寝てる間に

男たちがぞろぞろと店に入ってくる。


アイザック「今日は飲むぞ～。」

スティーレ「なんにします？」

アイザック「俺ビール。レオン、お前は？」

レオン「俺もビールで。」

スティール「ビール３つね。」

バーテンダー「はい。」

スティーレ「先輩この前の件片付いたんすか？」

アイザック「ああ、ようやくな。」

スティーレ「よかったっすね～。」

レオン「・・・・。」

レオン「　（あいつらこの前も酔った女捕まえてたな。）　」

レオン「　（最近この街で多発してるレイプ事件、まさか関与してんじゃねぇだろうな・・・。一応気をつけてみてるか。）　」

アイザック「どうした？レオン。」

レオン「ちょっと・・・気になることが。」

アイザック「そうか。」

アイザック「ようやくひと段落ついたってのに、お前はホント仕事熱心だよな。」

レオン「そうっすか？」

アイザック「ああ。いつもはただの女好きだってのに、仕事のことになると目つき変わるんだよ。」

レオン「ははっｗ」

男B「大丈夫～？」

リア「う～ん。」

リア「まだ２杯目だっていうのに・・・なんか変・・・。」

男A「疲れてるんだろ？体調よくないときは酒の回り早いっていうし。」

リア「そうなのかなぁ？」

リア「たしかに・・・最近ストレスで肌荒れもひどいんだよね～・・・。」

男B「そうなんだ？大変だね～。なんかあったの？」

リア「う～ん、いろいろあってね・・・。」

リア「なんか・・・すっごく眠くなってきちゃった・・・・。」

男B「送っていこうか？」

リア「いや・・・だいじょ・・・ぶ・・・・・。」

男B「お～い・・・寝ちゃった？」

リア「・・・・・。」

男A「どうだ？」

男B「ぐっすり寝てる。」

男A「今日は早かったな。」

男B「そうだね～。」

男A「行くか。」

男B「うん。」

男A「ごちそーさん。」

バーテンダー「ありがとうございました～。」


男たちがリアを支えながら店を出て行く。

レオン「・・・・。」

アイザック「・・・・。」

レオン「俺ちょっと行ってきます。」


レオンが席をたつ。


アイザック「無茶すんなよ。」

レオン「はい。」

レオンが男たちを追って出口へとむかう。

レオンが店を出るとちょうど男たちが車に乗り込むところだった。


レオン「なぁ君たち。」

男A「は？なにか用？」

レオン「その子、知り合い？」

男A「だったらなに？」

レオン「だいぶ酔ってるみたいだねぇ。何杯飲ませたの？」

男B「１、２杯だよ。」

レオン「へぇ～。それにしてはつぶれ方おかしくない？」

男A「酒弱いんだろ。」

レオン「そうなのかな～？なんか顔色も悪いみたいに見えるけど？」

男A[なんなんだよあんた。彼女のことなら俺たちがちゃんと家に送り届けるから安心しろよ。」

レオン「う～ん。」

男「なに？まだなんかあんの？」

レオン「その車、君の？（ん？この女・・・たしか前に・・・・。）　」

男A「そうだよ。」

レオン「免許証と車検証、持ってる？」

男A「持ってるに決まってるだろ。」

レオン「見せてもらってもいいかなぁ？」

男A「はぁ？なんであんたにそんな・・・。」

レオンがポケットから警察手帳を取り出す。


レオン「これ、何だかわかるよね？」

男A「・・・・っ。」

レオン「君が飲んでたところもちゃんと見てるんだよね～。」

レオン「飲酒で捕まえてもいいんだけど。」

男A「っ・・・タクシーで帰ればいいんだろっ！」

レオン「その子、置いてってね。最近この辺りで変な事件多いからさ～。一応、ね？」

男B「おい・・・もう行こうぜ。」

男A「わかったよ。置いてきゃいいんだろ。」

レオン「わかればよろしい。」

男A「くそっ・・・。」

数時間後。

リア「ん・・・・。」


壁際のソファーで横になっていたリアが体を起こす。

リア「　（ここ・・・・どこ？私なにしてたんだっけ・・・？）　」

レオン「ようやくお目覚めか。」


