Blue sky -sims3 story- へようこそ。
このブログはElectronic Arts社から発売されているPCゲーム「ザ・シムズ3」を使用したドラマ形式のストーリーブログです。
個人のファンサイトですのでEA社とは一切関係ありません。

〈 注意!〉
作中には卑猥な表現、画像も含まれております。
苦手な方はどうぞお引き取り願います。

2013/11/03

君を想う





























久しぶりに店を開けたマスターが誰もいない静かな店内でグラスを磨く。


















マスター「・・・・。」


車の立ち去る音に気づき、ゆっくりと顔をあげる。
















涼やかなチャイムの音が響き、女性が入ってくる。



















マスター「待ってたわ。」



















ミランダ「来るってわかってたみたいな言いぐさね。」

マスター「もちろんよ。」

ミランダ「あいかわらずねマスター。」















ミランダがカウンターに座る。


マスター「あなたはもう大丈夫のようね。」

ミランダ「強くなきゃやってられないわよ。」

マスター「何にする?」

ミランダ「お酒飲めない状態ってわかってるんでしょう?」










マスター「残念ね。あなたの好きなコーヒー、仕入れたばかりなのに。」

ミランダ「あいかわらず意地悪なんだから・・・。ミックスジュース、あるかしら?」

マスター「了解。」













一ヶ月が過ぎた。







































アイビー「ん・・・・。」


アイビーがベッドから体を起こす。
















ゆっくりとした足取りで寝室を出る。
キッチンからは人の気配がする。


















アイビー「ラト・・・・来てたんだ?」

ラトーシャ「あ、起こしちゃった?」

















アイビー「ううん・・・。大丈夫。」

ラトーシャ「ご飯だけ作りに来たんだ。食べれる?」

アイビー「うん。ありがとう。」

ラトーシャ「冷蔵庫に今入れたばっかりだから、すぐならチンしなくても大丈夫だと思う。」

アイビー「わかった。」











ラトーシャ「今日はディーンが日勤だから、またすぐ戻らなきゃいけなくて・・・ごめんねゆっくりできなくて。」

アイビー「別にいいのに。わざわざ作りにきてくれなくても・・・。」

ラトーシャ「私が顔みたいだけだから、気にしないで。」














アイビー「うん・・・・。ごめんね、いつも・・・・。」


アイビーが力なく笑う。
















ラトーシャ「 (アイビー・・・痩せたな・・・・。) ねぇアイビー・・・。」

アイビー「うん?」

















ラトーシャ「ちゃんと、食べてる?」



















アイビー「うん。食べてるよ。」



















ラトーシャ「そっか・・・。もしリクエストあったら作るから、遠慮なく言ってね。」

アイビー「うん。ありがと。」
















ラトーシャ「あ、明日の朝はマロンさんが来てくれるって。」

アイビー「そうなんだ?」

ラトーシャ「じゃあ私そろそろ帰るね。」

アイビー「うん。いろいろありがとう。気をつけてね。」

ラトーシャ「うん。」












ラトーシャがバッグを手に階段を下りていく。



















アイビー「・・・・。」




















玄関が閉まる音を聞いてからアイビーがキッチンの冷蔵庫を開ける。


















ラトーシャの作った料理をテーブルに置いて席につく。



















アイビー「いただきます・・・。」


小さく声に出してから料理を口に運ぶ。
















2、3口食べるとゆっくりとフォークを置く。
皿にはまだ料理が残っている。
じっとそれを見つめる。

















ゆっくりと立ち上がり、皿を手に取る。



















そのままバスルームへと移動する。



















おもむろに料理を流し入れ、急いでトイレの水を流す。



















アイビー「 (ごめんねラト・・・・。) 」



















