待ちぼうけ

アイビー「おなかすいた・・・。」

ラトーシャ「アイビー。」

ララ「ごめんね。きっと仕事で遅くなってるんだわ。」


ララの携帯が鳴り響く。

ララ「彼からだわ。」

ラトーシャ「そろそろ着くって連絡かな？」

アイビー「道に迷ってるのかもね。」

ララ「もしもし。」

ララが携帯に出る。

ララ「え？来られないって・・・・どうして？みんなあなたが来るのを待ってるのよ？」

ラトーシャとアイビーが顔を見合わせる。


ララ「そんな・・・だって・・・・。」

ララ「わかったわ。仕事がんばってね・・・。」


ララが携帯を切った。

アイビー「お仕事なの？」

ララ「そうみたい・・・。残業で今日はどうしても抜けられないって。」

ラトーシャ「それじゃ仕方ないね。」

ララ「ホントにごめんなさい。二人の大事な時間を無駄にしてしまって・・・。」

アイビー「気にしないでいいよ～。３人でご飯食べるの、久しぶりだもんね。」

ラトーシャ「うんうん。アイビー最近帰り遅いしね。」

ラトーシャ「また呼べばいいんだから。」

アイビー「そうだよ。楽しみが伸びたと思って。」

ララ「二人とも・・・ありがとう・・・。」

ラトーシャ「じゃあ食べよっか！」

アイビー「わ～い♪　お寿司～。」

ラトーシャ「おいしそうだね～。」

ララ「・・・・。」

部屋で独り読書をするアイビー。
携帯が鳴る。

アイビー「　（お兄ちゃん？珍しいな。どうしたんだろう。）　」

アイビー「もしも～し。お兄ちゃん？」

ネオ『よぉ。アイビー元気してるか？』

アイビー「元気だよ～。久しぶりだね！どうしたの？」

ネオ『来週出張でブリッジポートに行くんだよ。３日くらいそっちにいるから、暇だったらディーンと３人で会おうかと思ってさ。』

アイビー「ホントに？？もちろんオッケーだよ！」

ネオ『そっか。お前たちの仕事の都合もあるだろうから、先に連絡しておこうと思ってさ。』

アイビー「そっか。ディーンには私から連絡しておくよ。」

ネオ『そうしてもらえると助かる。』

アイビー「ところでお兄ちゃん、彼女はできたの？」

ネオ『うるせぇよｗ。』

アイビー「あははっｗ　その様子じゃいないんだね～。」

ネオ『しょうがないだろ～。』

アイビー「だってお兄ちゃんもう３０でしょ？がんばらないと～。」

ネオ『ばぁちゃんたちからもうるさく言われてるんだから、お前までプレッシャーかけるのはやめてくれよ～。』

アイビー「ははっｗ　ごめんごめんｗ　じゃあ日にち決まったら連絡ちょうだい。お店は私に任せて！」

ネオ『おう、頼む。じゃあまたな。』

アイビー「うん。またね～。」

アイビーが電話を切る。


アイビー「　（お兄ちゃんあいかわらず彼女いないのか・・・。）　」

アイビー「　（あ、いいこと思いついちゃった♪）　」


にやりと笑う。

アイビーが再び携帯をかける。

アイビー「もしもしディーン？あのね、来週お兄ちゃんがこっちに出張で来るんだって。それで３人で会おうって話になったんだけど・・・・。」

ＥＡモデル事務所、社長室。

ミランダ「じゃあ、よろしく頼むわね。」

リリィ「えぇ。任せてちょうだい。」

ミランダ「ところで、仕事のほうはどう？順調なの？」

リリィ「おかげさまで。そっちは？」

ミランダ「順調よ。忙しくてちょっと疲れたわ。」

リリィ「体のほうは大丈夫なの？ちゃんと病院は行ってる？」

ミランダ「大丈夫よ。ムリはさせないように、監督にもちゃんと伝えてあるから。」

リリィ「そう・・・。ならいいけど。」

ミランダ「あなたが思ってるほどひどくはないわ。今はね。」

リリィ「・・・・。」

　

ミランダ「そんな顔しないで。大丈夫だから。」

リリィ「えぇ・・・。あなたのことだもの。簡単にはくたばらないわよね。」

ミランダ「ふふっ。その通りよ。」

ミランダ「そろそろ行くわ。」

リリィ「えぇ。気をつけて。」

ミランダ「ありがとう。」

ミランダ「じゃあね、リリィ。」

リリィ「また。」


ミランダが立ち上がる。

ドアを開けるとアンナとアイビーが立っていた。

ミランダ「こんにちはアンナ。」

アンナ「ミランダさん、お久しぶりです。」

ミランダ「お仕事がんばってね。」

アンナ「はい。ありがとうございます。」

ミランダが二人の横を通り過ぎる。


アイビー「お疲れ様です。」

ミランダ「屋上へはあがれた？」

アイビー「え？」

ミランダ「その様子じゃまだみたいね。」

アイビー「・・・・。」

ミランダ「あそこは彼の秘密の庭。あそこに入れたら彼の懐に入ったも同じ。」

アイビー「・・・・。」

ミランダ「がんばってね。」

ミランダが立ち去る。


アイビー「　（秘密の庭・・・。）」

　



アイビー「・・・・。」

アンナ「アイビーなにしてるの。行くわよ。」

アイビー「あ・・・はい。」

ドアをノックする。


アンナ「社長。アイビーを連れて来ました。」

リリィ「入って。」

アンナ「はい。失礼します。」

アイビー「　（そういえばミランダさん・・・どうしてこんなところに？社長と知り合い・・・？）　」