Blue sky -sims3 story- へようこそ。
このブログはElectronic Arts社から発売されているPCゲーム「ザ・シムズ3」を使用したドラマ形式のストーリーブログです。
個人のファンサイトですのでEA社とは一切関係ありません。

〈 注意!〉
作中には卑猥な表現、画像も含まれております。
苦手な方はどうぞお引き取り願います。

2014/07/27
































スタジオにカメラのシャッター音が響き渡る。


マリオ「いいね~。次もうちょっと上目遣いで。」


ドアが開いてリリィが入ってきた。


















マロン「あ、おはよ~リリィちゃん。」

リリィ「おはようマロン。撮影長引いてるの?」

マロン「うん。ちょっとだけね。」



















リリィ「・・・・誰?」

マロン「ああ、ロミオくん?」

リリィ「ロミオ・・・?」

マロン「ミランダちゃんが連れてきたんだ。弟だって。」

















リリィ「あ~、そういえばそんなこと言ってたわね。(弟みたいなやつがいる・・・って。) 」

マロン「リリィちゃん知ってたんだ?そういえばこの前家に泊めてたもんね。」

リリィ「ええ。」

マロン「仲良くなれた?」

リリィ「まぁね。」

マロン「さすがリリィちゃん。」












リリィ「なかなかイケメンじゃない。」

マロン「だよねぇ?まだ14歳なんだって。」

リリィ「へぇ~。」

マロン「さっきケイトリンちゃんのマネージャーにも散々スカウトされてたんだけどね。本人はその気ないみたいだよ。名刺もすぐ捨ててたの、僕見ちゃったw」

リリィ「そうなんだ?」













リリィ「 (14には見えない風貌ね。身長は私よりちょっと低いから・・・162かそのくらいかしら?でも・・・足も大きいし、きっとこれからどんどん伸びるわね。) 」


ロミオは黙ったままじっと一点を見つめている。




















それは中央でポーズをとるミランダではなく、カメラを構えるマリオだった。


マリオ「いいねその目!ぞくぞくするよミランダ。」


静かなスタジオにはシャッター音が鳴り響く。















マリオ「よし!今日はもうあがっていいよ。お疲れ。」

ミランダ「お疲れ様でした。」





















すかさずロミオが声をかける。


ロミオ「あの・・・。」

マリオ「ん?」

ロミオ「それ、見せてもらってもいいですか?」
















マリオ「なんだ?カメラに興味あるのか?」

ロミオ「はい・・・すごくかっこよかったから・・・・。」

マリオ「そうか?ありがとうw」

ロミオ「・・・・。」















マリオ「触ってみるか?」

ロミオ「え?いいんですか?」

マリオ「ああ。壊すなよw」

ロミオ「はいっ!」

















カメラを受け取ったロミオが恐る恐る構える。


ロミオ「すげぇ・・・・重い。」

マリオ「ははっw そいつは昔のもんだからな。今のデジカメなんかと違って重いのさ。」

ロミオ「へぇ~・・・・。すごい・・・かっこいいですね!」

マリオ「ははw ありがとう。」















マリオ「なかなかいい構えだ。」

ロミオ「・・・そうですか?」

マリオ「ああ。・・・・カメラに興味があるなら、また遊びにおいで。」




















ロミオ「え・・・?いいんですか?」

マリオ「ああ。今度現像するところなんかも見せてあげるよ。」

ロミオ「っ・・・すげぇ見たいです!」

マリオ「そうか?」

ロミオ「はい!」















マリオ「君、働いてるんだっけ?」

ロミオ「はい。朝の新聞配達と・・・昼間は工事現場で。」

マリオ「じゃあ夜は時間あるのか。」

ロミオ「はい。」

マリオ「暇なときに遊びに来るといい。俺も人手が足りないから助手を探してたんだ。」















ロミオ「ほ・・・ホントにいいんですか?」

マリオ「ああ。たいしたバイト代は払えないけどなw」

ロミオ「バイト代なんていらないです。」

