Blue sky -sims3 story- へようこそ。
このブログはElectronic Arts社から発売されているPCゲーム「ザ・シムズ3」を使用したドラマ形式のストーリーブログです。
個人のファンサイトですのでEA社とは一切関係ありません。

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作中には卑猥な表現、画像も含まれております。
苦手な方はどうぞお引き取り願います。

2018/05/27

予言





入院から1週間後。

6月に入ったブリッジポートの空気はじめじめと湿気を含んでいた。







リリィ「予定通り退院できてよかったわね。」

アイビー「はい。ご迷惑おかけしました。









リリィ「さっそくだけど、明日から仕事入れてあるわよ。」

アイビー「わかってます。」








アイビー「大丈夫です。もう体はしっかり治しました。」

リリィ「ならよかった。」









アイビー「アダムは・・・?」

リリィ「今朝アンナと入れ替わりでジャニスが来てくれたわ。」

アイビー「そうですか・・・。」







アイビー「(1週間ぶり・・・。私のこと、ちゃんと覚えてるかな・・・。)」











リリィ「帰ったら少し時間をくれる?仕事の話をしましょ。」

アイビー「はい。」



















アイビー「ただいまー。」


1週間ぶりの我が家。
部屋はいつもと変わらず綺麗に片付いている。








ジャニス「おかえりなさい。」


ジャニスがアダムを抱いたままふたりに駆け寄る。








アイビー「ただいまジャニスさん。」

ジャニス「社長!てっきりアンナさんがお迎えに行ってるのかと。」

リリィ「いろいろあってね。」






ジャニス「アイビーちゃん、大変だったわね。身体はもう大丈夫なの?」

アイビー「はい。ジャニスさんにはご迷惑をおかけしました。」

ジャニス「私のことなら大丈夫よ。」








アイビー「アダム、抱っこしてもいいですか?」

ジャニス「ええ、もちろんよ!」









アイビーがジャニスからアダムを受け取る。


アイビー「アダム、いい子にしてた?1週間もほうっておいて・・・ごめんね。」

アダム「ばぶぅ。」








アイビー「会いたかった・・・。」


優しくアダムの体を抱きしめ、小さなぬくもりを感じる。







リリィ「アイビー、すまないけどあまり時間がないの。ちょっといい?」

アイビー「あ、はい。」









ジャニス「コーヒー淹れますね。」

リリィ「ええ、お願い。」




















リリィ「手短に話すわね。」

アイビー「・・・はい。」









リリィ「今のままではあなたの身体も、アダムのことも、正直いって厳しい状況だわ。」










アイビー「わかってます。」

リリィ「仕事しながら一人で子育てはムリよ。」

アイビー「・・・・。」

リリィ「あなたがよければあの子は私たちが・・・。」










アイビー「アダムのことは私が育てるって決めたんです。」

リリィ「・・・・。」

アイビー「お願いです。私からあの子を取り上げないでください。」








リリィ「じゃあ仕事を減らす?」

アイビー「・・・そうですね。それが妥当かもしれません。」








リリィ「仕事を減らしてあの子と一緒にいる時間が増えても、あなたの睡眠時間が増えるとは思えない。」

アイビー「・・・・。」










リリィ「こうするのはどう?週に3日、夜の間だけ私たちであの子を預かるの。」

アイビー「夜・・・だけ?」

リリィ「そうすればあなたは少なくとも週に3日は静かに眠れる。」







アイビー「それは・・・ありがたいですけど・・・。」

リリィ「仕事を減らすより、そのほうがいいと思わない?」









リリィ「そうすれば仕事を減らす必要はないし、お互いにとっても合理的だわ。」









アイビー「少し、考えさせてください。」

リリィ「もちろんよ。」








アイビー「社長・・・ありがとうございます。」

リリィ「前向きに検討してちょうだい。私たちも、あの子が可愛いのよ。」

アイビー「はい。」









リリィ「このコーヒーおいしいわね?」

アイビー「え?w」

リリィ「どこの豆か、ジャニスに聞いておかなくちゃ。」










翌日。











アイビー「おはようございまーす。」


スタジオにアイビーが入ってくる。








マロン「アイビーちゃん!」


ソファーに座っていたマロンが立ち上がる。








マロン「退院おめでと~!」


マロンがアイビーに駆け寄り抱きしめる。


アイビー「ありがとー。」









マロン「もう大丈夫なの??」

アイビー「うん。1週間病院でたっぷり休んだから。」

マロン「お見舞いいけなくてごめんね。」

アイビー「ううん。あの病院、面会も厳しかったし。」








ギルバート「どさくさに紛れて・・・マロンさんばっかりずるいっス。」

マロン「だって僕とアイビーちゃんの仲だし。付き合い長いもんね。」

ギルバート「じゃあ俺も・・・。」

