無事に退院したロミオはアイビーを連れて「House of the witch2」へ来ていた。
マスター「病み上がりのくせにもう飲んじゃっていいの?」
ロミオ「いいんだよ。医者には特になにも言われてないんだから。」
マスター「本当なのかしらねぇ?」
アイビー「栄養あるものをしっかり食べろとは言われてましたけどね。お酒のことは特に言ってませんでしたよ~。」
マスター「そうなの。なら大丈夫かしらね。この人酒好きだから。」
ロミオ「うるせぇな。早く酒出せ。」
マスター「はいはい。」
ロミオ「俺のおかげで繁盛してるだろ。」
マスター「まぁね。昔あなたがここに通いつめてたおかげで、あなた目当てのモデルが毎日のように来てたからね。」
ロミオ「おかげで最近来れなかったんだけどな。」
アイビー「ロミオさんもここの常連だったんだね。」
ロミオ「お前はマロンに連れて来てもらったんだろ。」
アイビー「違うよ。はじめて来たのはサムちゃんが連れてきてくれたときかな。マロンちゃんともよく3人で来たりしてるけどね。」
ロミオ「お前もとうとう魔女の罠にかかったってわけか。」
アイビー「罠?」
マスター「あら、失礼な言い方やめてくれる?罠じゃなくて、虜よ♪」
ロミオ「似たようなもんだろ。」
マスター「いや~ね~。変な術はかけてないわよ~。全く、黙ってればいい男なのにね。」
アイビー「ははっw」
ロミオ「お前、明日は仕事か?」
アイビー「ううん。休みだよ。」
ロミオ「そうか。じゃあゆっくりできるな。」
アイビー「ロミオさんは明後日からだよね?」
ロミオ「BiBiの撮影はな。明日は午後から写真集の打ち合わせだ。」
アイビー「写真集?またモデル?」
ロミオ「いや。俺のだ。」
アイビー「ロミオさんの??ロミオさん、モデルもやるの?」
ロミオ「ちげぇよw いままで撮り溜めた風景の写真だ。今度出すことになった。」
アイビー「へぇ~。風景とかも撮るんだ?全然知らなかった。」
ロミオ「ゆくゆくはそっちのカメラマンになるのが夢だからな。」
アイビー「へぇ~。なんだか素敵だね。話してくれて、嬉しいな。」
ロミオ「写真集の話は2年前から出てたんだけどな。ようやく形になりそうなところだ。」
アイビー「そうなんだ~。がんばってね。」
ロミオ「あぁ。」
マスター「 (この二人も、なかなか複雑な星の下に生まれたわね・・・。まぁ・・・私には今はなにも助言することはできないけど。) 」
マスター「 (運命って皮肉ね・・・。) 」
車から二人が降りる。
ロミオが先に階段を上っていく。
アイビーが階段をあがって2階へやってくる。
アイビー「ここ・・・。」
ロミオ「ずっと見たがってたろ。」
アイビー「見せたいものってもしかして・・・。」
ロミオ「ここだ。俺の秘密の庭。」
アイビー「庭・・・。」
ロミオ「あんまり期待するなよ。ただの庭だから。」
アイビー「うん・・・。」
ドアを開けると階段が続いていた。
その階段を上がっていく。
急に視界が開けて夜空が見えた。
ロミオ「ここだ。」
目の前に広がっていたのは文字通りの「庭」だった。
古い倉庫の屋上には植物園のような色鮮やかな庭があった。
ロミオ「ここが俺の庭。」
アイビー「大都会の真ん中に・・・こんな素敵な場所があったなんて・・・。」
ロミオ「真ん中じゃねぇよw 端っこだな。」
ロミオ「気に入ったか?」
アイビー「すごいね!気に入った!」
ロミオ「俺のだけどなw」
アイビー「そうだったw」
ロミオ「花が咲いてるから昼間も綺麗だけど、夜もなかなか乙なもんだろ?」
アイビー「うん。ライトアップがさりげなくて、すごく雰囲気がいいね。」
ロミオ「このくらいが植物に負担かけなくてちょうどいいんだよ。」
アイビー「そうなんだ?詳しいね。」
ロミオ「好きなんだ。俺が撮ってる風景も森とか植物ばっかりだしな。」
アイビー「へぇ~。見てみたいな。」
ロミオ「あとで見せてやるよ。」
ロミオ「水着持ってきたか?」
アイビー「うん。昨日言われたからちゃんと持ってきたよ。」
ロミオ「ホットバスがあるんだ。入ろうぜ。」
ロミオが服を脱いでホットバスに漬かる。
ロミオ「あ~。やっぱいいなここ。病院の風呂はシャワーだけだから苦手だわ。」
アイビー「ロミオさん、ここって周りのビルから見られたりしない?高層ビルに囲まれてるけど・・・。」
ロミオ「大丈夫だよ。木はそのための目隠しでもあるんだから。それに後ろのビルはずっと工事中でなかなか建設終わんねぇんだ。その横はラブホだから窓はずっと閉まってる。」
アイビー「そうなんだ・・・。」