マリオ「そうか。まぁ・・・ここはモデル事務所の人間も出入りするから、君ならすぐいいバイトが見つかるさ。」



















ロミオ「・・・俺はそういうのは・・・。」

マリオ「そうか?いい金になると思うけどな~。」





















数週間後。






















ロミオ「・・・よっと。」


スタジオのドアが開いてリリィが入ってくる。


リリィ「おはよ~。」

















ロミオ「リリィ、おはよ。」

リリィ「あんたまた来てたんだ?なに?片付け?」

ロミオ「うん。」

リリィ「あれ?マリオは?」

ロミオ「いま買出し行ってる。」

リリィ「そっか。」













ロミオ「・・・・。」

リリィ「なによ。私に見惚れてるの?」

ロミオ「はぁ?んなわけないだろ。」

リリィ「あっそ。」

ロミオ「前から思ってたんだけどさ。」

リリィ「?」














ロミオ「リリィってホントファッションセンスないよな。なんだよそのキャラクター。妖怪か?」

リリィ「うるさいわね。こういうのきもかわいいっていうのよ。」

ロミオ「お前・・・ホントにモデルかよ?」

リリィ「あんた人のこと言えるわけ??」

ロミオ「なんでだよ?」
















リリィ「なにそのTシャツ。」

ロミオ「かっこいいだろ。マリオさんにもらったんだ。」

リリィ「それ日本語でしょ?意味わかってんの?(たしかあれオタクとかが着るやつよね?) 」

ロミオ「日本語なんかわかるわけないだろ。クールジャパンだよ。」

















リリィ「・・・・わかってないならいいや。」

ロミオ「なんだよ。リリィ読めるのかよ?教えろよ。」

リリィ「いや、いい。」

ロミオ「はは~ん、どうせ読めないんだろ。」

リリィ「・・・・。」














リリィ「ミラは?」

ロミオ「今日はほかの仕事だって。」

リリィ「そうなの?あんた一人で来たの?バイトは?」

ロミオ「工事現場は雨で休みだから朝の新聞配達だけ。」


















リリィ「あんた、ちゃんと寝てる?ご飯食べてるの?」

ロミオ「うん。飯はいっぱい食ってるぞ。時々マリオさんが奢ってくれるし。」

リリィ「そう・・・。若いからってあんまりがんばりすぎるんじゃないわよ。」

ロミオ「なんだよ急にばばぁみたいなこと言って。」

リリィ「ミラは?あの子細いけど食欲ある?」

ロミオ「うん。食事制限はしてるみたいだけど、ちゃんと食べてるぞ。」

リリィ「そう。ならいいの。」











リリィ「じゃあね。」

ロミオ「おう。」





















ロミオ「・・・・?」














































マネージャー「またそんな格好して。」

ミランダ「・・・・。」

マネージャー「この前買ったワンピースは?」

ミランダ「クリーニングに出してる。」






















マネージャー「しょうがないわね。途中で買って行きましょう。・・・・まったく、時間ないっていうのに。」

ミランダ「どうせ着替えるんでしょう?」

マネージャー「それはそうだけど。ホテルハルトンにそんな格好でいけるわけないでしょう?」

ミランダ「今日はどの親父?ハルトンってことは政界?」

マネージャー「シッ。声が大きいわよ。」
















ミランダ「・・・・・。」


ミランダが小さくため息をつく。


マネージャー「すいません、この先のブティックで止めてください。」

運転手「かしこまりました。」















マネージャー「ミランダ。」

ミランダ「なに?」

マネージャー「あなたちゃんと寝てないでしょう?肌が荒れてるわよ。」

ミランダ「・・・ちょっと眠れなかっただけよ。」

マネージャー「モデルにとって睡眠がどんなに大事か教えたでしょう?」

ミランダ「・・・・・。」

マネージャー「・・・・まったく。」













バッグから小さな薬瓶を出しミランダにそっと握らせる。


ミランダ「・・・これなに?」

マネージャー「薬よ。」

ミランダ「睡眠薬?」

マネージャー「違うけど、もっといいものよ。精神安定剤みたいなものかしら。」

