３年後

ロミオ「じゃあ行ってくる。」

アイビー「いつ頃帰って来れそう？」

ロミオ「２，３週間ってところか。」

アイビー「そう・・・。」

ロミオ「なるべく早く戻る。」

アイビー「うん。わかった。」

アイビー「最近あの辺もぶっそうだって聞くから、気をつけてね。」

ロミオ「あぁ。わかってる。」

アイビー「この前だって・・・。」

ロミオ「そんなに心配するな。今回は一人じゃないから、大丈夫だ。」

アイビー「うん・・・。」

ロミオ「じゃあな。」

アイビー「いってらっしゃい。」

ロミオ「行ってきます。」

ロミオが玄関を出て行く。


男の子「うわぁ～ん！パパぁ～！」

アイビー「はいはい。そんなに泣かないの。男の子でしょ？」

男の子「うぇっ・・・・。ひぃ～ん。」

アイビー「パパはすぐ帰ってくるわ。ママと一緒にいい子でお留守番してましょうね？」

男の子「うぅ・・・。」

アイビー「おなかすいたわね？ご飯にしよっか？」

男の子「まんま？」

アイビー「そうよ～まんま！」

男の子「まんま！」

アイビー「ふふっ。ご飯って聞いたらすぐ泣き止むんだから。ホントゲンキンねｗ」

アイビー「まったく誰に似たのかしらね～。って私かｗ」

男の子「まんま！まんま！」

アイビー「はいはい、今食べさせてあげますからね～。」


アイビーが男の子を抱いたままキッチンへ向かう。

アイビー「は～い。じゃあ今用意するから座っててね～。」

男の子「あい！」

アイビー「お～。いい返事ですね！えらいぞ！」

男の子「あい！」

アイビー「ふふふっｗ　」

目を覚ますとそこはロミオの自宅のベッドだった。


アイビー「　（夢か・・・。それにしてはリアルな夢だったな・・・。子供を抱いてる感触がまだ腕に残ってる・・・・。）　」

起き上がって寝ているロミオを見つめる。


アイビー「　（あの子、私とロミオの子供・・・？ロミオそっくりでかわいかったな・・・・。）　」

アイビー「結婚・・・か・・・・。」

ディーン「かんぱ～い！」

全員「かんぱ～い！」


グラスの重なる音が響く。

ララ「ディーンとアイビーが２６歳か～。」

ディーン「ありがとうな。忙しい中集まってくれて。」

ローガン「土曜だったからちょうどよかったな。」

ララ「３年前もこうやってみんなでお祝いしたわよね。」

ディーン「あれ３年前だっけ？もうそんなになるのか～。」

アイビー「早いよね。この間みたいに思えるのに。」

ラトーシャ「そうだね～。」

ディーン「あのときはじめてロミオさんに会ったんだったよな。」

ロミオ「そういえばそうか。」

アイビー「懐かしいね。」

ラトーシャ「あのときはまだ付き合ってなかったんだよね？」

アイビー「そうだね。仕事の上司って感じだったなｗ」

ディーン「そういえばあのときは俺たちもまだ付き合ってなかったな。」

ラトーシャ「そっか。」

ディーン「今年で３年目か～。なんかずっと一緒にいるからわかんなくなるなｗ」

ラトーシャ「うん。」

ラトーシャ「３年でいろいろあったよね。」

アイビー「そうだね～。」

ララ「アイビー最近なかなか帰ってこないから、もう一緒に住んじゃえばいいのにｗ」

アイビー「いやいやそれはｗ」

ディーン「はらへったな。食ってもいい？」

ラトーシャ「もちろん。冷めないうちにみんなで食べよう～。」

アイビー「ラトの料理久しぶり～。今日すっごい楽しみにしてたんだよね♪」

ララ「私もお手伝いしたのよ～。野菜洗っただけだけどｗ」

ローガン「お前いいかげん料理くらい覚えろ。」

アイビー「あははｗ」

ロミオ「悪いな。先に抜けて。」

アイビー「ううん。まだ仕事残ってるんでしょ。今日は来てくれてありがとう。」

ロミオ「あとからくるか？」

アイビー「今日はこっちに泊まるよ。みんなともゆっくり過ごしたいし。」

ロミオ「そうか。」

アイビー「気をつけてね。」

ロミオ「ああ。じゃあな。おやすみ。」