アイビー「 (食欲ないんだ・・・・。残すとみんなが・・・心配しちゃうから・・・・。) 」





































ラトーシャ「ただいま~。」


玄関のドアを開けてラトーシャが帰ってくる。
















ディーンはリビングで映画を見ている。


ラトーシャ「ディーン帰ってたんだ?」
















ディーン「あ、おかえりラト。」

ラトーシャ「ただいま。」

ディーン「帰りにDVD借りてきたんだ。一緒に見ようかと思って。」

ラトーシャ「そっか。おなかすいてない?すぐご飯にするね。」













ディーン「いいよ。どっか食べに行こうぜ。ラトも疲れてるだろ。」

ラトーシャ「大丈夫だよ?」

ディーン「それよりアイビーのやつ、どうだった?」















ラトーシャ「うん・・・。ひどくなってると思う。」

ディーン「そうか・・・。」

ラトーシャ「たぶん・・・ほとんど食べてないよ。どんどん痩せてきてるし、肌に潤いないし・・・・ずっと眠ってる。」

ディーン「・・・・・。」












ディーン「ごめんなラト。ラトもつらいよな・・・・。」

ラトーシャ「ううん。私はいいの。少しでも・・・役にたてるなら。でもアイビー・・・このままだと・・・。」

ディーン「そうだよな・・・。」














ラトーシャ「お義父さんたちには言ったの?」

ディーン「言えるわけねぇよ・・・。」

ラトーシャ「でも・・・病院に入れることも考えないと・・・・。」

ディーン「そうだけど・・・・あいつ絶対嫌がるだろうし・・・。」

ラトーシャ「そうだよね・・・。」












ディーン「さすがにそれは最終手段かな・・・・。」

ラトーシャ「うん・・・・。」

ディーン「むしろ倒れてくれたほうが、入院させやすいんだけどな。」

ラトーシャ「ディーン・・・。」












ディーン「ホント・・・どうすりゃいいんだか・・・・。俺双子なのに・・・・なにもしてやれない・・・・。」

ラトーシャ「ディーン・・・・。」

ディーン「ダメな兄貴だよな・・・・。こんなに近くにいるのに・・・・俺だけなのに・・・・。」













思わずラトーシャがディーンに抱きつく。


ラトーシャ「そんなことない。ディーンは精一杯やってるよ。」

ディーン「そうかな・・・・。」

ラトーシャ「誰だって無力だよ・・・私だって・・・・。でもどうしようもないんだよ。」











ラトーシャ「アイビーの苦しみはきっと誰にもわからないよ。愛する人を亡くした者じゃないと・・・わからない苦しみだもん。」

ディーン「・・・・。」

ラトーシャ「きっとどんなにつらいか・・・・。私だったら・・・・ディーンに先に死なれちゃったらきっと生きていけない。」













ディーン「俺もだ。ラトがいない人生なんて・・・もう考えられない。」

ラトーシャ「ディーン・・・絶対に、私を置いて先にいかないで・・・・。」

ディーン「ああ。そのときは二人一緒だ。」














ラトーシャ「その頃はきっと・・・たくさんの孫や曾孫に囲まれていたい・・・。」

ディーン「ああ。そうだな。」

















翌朝。




















アイビーがぼーっと窓の外を眺めている。



















マロン「おはよ~。」


階段をあがってマロンが部屋へ入ってくる。
















マロン「アイビーちゃん、なに見てるの?」

アイビー「・・・・!」


ようやくマロンの存在に気づいたアイビーが振り向く。














アイビー「マロンちゃん、おはよう。」

マロン「おはよう。早いね。もう起きてたんだ?」

アイビー「うん。いっぱい寝たから。」















マロン「寒くない?10月に入って一気に風が冷たくなったよね。」

アイビー「家から出てないからわからないけど・・・たしかに窓際はちょっと寒いかな?」

マスター「アイビーちゃん薄着だから風邪引くよ~。」















アイビー「部屋の中はあったかいから大丈夫。それよりマロンちゃん、今日仕事は?」

マロン「今日は休みなんだ~。だから遊びに来ちゃった。」

アイビー「そっか・・・。いつもありがとう。」














マロン「外見てたの?」

アイビー「え?」

マロン「今日も曇り空だねぇ。最近ずっと、雨か曇りかばっかりだよねぇ。」















アイビー「そうだね・・・・でも。」

マロン「?」

