リア「ふぁ~・・・。」
リアがベッドから起き上がる。
つけっぱなしのライトが部屋を照らす。
暗闇を怖がるリアは、一人で寝るときは常にライトを点けたまま寝ている。
リア「シャワー浴びよ・・・。」
リアが階段をあがるとバスルームのドアが開いてアランが出てきた。
アラン「おはよ。」
リア「あ、おはよ~・・・。」
アラン「なに?俺の裸見にきたわけ?」
リア「へ?」
アラン「朝から欲求不満だな。あんたも。」
リア「ちょ・・・・お酒臭っ!アラン酔っ払ってるの??」
リアが鼻をつまんで顔の前で手を振る。
アラン「飲んでちゃ悪いのかよ。俺だってたまには酒くらい飲むさ。」
あからさまにムッとした顔でリアを睨む。
リア「もぉ~、朝からやめてよね。こっちは寝起きなのに。」
アラン「はぁ?」
リア「きゃっ!」
突然アランがリアを壁際に追い詰める。
リア「ちょっとアラン・・・。」
アラン「あんた、年下だと思って俺のことバカにしてんだろ?」
リア「べつにそんな・・・。」
アラン「俺があんたのこと抱かないって言ったから、油断してんじゃねぇの?」
リア「なに言って・・・。」
アラン「俺だって男だってこと、忘れたわけじゃないよな?」
リア「・・・アラン、飲みすぎ。酒臭いし、そこどいてよ。」
リアがキッと睨みつける。
アラン「へぇ~、怒った顔もそそられるね。」
アランがリアの顎にそっと触れる。
リア「ちょっとアラ・・・・。」
アラン「あんたっておいしそうな唇してるよねぇ?俺、厚い唇好きなんだよね~。キスしたら気持ちよさそう。」
唇に息がかかるほどの距離でアランが囁く。
リア「ご、ごめん。私が悪かったわよ。・・・だから冗談はもう・・。」
リアがやんわりとアランの胸を押し返す。
リア「んっ・・・。」
突然アランがリアの唇を塞ぐ。
リア「!!」
リアが目を見開く。
一瞬だけ脳裏に浮かぶビジョン。
ものすごい憎悪や嫌悪感がリアに襲い掛かる。
自分以外の者すべてを憎み蔑むような表情の血だらけの幼い子供。
しかしその目の奥には微かに悲しみが宿っていた。
リア「・・・っ!」
たまらず目を瞑る。
パシッ
廊下に乾いた音が響き渡る。
リアが走り出し階段を駆け下りていく。
アラン「・・・・。」
アラン「・・・・ふっ。」
リア「ハァ・・・ハァ・・・・。」
息を切らして部屋に駆け込んだリアが、ドアを背に鍵をかける。
リア「 (なにあれ・・・・。あんな強い感情・・・今まで感じたことがない。悲しいのに・・・泣けなくて苦しい・・・・。) 」
リア「 (そしてそれを覆い尽くすくらいに強い憎しみや苛立ち・・・。姿は幼い子供なのに・・・まるですべてを知ってる大人みたいな・・・・。)」
リア「 (怖い・・・・。) 」
リア「おはようございます・・・。」
ドアを開けてリアがオフィスに入ってくる。
タイラー「おはよ~。」
タイラー「あれ?今日はのんびりだね。いつも俺より早いのに。」
リア「はい・・・。」
タイラー「なんかあった?」
リア「ちょっと・・・体調がよくなくて。」
タイラー「そうなんだ?大丈夫?」
リア「はい。薬飲んできたので・・・そのうちよくなると思います。」
タイラー「あんまりムリしないようにね。ひどかったら早退してもいいんだからさ。」
リア「はい。ありがとうございます。」
リア「 (あのビジョンを見てから、すごい倦怠感と頭痛がする・・・。イライラするし・・・なんなんだろう・・・・。) 」
午後の休憩時間。
リアが自動販売機前にいるとレオンが入ってくる。
レオン「よぉ。」
リア「どうも・・・。」
レオン「相変わらず顔色悪いみたいだな。大丈夫か?」
リア「大丈夫です。薬も効いてきたし。」
レオン「そうか?それにしては青い顔してるぞ?」
レオン「ムリすんなよ。急ぎの仕事なんてねぇだろ?あんたが帰っても誰も困らねぇよ。」
リア「あんたたち社員と違って私は派遣なんだから、働かないと稼げないの。もう気分もよくなったから平気よ。ご忠告どうも。」
リアが炭酸をあおる。
レオン「おいおい。炭酸は具合悪いときはダメだろ。胃には刺激が強すぎるぞ。」
リア「うるさいなぁ・・・。」
ぼそりとつぶやいてリアがゴミ箱に空き缶を投げ捨てる。
レオン「聞こえてんぞ。」
レオン「あんたなぁ・・・。」
リア「大丈夫だって言ってるでしょう?もうほっといてよ。」
リアがレオンの横を通り過ぎる。
レオン「 (あいつなにイライラしてんだ?生理か?体調悪いのもそれか。) 」
バタッ
レオンの背後で鈍い音がしてリアが倒れる。
レオン「おいっ!」
振り返ったレオンが慌てて駆け寄る。
レオン「大丈夫か!?おい!」
レオン「リア!!」













































