2018/04/29

ベビーシッター












ギルバート「あ~いいっスねその表情!」

スタジオにカメラのシャッター音が響き渡る。





ギルバート「今度目線こっちで・・・はい、オッケーっス!」






「じゃあ今日はこれで終わりです!」

ギルバートが立ち上がる。







アイビー「お疲れ様でした~。」

ギルバート「お疲れっした!アイビーちゃん今日はすごい色っぽかったっス!」

アイビー「あはは。ありがとー。」







アイビーが控室へと消えていく。

ギルバート「ふんふ~ん♪」

ご機嫌なギルバートは鼻歌を歌いながら写真の編集のためにパソコンに向かう。







アイビー「終わりました~。」

アイビーが控室へ入ると、ジーンとマロンがソファーで雑談をしていた。








ジーン「お疲れアイビー。すぐ着替える?」

アイビー「うん。いいかな?」

マロン「じゃあ外出てるね。」

アイビー「はーい。」






ジーンとマロンが部屋を後にする。

二人が出る前にすでにアイビーが着替えの準備にとりかかっていた。







着替えを5分で済ませてアイビーが控室からスタジオへ戻ってくる。

ジーンたちは3人でおしゃべりをしていた。


ジーン「アイビー、今日はやけに早いな。」






アイビー「うん。ちょっと急いでて。」

ギルバート「そうなんスか?今からみんなでご飯食べに行こうって話してたんですけど。」

アイビー「そうなんだ?いいね。」

ギルバート「じゃあアイビーちゃんも・・・。」






アイビー「あ、ごめん。私は今日はやめとく。」

ギルバート「え~。そうなんスか~?」

アイビー「また今度ね。」







ジーン「先週できたばっかりのステーキハウスがあるんだ。結構人気らしくて。」

アイビー「そうなんだ?近く?」

ジーン「うん。今度アイビーも一緒に行こうな。」








アイビー「うん。わかった。」

マロン「じゃあ、あとで評価メールするね。」

アイビー「うん。楽しみにしてるねw」







アイビー「お疲れ様でしたー。」

ジーン、マロン「お疲れ様ー。」

ギルバート「お疲れっした~・・・。」







ギルバート「なんか・・・アイビーちゃん最近付き合い悪くないっスか?」

マロン「そう?」

ギルバート「はい。先週も速攻帰りましたよね。」







マロン「忙しいんだよ。明日CM撮影あるって言ってたし。」

ギルバート「ホントっスかね~。実は彼氏できたとかじゃないっスか~?」

マロン「え~それはないよ~。」

ギルバート「そうですかね~?あんなに可愛いのに今フリーみたいだし、男がほっとかないと思うんですけどね~。」






ジーン「恋人に会いに行くなら、今日みたいな濃いメイクは落としていくんじゃないかな。」

マロン「(さすが鋭い・・・)」

ギルバート「あ~なるほど~・・・。」







ジーン「おなかすいた!ステーキ食べに行こう。」

ジーンが立ち上がる。

ギルバート「そうっスね!俺、今日ボーナス出たんで奢りますよ。」







マロン「やった~!ギルの奢りなんて珍しい!」

ジーン「だから今日ご機嫌だったんだ?」

ギルバート「えへへ♪今日だけっスよ!」


























アイビー「ただいま~。」

アイビーが階段を上がる。







ジャニス「おかえりなさい。」

アイビー「ジャニスさん、ただいま。今日はなんとか間に合いました。」






ジャニス「時間なんて気にしないでいいのに。」

アイビー「でももう8時前だし。この前は10分も遅れてしまったから、今日は絶対遅れないようにしようと思って、急ぎましたw」

ジャニス「アイビーちゃんは本当に真面目ね。」

アイビー「遅刻は厳禁だって、社長に教え込まれてますからねw」

ジャニス「懐かしいわ、その社訓w」





アイビー「アダムはどうですか?」

ジャニス「今寝たところよ。さっきまでぐずって大変だったけど。」

アイビー「そうなんですね。」






アイビーがアダムのベビーベッドへと向かう。

ジャニス「今日はずっとご機嫌だったのよ。なのにさっきは珍しくぐずっちゃってね。」

アイビー「そうなんですね・・・。」





アイビー「アダム、ただいま。遅くなってごめんね。」

アイビーが小さな声で、眠るアダムに話しかける。

アイビー「いい子ね・・・。よく眠ってる。」

ジャニス「ふふっ。」






アイビー「ジャニスさん。今日もありがとうございました。」

ジャニス「アイビーちゃんも、お仕事お疲れ様。」

アイビー「ジャニスさんのおかげです。私が仕事できるのも、アダムが毎日元気に育ってくれているのも。」

ジャニス「ふふっ。それにしても・・・」





ジャニス「ほんっとに羨ましいわ、そのスタイル!」

アイビー「え?」

ジャニス「私もモデルやってたころはアイビーちゃんくらい細かったのよ?確かに太りやすい体質ではあるんだけど・・・子供産んでからはどんどん太っちゃって。二の腕なんてたるんたるんよ?」