カウンターに座っていたレオンがリアの元へとやってくる。

レオン「大丈夫か？そこの水飲めよ。」

リア「・・・うん・・・ありがとう。・・・・ここは？」

レオン「クラブの２階。１階と違ってダンスフロアがないから落ち着いてるだろ？」

リア「そうなんだ・・・？」

リア「えっと・・・・。」

レオン「記憶どこまである？」

リア「・・・男の人たちと・・・カウンターで飲んでたと思うんだけど・・・・あの人たちは？」

レオン「帰ったよ。あんたがひどく酔っ払ってたから。」

リア「そうなんだ・・・？」

レオン「だいぶ吐いたからな。すっきりしただろ？」

リア「私・・・・吐いたの？」

レオン「ああ。（俺が無理やり吐かせたんだけど）　」

リア「ごめん・・・・迷惑かけたね。」

レオン「いや。大丈夫。」

リア「いつもは記憶なくすなんてことないのに・・・やっぱり体調悪かったのかな？」

レオン「そうかもな。一人だったのか？」

リア「うん・・・。妹にドタキャンされちゃって・・・。」

レオン「なるほど。だからって知らない男たちにおごられるのはあんまりいいことじゃないな。」

リア「・・・うん。」

レオン「気をつけろよ。女の子なんだから。」

アニータ「レオン～。」


ソファーの二人の元に、女性が近づいてくる。

レオン「アニータか。久しぶりだな。」

アニータ「今下でスティールさんに会ってレオンがここにいるって聞いたから。も～、たまには店にも顔だしてよ～。」

レオン「あ～、ごめんごめん。」

アニータ「なに？またナンパしてるの？」

レオン「そうじゃねぇよ。」

アニータ「ふぅ～ん。あなた気をつけてね？この人女ったらしだから。」

レオン「おいおいｗ」

リア「　（この女の人・・・・男の生霊が何人もついてる。夜の仕事してる・・・。キャバクラ・・・じゃなくて風俗店か。）　」

レオン「アニータ、今ちょっと立て込んでるからまた今度な。」

アニータ「え～残念。せっかく久しぶりに一緒に飲もうと思ったのに～。」

レオン「悪い。今度会ったらおごってやるよ。」

アニータ「絶対ね～。」

レオン「おう。」

女性が立ち去る。


リア「・・・・」。

リア「思い出した。」

レオン「え？」

リア「どっかで見たと思ったんだ。あなた、ディーンくんのお兄さんよね？」

レオン「ああ。ディーンのバチェラーパーティーで会ったよな。」

リア「うん。挨拶しかしなかったけど・・・。名前、なんだっけ？」

レオン「レオンだよ。君は・・・リアちゃんだっけ？」

リア「そう。よく覚えてるね。あのとき挨拶程度しか話してないのに。」

レオン「記憶力だけはいいんだ。」

リア「へぇ～。（なにしてる人だろ・・・。だいたいの人は話したらどんな人か見えてくるのに、この人見えない・・・。）　」

レオン「ローガンと一緒に来てたよな？」

リア「うん・・・。」

レオン「あんた、ブリッジポートに住んでるんだろ？なんでショアに？こっちの出身か？」

リア「そう。」

レオン「帰省してるのか？」

リア「いや・・・いろいろあって。」

レオン「ふぅ～ん。」

レオン「この店もう閉店だけど、一人で帰れるか？」

リア「え？今何時なの？」

レオン「もう２時だぞ。」

リア「そうなんだ・・・？」

リア「　（あの家に帰りたくないな・・・。どうせ誰も私の帰りなんて待ってない・・・。ママもメアも・・・自分のことでいっぱいだもん。私の居場所なんてあの家にない・・・・。あそこにいると息が詰まる。）　」

リア「このへんに漫画喫茶とかないかなぁ？」

レオン「漫画喫茶？この辺は街はずれだからないけど、中心部にいけばあるぞ。」

リア「そっか・・・。安いとこ、知らない？」

レオン「なんだ？帰りたくないのか？」

リア「・・・・そういうわけじゃないけど・・・。」

レオン「俺んち来るか？」

リア「え？」

レオン「今日は家族全員旅行いってて誰もいないし。シャワー浴びたいだろ？」

リア「・・・いいの？」

レオン「ああ。弟の知り合いだしな。」