ロミオ「安心しろ。」
アイビーも服を脱いでホットバスに入った。
アイビー「あったか~い。」
ロミオ「だろ?もうちょっと寒くなったら最高の露天だぞ。」
アイビー「そうだろうね~。」
アイビー「ロミオさんってば、こんな最高の場所ずっと独り占めしてたんだ?ずるい。」
ロミオ「ははっw ここのこと知ってるのはお前とミラだけだ。」
アイビー「ミラって、ミランダさん?」
ロミオ「あぁ。」
アイビー「そういえば、昔話するって言ってたよね。聞きたいな。」
ロミオ「まずはお前からだ。」
アイビー「え~ずるい。」
ロミオ「俺のは長いんだよ。」
アイビー「そうなの?」
ロミオ「お前、初恋の相手って覚えてるか?」
アイビー「もちろん覚えてるよ。」
ロミオ「どんなやつだ?」
アイビー「ロミオさん・・・嫉妬したりしない~?」
ロミオ「しねぇよ。いくつのときだよ。」
アイビー「え~っとね~、私が高校1年のとき。モデルの仕事をはじめたのもその人が影響してるんだよね。」
ロミオ「へぇ~。そうだったのか。」
アイビー「うん。私が1年生のときに転校してきた3年生の男の子なんだけどね。その人、スタイリストを目指してたの。」
アイビーがジーンの話をはじめる。
はじめての恋。
そしてはじめて結ばれた日。
その先にあった別れ。
モデルを目指すきっかけになったのが彼だったこと。
スカウトが来たのもたぶん彼のおかげだということ。
そして数年がたち、夢中で追いかけたものが幻だったと気づいた。
アイビー「そんなときに出会ったのがロミオさんだったんだ。」
ロミオ「そうか・・・。」
アイビー「でも後悔はしてない。今こうしてモデルを続けていられるのも彼のおかげだし。私、いつのまにかモデルの仕事、すごく好きになってたんだ。」
ロミオ「お前が仕事好きだってことはカメラ越しで伝わってくる。」
アイビー「本当?嬉しいな。」
ロミオ「あぁ。」
アイビー「今頃なにしてるんだろうな~。たぶん、ニューヨークでスタイリストとしてがんばってるか、もっと出世してパリとか行っちゃってるのかもね~。」
ロミオ「そうかもな。高校生ですでにお前のこと見抜いた目はさすがだと思うぞ。」
アイビー「ふふっ。私すんごい地味だったもんねw」
ロミオ「容易に想像できるな。」
アイビー「私の話はこれでおしまい!次ロミオさんだよ?」
ロミオ「俺か。」
アイビー「ロミオさんの初恋の人はどんな人だったの?」
ロミオ「初恋か・・・。ちょっと長くなるけど、大丈夫か?のぼせそうになったらすぐあがれよ。」
アイビー「うん。」
ロミオ「俺の育った場所が孤児院だって話はしたよな。」
俺の育った孤児院、それがここ、ブリッジポート・天使の園。
天使なんて名前がつくほど素晴らしい場所じゃないことは確かだった。
こんばんわ。
返信削除ついにロミオさんの昔話・・・。
どんなんだろう・・・。
気になる><
きっといい思い出はなかったのかなあと思ってたりして。
>どーるぃさん
削除いつもありがとうございます(´∀`)
いい思い出w
どうなんでしょうね( ̄ー ̄)ニヤリ
ローガンのときのように、回想が悪いことばかりなのかどうかw
そしてとうとうロミオの初恋の人、登場です(ノ´∀`*)
なで肩さんこんばんは^^
返信削除ロミオさんついに屋上へアイビーちゃんを入れましたね♪
怪しいものはありませんでしたねっww(どんな期待ww)
この庭、ロミオさんにとってはかけがえのない大切なものなんでしょうね(*^▽^*)
アイビーちゃんもすっかりジーンくんは過去の懐かしい思い出の彼、なんですね。
もう、これだけ年数たってると仕方ないですよねw
ジーンくんの方は、どうなってるのか、現在が気になったりもしますね~。
そして次回はロミオさんの孤児院時代の話が語られそうですが・・・
素晴らしい場所じゃない、という言葉に引っ掛かりますね・・・
>ゆきさん
削除いつもありがとうございます(´∀`)
ロミオの秘密の庭、とうとう解禁しちゃいました\(^▽^)/
怪しいもの・・・葉っぱは葉っぱでも普通でしたよwww
ロミオがなぜここを大事にしているのか、ということも回想でわかると思います(´∀`)
アイビーにとっては、今一番大事な人がロミオなので、ジーンのことはすっかり過去の人になってしまっていますね。
でも初恋の素敵な思い出として胸にしまっているのかもしれないですね(ノ´∀`*)
ジーンは今頃なにしてるんでしょうね~(遠い目
そしてとうとうロミオの長い回想がはじまります・・・。
私的にやっとここ、って感じなんですが( ̄ー ̄)ニヤリ