンが立ち上がる。



















ディーン「・・・・。」

ローガン「やれよ。」


















ディーン「・・・っ!」


ドカッ!


骨と骨のぶつかりあう鈍い音が響く。

















女性「きゃー!」


周りにいた女性客たちが悲鳴をあげ騒ぎ始める。


ディーン「いって~・・・。」














ディーン「人とか殴ったの・・・学生のとき以来だわ・・・。マジいてぇ・・・・。」


ディーンが右腕をさする。
















ローガン「 (・・・手加減無しだな・・・。いてぇのはこっちだ。) 」



















ディーン「ほら。」


ディーンが手を差し伸べる。
















ローガン「・・・・。」

ディーン「口ん中切れたか。絆創膏あるぞ。」


















ディーン「ララのことは俺たちに任せろ。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「お前はもう忘れろ。ララのことも、リアちゃんのことも。」















ディーン「二人ともいい女だ。ララにはお前なんかよりいい男、俺がみつけてやる。」

ローガン「・・・・。」

















ローガン「そんなやつ、いんのかよ。」


ローガンがディーンの手をとる。


ディーン「俺が探してやるよ。」












店内はまだざわついている。

 ディーン「あ~、大丈夫ですんで!お騒がせしてすいませ~ん!」


ディーンが声を張り上げると客たちが徐々に引いていく。


女性A「なぁんだ~。知り合いみたい。」

女性B「まったく人騒がせね~。」












手を借りて立ち上がったローガンをディーンが抱きしめる。




















ローガン「おい・・・。」

ディーン「ばかやろう。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「お前みたいな不器用なやつ見たことねぇよ。」














ディーン「リセットしたいからって、なにもかも捨てて・・・・俺はこれから誰と飲みにいけばいいんだよ。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「さみしくなるだろバカ。」