マロン「ギルはダメだよ。」

ギルバート「え~。なんでですか~。」

アイビー「えへへw」







ジーン「退院おめでとう。」










アイビー「ジーン・・・ありがとう。」

ジーン「よかったな。」

アイビー「うん。」









ジーン「今日快気祝いしようって。」

アイビー「え?」

マロン「マスターの店なんだけど。アイビーちゃん今日は平気?」









アイビー「うん、大丈夫。私もマスターに会いたかったんだ。」

マロン「よかった。」










アイビー「みんな、ありがとうね。」

ジーン「久しぶりだもんな。」

ギルバート「じゃあ今日はさっさと終わらせて呑みに行っちゃいましょう!」

マロン「そうだね!」









マスター「久しぶりねぇ。この顔揃い。」










アイビー「なかなか来れなくて・・・。相変わらずお店繁盛してますね。」

マスター「まぁね。」








マスター「これでも落ち着いたほうよ。春はいろいろと忙しかったわ。」

アイビー「そうなんですね。」









マロン「今日はアイビーちゃんの快気祝いなんだよ~。」

マスター「あらそうなの?」

アイビー「ちょっと過労で倒れちゃって、1週間入院してたんです。」









ジーン「アイビー、お酒は大丈夫なのか?」

アイビー「今日は一杯だけにしとくw」

ジーン「それがいいな。」








マスター「今日は全員呑んでるから、タクシーでお帰りなさい。」

ジーン「そうですね。」







ギルバート「そういえば聞きましたよアイビーちゃん。」

アイビー「え?」

ギルバート「ペット飼い始めたらしいじゃないっスか。」








マロン「え?そうなの?」

アイビー「あ~うん。子猫なんだけどね。」

ギルバート「へぇ~。ペットショップっスか?」

アイビー「ううん。近所で拾っちゃって・・・。」

ギルバート「名前は?」







アイビー「あ・・・アダムっていうんだ。」

ギルバート「オスっスね。」

アイビー「うん・・・そう。」








マスター「いい名前じゃない。地球上で初めの人間ね。」

アイビー「そうですね・・・。」








マロン「そういえばアイビーちゃん。マスターに話したいことがあったって言ってなかった?」

アイビー「うん。あとで・・・。」









マスター「なぁに?相談ごと?」












アイビー「はい。あとで・・・落ち着いてからでいいです。」









マスター「今のほうがよさそうだわ。このあとまた人が増えそうだから。」

マロン「予約?」

マスター「いいえ。感よ。」





















マスター「子供、引き取ったのよね。」

アイビー「え?」

マスター「いい名じゃない。アダム。ロミオにそっくりな男の子でしょう。」








アイビー「さすが・・・マスターにはなんでもお見通しですね。」

マスター「ミランダが妊娠していたのは知っていたし・・・まぁこうなることはみえていたもの。」

アイビー「そうなんですね・・・。」







マスター「仕事と育児の両立がうまくいっていないのね?それで倒れたの。」

アイビー「はい・・・。深夜もミルクで起きなくちゃいけなくて・・・たまになかなか寝てくれないときもあったりして。私も睡眠時間が削られちゃって・・・。」








マスター「眠ることはとても大事よ。」

アイビー「リリィ社長が、週3日、夜の間だけ面倒みるって提案してくれたんですけど・・・。」

マスター「あら、いいじゃないそれ。」









アイビー「まだ返事はしてないんですけど・・・。私もそうしてもらえるとラクになるかなって・・・。」









マスター「でもこのまま交代しながら母親代わりをしていくと、彼が大きくなったときに誰が母親なのか、はっきりしなくなる。」













アイビー「・・・・そう・・・思ってて・・・。」

マスター「確かにそうかもね。」

アイビー「・・・・。」








マスター「今を乗り越えたいならリリィの提案を受け入れるのがいいと思うわ。」

アイビー「・・・・。」












マスター「大丈夫よ。あなたはあなた自身を信じればいい。」









アイビー「本当に・・・?私・・・自信がないんです。」











マスター「誰だって母親になるのに自信なんか持てないわよ。ましてやあなたは自分が産んだ子供でもない。」

アイビー「・・・・。」

マスター「あの子はちゃんと育つわよ。あなたのことをよく見てる。ただし・・・。」







マスター「あなた、すべてを捨てる覚悟はある?」

アイビー「すべて・・・?」

マスター「あなたが築いてきたもの、すべてよ。あの子の為に。」









アイビー「・・・・。」

マスター「あなたは決断を迫られる時が来るわ。そう遠くない未来に。」

アイビー「・・・・。」









マスター「大丈夫。そのうちあなたを手助けする男性が現れる。」











アイビー「男性・・・?」

マスター「ええ。これから会う人物じゃない。すでに出会っている男よ。」








アイビー「知り合い・・・ですか?」

マスター「そうね。たぶん昔からの。」