ミランダ「・・・・。」

マネージャー「また欲しくなったらいいなさい。」





































深夜。






















帰宅したミランダがアパートの玄関を開け中へと入る。






















古い壁紙からは少しカビ臭い匂いがする。
室内にあるのはロミオが拾い集めてきたソファーにテーブル。
テレビも型が古く、ボタンはひとつ外れている。
ミランダにとっては心地良いとは言いがたい部屋だ。
それでも一番落ち着ける場所だった。


















ミランダ「ロミオ、帰ってる?」


ドアを開けてロミオの寝室に入る。





















ロミオは眠っているようだ。
小さく寝息が聞こえる。


ミランダ「・・・・。」











































ミランダが静かに部屋を後にする。
すぐ隣の自分の寝室へと入る。





















ロミオの部屋より少し狭いこの部屋はミランダ自身が選んだ。
小さい頃に両親と暮らしていた自らの子供部屋と、少し似ている気がしたからだ。
部屋に入ると小さくため息をもらす。




















ポケットから薬瓶を取り出し、中身を出してみる。
白い錠剤は普通の風邪薬のようにも見えた。























ミランダ「 (精神安定剤みたいなものって言ってたけど・・・・あの事務所だもの。信用できないわね。) 」






















服を脱ぎ捨て下着姿になると、そのままベッドへともぐりこむ。


ミランダ「 (疲れた・・・・。あんなもの飲まなくても今ならぐっすり眠れそう。) 」






















しばらくするとミランダの寝息が聞こえてくる。

















































数日後。
外はどしゃぶりの雨が降っている。





















ミランダの寝室のドアが開く。


ミランダ「おはよ~。」





















ミランダ「ロミオってばまたそんなところで寝て。風邪ひくわよ?」

ロミオ「ん・・・・。」


ロミオがゆっくりとソファーから起き上がる。


ミランダ「新聞配達から帰ったらすぐそこで寝ちゃうんだから。その癖直したほうがいいわよ?」
















ロミオ「今日早起きだな。」

ミランダ「うん。あんたは休み?」

ロミオ「雨だしな。」



















ミランダ「あんた・・・顔赤いわよ?」

ロミオ「え?」

ミランダ「雨濡れた?」

ロミオ「ああ・・・どしゃぶりだったし・・・。」

ミランダ「カッパ着るんじゃなかったの?」














ロミオ「着てたけど・・・寒かったな。」

ミランダ「風邪引いたんじゃない?」

ロミオ「そうなのかな?なんか身体だるい・・・・。」

ミランダ「やっぱり。帰ったらすぐ身体あたためないから~。」

ロミオ「うん・・・・。」


















ミランダ「大丈夫?私でかけちゃうけど。」

ロミオ「寝てれば平気だろ。」

ミランダ「スタジオは?今日は行かないの?」

ロミオ「うつしても悪いし・・・やめとく。」

ミランダ「そう。私の部屋に薬箱あるから。ちゃんと薬飲んで寝るのよ?」

ロミオ「おう。」












ミランダ「じゃあね。行って来ます。」

ロミオ「いってらっしゃい。」


玄関のドアを開けてミランダが出て行く。



















ロミオ「はぁ・・・・。(身体重いな・・・・。) 」


ゆっくりとソファーから立ち上がる。



















ミランダの寝室へと入る。
お互いに鍵はかけていない。


ロミオ「 (薬箱・・・ってどこにあるんだ?そもそもこの家にそんなもんあったのか?) 」



















ロミオがふとサイドテーブルの上の薬瓶に気づく。


ロミオ「 (ん?薬ってこれか?そういえばあいつも2,3日前に風邪ひいてたっけ。) 」