アイビー「おやすみなさい。」

ロミオがシェアハウスを出て行く。

ララ「あの二人ってなんかもう夫婦みたいじゃない？」

ラトーシャ「そう？」

ララ「結婚しないのかしらね。」

ラトーシャ「どうなんだろうね～。アイビーはロミオさんはそういうのしないタイプって言ってたけど。」

ララ「もう２６だし、結婚にはちょうどいい年よねぇ。」

ラトーシャ「そうだね～。でもモデルの仕事、まだ続けたいんじゃないかな～。」

ララ「あら。結婚してもモデルは続けられるわよ。それよりあんたたちはどうなの？」

ラトーシャ「え？」

ララ「つきあって３年でしょ？お互い２６だし、ちょうどいい年齢じゃない？」

ラトーシャ「いや・・・そういうのはまだ・・・。」

ララ「考えたりしないの？子供欲しいとか。」

ラトーシャ「子供はいずれ欲しいとは思うけど・・・・。（ディーンがどう思ってるのか・・・。）　」

ララ「　（内心はきっと結婚のこと意識してるわよね。ラトのことだから自分からは言い出せないんだろうな～。ディーンはどう思ってるのかしら。）　」

ディーン「お前最近どうなの？」

ローガン「仕事か。順調だよ。もう一人でもこなせるしな。」

ディーン「そうじゃねぇよ。女だよ。」

ローガン「ああ。そっちも順調かな。」

ディーン「相変わらず、ってことか。」

ローガン「そうだな。」

ディーン「リアちゃん元気か？」

ローガン「あぁ。」

ディーン「俺がいなくなってからあの家に呼んでるわけ？」

ローガン「いや。俺は自宅に女は呼ばない主義だ。」

ディーン「相手の家には行ってんの？」

ローガン「行かないな。」

ディーン「ふぅ～ん。あいかわらず徹底してんな。」

ローガン「まぁな。そのほうがお互いいいだろ。」

ディーン「そうかもな。」

ローガン「お前、寮はどうなんだ？居心地がどうのって言ってたけど。」

ディーン「そろそろ引っ越そうかと思ってんだ。貯金もだいぶ貯まったしな。」

ローガン「マンションか？」

ディーン「それがまだ迷っててさ。」

ローガン「知り合いに不動産屋いるから紹介してやろうか？」

ディーン「マジで？頼むわ。」

１週間後。

週末、ララは一人でバーにいた。

ララ「　（ローガンったら、もう３０分も遅刻してる。いつもなら遅れるって連絡くるのに・・・。）　」

ララの携帯電話が鳴り響く。


ララ「　（きっとローガンね。今日はおごらせてやるんだから。）　」


ララが立ち上がる。

ララ「もしもし。」

ローガン『すまん。打ち合わせが長引いて連絡できなかった。』

ララ「やっぱりまだ仕事だったのね。今日はローガンのおごりね。」

ローガン『それが今日はムリそうなんだ。』

ララ「え？ムリってどういうことなの？」

ローガン『これから接待でさ。大事な仕事の相手だから断れないんだ。マジですまん。』

ララ「私だって今日誘われた飲み会断って来たのに・・・。」

ローガン『今度高級レストラン連れてってやるから。』

ララ「・・・・しょうがないわね。今回だけよ。」

ローガン『ああ。悪いな。』

ララ「いいところじゃなきゃ許さないから。」

ローガン『わかってるよ。お前調理できないくせに味にはうるさいからなｗ』

ララ「育ちがいいのよ。」

ローガン『じゃあもう行くから切るぞ。じゃあな。』

ララ「うん。またねローガン。」

電話を切って席へ戻る。

ララ「　（これ飲んだら帰るかな。週末に男友達とばかり飲んでる私も私よね・・・。）　」

ララが立ち上がる。


ララ「　（恋愛映画でも借りて帰ろうかしら♪　恋してないせいか最近お肌がカサカサだわ・・・。）　」

ちょうどエレベータが開いて男が降りてきた。


ララ「　（この顔どこかで・・・・。）　」


ララが男を見つめる。
ララの視線に気づき、男がララを見つめ返す。

ジーン「ララ・・・ちゃん？」

ララ「もしかして・・・ジーンさん・・・？」

ジーン「久しぶり。」