アイビー「そんなことないですよ。ジャニスさんすごく綺麗だし。45歳にはぜんっぜん見えませんよ。」

ジャニス「ふふっ。ありがとう。」






ジャニス「アイビーちゃん、お湯沸かしてあるからお風呂入ってきたら?」

アイビー「え?」

ジャニス「メイクも落とさないで、急いで戻ってきたんでしょう?」






アイビー「・・・でも、もう時間だし。って、お風呂沸かしておいてくれたんですか?」

ジャニス「ええ。今から帰るってメールくれたから。それより時間のことなんて気にしないでいいのよ。」

アイビー「でも、ジャニスさんもう帰らないとおうちのこと・・・」






ジャニス「大丈夫。今日はうちの子林間学校でいないの。旦那も今週は出張で出かけてるし。」

アイビー「・・・そうなんですか?」

ジャニス「ええ。だからゆっくりお風呂入ってきていいのよ。その間私アダムくんのことみているから。」






アイビー「じゃあ・・・お言葉に甘えて。あ、ちゃんと残業代払いますね。」

ジャニス「ありがとう。そう言ってくれると助かるわ。うちの旦那さん、最近転職してお給料下がっちゃったのw」

アイビー「こちらこそ助かります。ありがとうございます。」







静かなバスルームに水音が響く。











アイビー「(とは言え急がないと・・・。ジャニスさんに甘えてばっかりじゃいけない・・・。)」







アイビーが急いでお風呂から上がる。








バスルームから出るとジャニスが駆け寄る。


ジャニス「あら?もう出たの?」

アイビー「はい。すごくいいお湯でした。ありがとうござます。」







ジャニス「さっきアンナから今週のスケジュールメールもらったわ。明日はたしか朝からだったわよね?

アイビー「はい、午前中にCM撮影があるので7時からお願いします。」

ジャニス「わかったわ。」





アイビー「すみませんいつも・・・。」

ジャニス「なに言ってるの。アイビーちゃんは雇用主なんですからね。私はちゃんと社長からお給料もいただいてるし。このご時世こんないいお給料で働けるなんて、とってもありがたいのよ。私だって助かってるわ。」

アイビー「ジャニスさんにはいつもよくしていただいて・・・。買い物だって・・・。」





ジャニス「買い物といえば、今日トイレットペーパーと洗濯洗剤、同じもの買っておいたわ。ここからちょっと遠いけど安いスーパー見つけたのよ。」

アイビー「そうなんですね。ありがとうございます。助かります。」

ジャニス「あとアダムくんのオムツ、もうすぐなくなりそうだから明日買いに行ってくるわね。」





アイビー「お願いします。お財布にお金入れておきますね。」

ジャニス「はい。じゃあ、また明日。」

アイビー「お疲れ様でした。下まで送ります。」

ジャニス「は~い。」






二人が階段を下りる。








ジャニス「アイビーちゃん、おやすみなさ~い。」

アイビー「おやすみなさい。」








ジャニスが出ていく後ろ姿を見送る。

アイビー「(すごいな・・・。)」







アイビー「(ジャニスさん、なんでいつもあんなに元気なんだろう・・・。子育てってホントに大変で、私なんてアダムがしばらくぐずっただけでぐったりしちゃうのに・・・。)」


















アイビー「アダム・・・いい子ね。」


起きないように小さな声で話しかける。







アイビー「いつも一緒に居てあげられなくてごめんね・・・。でも、私お仕事頑張るからね。これからもアダムと一緒に居られるように・・・。」






アイビー「おやすみアダム。」

そっとアダムから身体を離す。







アイビー「おなかすいたな・・・。この前ラトからもらったパンケーキ、まだあったよね。」








アイビー「あ、残り一皿だ。」

冷蔵庫からラトーシャのパンケーキを取り出す。
レンジで温めてからテーブルにつく。







アイビー「いただきまーす。」

パンケーキを口に運ぶ。

アイビー「おいしい。毎日食べても全然飽きないなw」








アイビー「(今日も疲れた・・・。)」








アイビー「(明日は午前中CANELのCM撮影と・・・午後は雑誌のインタビューだっけ。夕方には帰れるかな・・・。」








アイビー「眠い・・・・。片づけは明日でいっか・・・。」









食べ終わった食器をそのままに、アイビーが寝室へと向かう。









アイビー「目覚ましオッケー・・・。おやすみなさい~。」


アイビーがベッドへと潜り込む。








3分もしないうちにアイビーの寝息が聞こえだした。









深夜。
ブリッジポートの街は静かに雨が降り出していた。







アダム「おぎゃあぁ~~~。」

突然アダムの泣き声が部屋に響きわたる。








アイビー「ん・・・。」


アイビーが目を覚ます。






アダム「おぎゃあぁぁ~~。」

アイビー「はいはい・・・。ちょっと待って・・・。」

アイビーがベッドから重い体を起こす。






アダム「ぎゃあぁぁ~~。」

アイビー「ごめんごめん。おなかすいたね。」


アイビーが急いでアダムを抱き起す。






ミルクを口に含ませるとアダムが泣き止み必死にミルクを飲みだした。

アイビー「ふぅ・・・。」







アイビー「おはようアダム・・・。たくさん飲んで大きくなるんだよ~・・・。」








アダムがミルクを飲み干すとアイビーは抱き寄せて背中をさする。

アイビー「はーい、ゲップ出しましょうね~。」

アダム「っぷ。」






アイビー「あら?今日はすっごく早くでまちたね!」

アダム「あだぁ。」

アイビー「なんていい子なの。」

アダム「ふぁあ・・・。」

アイビー「ってもう眠そうでちゅね。」






アイビー「おやすみ~。いい子だね。」

静かにベッドへとアダムをおろす。







アイビー「はぁ・・・私ももうダメだ・・・。」








アイビー「眠すぎる・・・。」

ばたりとベッドへと倒れこむ。
数秒で寝息が聞こえはじめる。

























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