ローガン「お前は俺と違って友人多いから大丈夫だ。」

ディーン「お前じゃなきゃ本音は吐けねぇんだよ。」

ローガン「・・・・。」















ローガン「俺もだ。」


ローガンがディーンの背中にそっと腕を回す。



















ディーン「バカ・・・。」

ローガン「会いに来いよ。」

















ディーン「・・・来月行くわ。」

ローガン「早ぇな。」







































暗い部屋の中。
ベッドサイドの明かりだけが静かにララを照らしている。




















ララ「ん・・・・。」


目を覚ましたララがゆっくりと起き上がる。

















ララ「 (私・・・いつのまにか眠って・・・・。) 」





















ララが時計を見上げる。


ララ「 (6時・・・・ローガン今日も帰ってこなかったのね・・・・。) 」
















ララ「 (もう朝ね・・・・。仕事行く準備しないと・・・・。) 」



















ゆっくりと窓辺へ向かう。




















外はまだ薄暗い。
窓辺に立つと朝の冷たい空気が肌を刺す。



















ララ「 (ローガン・・・どこにいるの?もう一度・・・会ってちゃんと話がしたい・・・・。) 」


























2013/04/24

狼狽





























ディーンが寝室にいるとドアが開いてラトーシャが入ってきた。


ラトーシャ「ディーンまだ起きてたんだ?」

ディーン「ん?うん。」















ディーン「ラト寝るの?」

ラトーシャ「うん。先に寝るね。おやすみ。」

















ディーン「じゃあ俺も。」

ラトーシャ「仕事じゃなかったの?」

ディーン「もう終わった。」
















ラトーシャ「べつに私に合わせなくてもいいのに・・・。」

ディーン「いや、俺もそろそろ寝ようと思ってたんだ。」

ラトーシャ「そっか。」
















ディーンがベッドへもぐりこむ。




















ディーン「ラト。」

ラトーシャ「うん?」

ディーン「ラトがピンク着るなんて、珍しいね。」

ラトーシャ「パジャマ?これこの前アイビーがくれたんだ。知り合いのモデルが出してるブランドのだって。」

ディーン「そっか。ラトに・・・似合ってる。かわいい・・・よ。」










ラトーシャ「ありがと・・・////」

ディーン「ん・・・・。」

ラトーシャ「ディーン・・・?」

ディーン「・・・・。」


ディーンの静かな寝息が聞こえる。











ディーン「ん・・・。」


ディーンが寝返りをうつ。


ラトーシャ「 (ディーンってばいっつもベッドに入ったら3秒で寝ちゃう。前は寝ちゃう前に求めてきてたんだけど・・・。) 」













そっとディーンの背中に寄り添う。


ラトーシャ「 (最近気を遣ってるのか私のこと求めてこなくなったな・・・。ホッとするけど・・・ちょっと寂しいかも。) 」

















ラトーシャ「(ありがとうディーン・・・。)」



























































玄関のドアが開いてローガンが帰宅した。



















ララの部屋の前に立ちドアをノックする。


ローガン「ララ、いるか?」

















ドアが開いてララが顔を出す。


ララ「おかえりなさい。」

ローガン「ただいま。」

ララ「最近帰って来てないみたいだったから、メールしようと思ってたところよ。」

ローガン「ちょっと今いいか?お前に話がある。」










ララ「ええ。(この前の・・・ことよね?)」




















ララ「はい。」


ララがテーブルにコーヒーを置いてソファーに腰掛ける。


ローガン「サンキュ。」
















ララ「それで?いままでどこにいたの?(あの子とは別れたのかしら・・・。) 」



















ローガン「街を出てたんだ。」

ララ「旅行に・・・行ってたの?」

ローガン「いや。仕事を辞めた。」














ララ「え?辞めたって・・・急なのね。なにかあったの?」




















ローガン「独立することにしたんだ。この街を出て個人事務所を立ち上げる。」



















ララ「え・・・?(街を・・・出る・・・?) 」



















ローガン「独立については前々から考えてたことだ。タイミング見計らってたら今になっただけで。」

ララ「今・・・。」

ローガン「上司が独立することになってな。ついてこいって誘われたんだけど、俺は俺で独立したかったし、俺もこのタイミングで辞めることにした。」

ララ「そうなの・・・?」

ローガン「ああ。ブリッジポートは弁護士事務所が多すぎる。新米の個人事務所でやっていくのはさすがにきつい。」










ローガン「だからほかの街に行くことにしたんだ。」

ララ「ほかの街って・・・ショアに戻るの?」

ローガン「いや。ラッキーパームだ。」















ララ「ラッキーパーム・・・?ちょっと遠すぎるんじゃないの?ここからでも半日はかかるじゃない・・・。」

ローガン「ああ。誰も知らない街のほうが仕事もやりやすい。弁護士はイメージ大事だからな。先入観ないほうがいいんだ。」
















ローガン「そういうことだから急な話で悪いんだが、俺は月末にはここを出る。」

ララ「月末って・・・もう1週間しか・・・。」

ローガン「ここの家賃は半年は払う。その間にお前は新しい家を見つけろ。」















ララ「あの子も・・・一緒にいくの?」




















ローガン「リアとは別れた。」




















ララ「そうなの・・・?」

ローガン「ああ。ラッキーパームには俺一人で行く。」

ララ「 (一人・・・。) 」















ローガン「まだ家決めてきただけで向こうでの手続きなんかもいろいろあるから、またすぐ行かないといけないんだ。ここのことはお前に任せるけど、よろしく頼む。」

ララ「・・・・。」

ローガン「大家には全部説明してある。半年分の家賃ももう支払い済みだから安心しろ。」













ローガン「これから辞めた上司と飲みに行く約束してるんだ。もう行くわ。」

ララ「ローガン・・・。」

ローガン「じゃあな。」















ローガンが玄関へと向かう。


ララ「待ってよローガン。」


ララが立ち上がる。














ララ「私は・・・?私のことは・・・。」




















ローガン「お前は俺のことよくわかってるはずだ。求められればどんな女でも抱く。」

ララ「・・・・。」

ローガン「だから俺はやめとけと言っただろ。もう俺みたいな男にひっかかるなよ。」














ローガン「じゃあな。」


ローガンが玄関のドアを開けて出て行く。

















ララの頬を静かに涙が伝う。


ララ「 (あのときたしかに私たちは・・・心が通じ合えた・・・。そう思ったのは私だけだったの・・・?) 」