2018/04/21

姉妹







3ヶ月が過ぎた。
































医師「体調も安定してきたので、近いうちに退院できそうです。」










リリィ「本当ですか?」

医師「はい。」











医師「ただ、以前にも話したように、成長過程で足の骨に問題があることがわかりました。」

リリィ「はい。」












医師「いまのところはまだなんとも言えませんが、今後足に障害が出る可能性もあります。」










リリィ「はい。」

アイビー「・・・・。」










医師「今後も定期的に通院して様子をみましょう。」

リリィ「わかりました。」












アイビー「先生、退院はいつですか?」










医師「来週、週明けにしましょうか。」

アイビー「はい。」














医師「大丈夫ですよ。あの子は生命力が強い。今までよくがんばりましたよ。」

アイビー「そうですね。私もそう思います。」

リリィ「ええ。」











1週間後。
























リリィ「先生、本当にありがとうございました。」












医師「がんばったのはアダムくんですよ。」

看護士「本当に。たくさん褒めてあげてください。」










リリィ「ええ、もちろん。でもあのとき、アダムの命を救ってくださったのは先生ですから。感謝しています。」











医師「患者の命を救うのが医師の使命です。それに、アダムくんの生きようとする力はとても強いと思いますよ。」










アイビー「700gしかなかった子が、今ではこんなに大きくなりましたものね。」

リリィ「ホントにね。」









アダム「ばぶぅ。」


アイビーがアダムをそっと抱きしめる。
それを見つめるリリィ。









リリィ「それでは先生、お世話になりました。」

アイビー「来週また伺います。」

医師「はい。お気をつけて。」

看護士「またね、アダムくん。」










二人が立ち去る。
その後ろ姿を見つめる医師。











看護士「元気に育ちますように。」

医師「・・・。」




























数日後。

















4月に入ったブリッジポートには、色とりどりの花々が咲き乱れている。























ディーン「おはよ~ラト。」

ラトーシャ「ディーンおはよう。そろそろ起こしに行こうかと思ってたところ。二度寝したでしょ?」












ディーン「ちょっとだけね。」

ラトーシャ「ゆうべ遅かったもんね。」

ディーン「いい匂いだな。今日はパンケーキ?」











ラトーシャ「そう。いっぱい焼いたんだ。アイビーのところに持っていこうと思って。」












ディーン「いただきま~す。」

ラトーシャ「召し上がれ。」

ディーン「今日だっけ?行くの。」

ラトーシャ「うん。今日は一日休みだって。」









ディーン「そっかぁ。・・・あいつホントに大丈夫かな~。」

ラトーシャ「ね。心配だよね。」

ディーン「うん・・・。」









ラトーシャ「シッターさんも来てくれてるらしいんだけどね。」

ディーン「そうだよな。じゃないとムリだよな、一人だなんて。」









ラトーシャ「アイビーのことだから、子供の世話で自分の食事とかちゃんとできてないと思うんだよね。」

ディーン「あ~。」

ラトーシャ「だから、時々作りに行ったりしようかと思って。私まだ仕事も見つかってないし。」







ディーン「ごめんなラト。色々気ぃ遣わせちゃって。」

ラトーシャ「なに言ってんの。当たり前でしょ。」

ディーン「そう言ってくれると助かる。」

ラトーシャ「私、暇だしね。赤ちゃん見たいしw」








ディーン「俺も会いに行かないとな~。」


ラトーシャ「ディーンが休みのときに二人で会いに行こうね。」

ディーン「そうだな。」







数時間後。


ラトーシャ「抱いてもいい?」

アイビー「うん。もちろんだよ。」









ラトーシャがゆっくりとアダムを抱き上げる。


ラトーシャ「かわいい~。おめめパッチリだね。」

アイビー「そうなの。」