アイビー「私はこっちのほうが好きかな・・・・。雨も・・・ホントは結構好きなんだ・・・・。」














マロン「・・・・ロミオちゃんのこと、思い出してたの?」

アイビー「・・・・・。」

















アイビー「・・・ねぇマロンちゃん。」

マロン「うん?」

アイビー「どうしてかなぁ・・・・。あんなに眠ってるのにね。」

















アイビー「夢にも出てきてくれないんだぁ・・・・。相変わらず意地悪だよね・・・・。」



















アイビー「困ったねぇ・・・・。」

マロン「・・・・っ。」


マロンは喉の奥がきゅっと苦しくなるのを飲み込んだ。














マロン「ねぇアイビーちゃん。」

アイビー「・・・?」

マロン「たまには出かけない?最近はもうマスコミもいないし。外出ても大丈夫だよ?」














アイビー「う~ん・・・・やめとく。」

マロン「そう・・・?」

アイビー「ごめんね。今日はそういう気分じゃないんだ。」















マロン「そっか。ならしょうがないね。」

アイビー「マロンちゃんでかけてきていいよ?せっかくのお休みでしょう?」

マロン「いいの。僕はアイビーちゃんと遊ぼうと思って来たんだから。」













マロン「DVDいっぱい借りてきたんだ。アイビーちゃんの好きなSFとアクションばっかり。あと僕のオススメのコメディーも何本かw」

アイビー「ホント?嬉しい。」

マロン「一緒に観よっか。」

アイビー「あ~・・・・でもうちパソコンしかモニターないよ?」

マロン「そう思って僕家からプロジェクター持ってきたんだw」

アイビー「すごいねw 私、先にシャワー浴びてきてもいいかな?」

マロン「うん。その間に準備しておくね。車に積んであるから。」









アイビー「うん。楽しみ~。」

マロン「ゆっくりでいいからね。」

アイビー「は~い。」


アイビーがバスルームへと移動する。













マロン「 (アイビーちゃん・・・・ごめんね・・・・。) 」




















前日の夜。


マロン「お疲れ~。先に帰るね~。」


メイクルームを出たマロンとジーンがスタジオへと入ってくる。














ギルバート「あ、飲みに行くなら俺も行きたいっす。」

マロン「今日は行かないよ~。また今度ね。」

ギルバート「ちぇっ・・・。お疲れっす!」

ジーン「お疲れ様。」














ジーン「マロンちゃん。」


エレベーターを待っているとジーンが後ろから声をかける。















マロン「なに~?」

ジーン「アイビー、元気ですか?」

マロン「・・・・。」

ジーン「明日も行くんですよね?アイビーのとこ。」













マロン「ジーンくん、アイビーちゃんに電話なんかしてないよね?」

ジーン「・・・してないです。」

















ジーン「葬儀のあと、一度も連絡とってないですよ。」

マロン「僕との約束、ちゃんと守ってくれてるんだ?」

ジーン「・・・はい。」














ジーン「母さんが気にしてて・・・アイビーは大丈夫かって。」

マロン「アイビーちゃんなら大丈夫だよ。気丈に振舞ってる。見ていて泣けるくらいにね。」

ジーン「・・・・。」

マロン「だから絶対にアイビーちゃんにはもう連絡しないで。ジーンくんは必要ないから。」












マロン「アイビーちゃんが弱ってるときに・・・ジーンくんが付け入るみたいなことしたら僕・・・・絶対に許さないから・・・・。」

ジーン「・・・・。」

マロン「僕はロミオちゃんがカメラマンになる前から知ってるし、親友だと思ってたんだ。だから・・・そんなことしたらジーンくんのこと、一生許せないから・・・・。」













マロン「ジーンくんのことは仲間だから信頼してるし好きだよ。でも・・・男だから・・・アイビーちゃんのこと好きなのも知ってるから信用できない。」

ジーン「・・・・。」

マロン「僕との約束、これからも守ってよね。」














マロン「今日は先に帰るね。」

ジーン「はい・・・。」


マロンがエレベーターに乗り込む。























































マロン「 (ロミオちゃん・・・僕は間違ってないよねぇ・・・・。) 」



















マロン「 (ロミオちゃん・・・・話したいよ・・・・。) 」