ラトーシャ「ロミオさんに似てる気がする。私、数回しか会ったことなかったけど。」

アイビー「やっぱりそう思う?目元がそっくりでしょ。」

ラトーシャ「うん。」







アイビー「ディーンは?元気にしてる?」

ラトーシャ「うん。今日は夜勤だから、まだ家でのんびりしてる。」

アイビー「そっか。」






アダム「ふわぁー・・・。」

ラトーシャ「あらあら、どーちたんでちゅか~。眠いのかな?」

ラトーシャがアダムをゆっくりとさする。






アイビー「やっぱりラトは上手だね。子供あやすの。」

ラトーシャ「歳の離れた弟がいたからね~。あ、もうウトウトしはじめたかも。」

アイビー「私お茶入れてくるね。」

ラトーシャ「あ、ケーキ買ってきたんだ。食べよう。」

アイビー「うん。わざわざありがとう。」







アイビー「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」

ラトーシャ「紅茶がいいかな。チョコレートケーキなんだ。」

アイビー「了解。」






ラトーシャ「パンケーキいっぱい焼いてきたの。あとで食べてね。」

アイビー「うん。ありがと~。」






ふとアイビーの指先に目がいく。


ラトーシャ「・・・。」







ラトーシャ「(いつもネイルしてたのに・・・。靴もいつものヒールじゃなくてぺたんこだ・・・。アイビー、赤ちゃんのことやっぱり本気で育てるつもりなんだ・・・。)」






アイビー「おいしいっ!」

ラトーシャ「でしょ?」







ラトーシャ「近所に最近できたケーキ屋さんなの。評判いいんだよ。」

アイビー「へぇ~。いいね、そういうとこ。」






アイビー「このへんそういうお店全然なくてさ。スーパーも遠いんだよね。」

ラトーシャ「そういえばそうだね。」

アイビー「買い出し行くのも子供いると大変だし・・・ネットスーパーっていうの、利用しようかとも思うんだけど。」





ラトーシャ「でも芸能人ってバレたら大変じゃない?」

アイビー「そうなの。さすがに子供用品とか運んでもらうのは、ちょっとなぁって思って。」

ラトーシャ「そうだよね・・・。」






アイビー「でもリリィ社長が、いいベビーシッターさん紹介してくれてね。」








ラトーシャ「そういえばシッターさん来るって言ってたね。」

アイビー「うん。」





アイビー「私が入る前にうちの事務所でモデルやってた人なんだけどね。保育士の資格持ってるんだって。40代の人なんだけど、お子さんがもう高校生くらいで、ちょうど暇してたらしいの。」

ラトーシャ「へぇ~。」





アイビー「先週から来てもらってるんだけど、すごく助かってるんだ。時々買い出しもしてきてくれるの。」

ラトーシャ「へぇ~。それは助かるね。」

アイビー「うん。」






アイビー「やっぱり一人じゃ全部はできなくて・・・。」

ラトーシャ「当たり前だよ。」







ラトーシャ「シングルマザーだって大変なのに、ましてやアイビーは名の知れた芸能人だし・・・。」

アイビー「うん・・・。」





ラトーシャ「私もできることあったら協力するから。なんでも言ってね。」

アイビー「でもラト、そろそろ仕事探すって言ってなかった?」

ラトーシャ「今探してるところ。でも、バイト程度でできるところにするつもり。」

アイビー「そうなんだ?」





ラトーシャ「アイビー。」

アイビー「うん?」

ラトーシャ「ご両親には・・・?」






アイビー「話さない・・・わけにはいかないよね。きっとすごく反対されると思うけど。」






ラトーシャ「まだなにも話してないんだ?」

アイビー「うん・・・。」





アイビー「ディーンにも、どうするんだ?って、ずっと言われてるけど・・・。いつかは話さなきゃね・・・。」

ラトーシャ「そうだよね・・・。」

アイビー「でもまだ・・・もう少しアダムが大きくなってからって思ってて。」





ラトーシャ「もし一人で言うのがムリだったら、私もディーンも一緒に行くから。いつでも言ってね?」






アイビー「うん。ありがとう。」

ラトーシャ「私、アイビーの義姉なんだからね。」

アイビー「そうだったw」






アイビー「そういえばラト、この前地元帰ったんだよね?ララには会った?」

ラトーシャ「会ったよ~。ララがね~・・・。」





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