2012/08/23

ロミオの過去 その2









強気なことを言っていたが、ミランダは意外にも体が弱かった。
生まれつき心臓に欠陥があったらしい。
そんなわけで、子供の頃はなにかと入院生活を送ることが多かった。





























俺とミランダが仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
俺はあいつのことを一風変わった面白い奴と思っていたし、ミランダのほうも俺とは話しやすかったようだ。
ああ見えて意外に人見知り(周りからはクールだと思われていたが)の性格のようで、自分からは話しかけたりしないタイプだった。



























俺は学園長の目を盗んではミランダの病室へ通った。
病院はクーラーが利いているし、学校や学園よりもかなり快適だった。
あの鼻につくアルコールの匂いも、案外嫌いじゃなかった。





























俺にとって病院は遊び場でしかなかった。
どんな入院患者であっても、孤児である俺からしてみればなにも変わらないと感じていた。
たとえば翌日にそいつが病室から消えていたとしても。
まぁ、人生なんて案外そんなもんだ。



























ロミオ「よぉ。」

ミランダ「今日も来たの?そんなにしょっちゅう来てあんた大丈夫なの?」

ロミオ「なんだよ。来ちゃ悪いのかよ。」




























ミランダ「悪いなんていってないでしょ。たいくつしてたから嬉しいよ。」

ロミオ「向かいの子、退院したのか?」

ミランダ「あぁ。死んじゃったみたい。ゆうべ騒がしかったから。」

ロミオ「そっか。」
























ロミオ「お前は大丈夫なんだろうな?」

ミランダ「大丈夫よ。もう慣れっこだし。」

ロミオ「ならいいけど。」

ミランダ「まぁ私は昔から手のかかる子だったから、ママたちは借金抱えて大変だっただろうな~って、今になって思うよ。」

ロミオ「お前のせいじゃないだろ。」

ミランダ「そうなんだけどさ。」






















ミランダ「学校はどう?」

ロミオ「もうすぐ夏休みだから、みんなすげぇはしゃいでるよ。」

ミランダ「夏休みかぁ~。そういえばそうだったねw。」

ロミオ「別になにも変わんないぞ。プールに行けるだけで。」
























ミランダ「プールかぁ~。」

ロミオ「お前、泳いじゃダメなんだっけ?」

ミランダ「うん。心臓に負担かかるからね。」

ロミオ「そっか~。」

ミランダ「でも水浴びならできるよw」

ロミオ「学園長の許可おりないとダメかもなw」





















ロミオ「まだ退院できないのか?」

ミランダ「もうすぐじゃない?なんかもう明日から外出ていいって先生に言われたよ。」

ロミオ「外出許可ってやつ?」

ミランダ「ううん。病院内だけね。」

ロミオ「病室から出ていいってことか。」























ミランダ「そんな感じ。やっと外の空気吸えるよ~。」

ロミオ「じゃあ俺が連れ出してやるよ。」

ミランダ「病院のお庭だけだよ?」

ロミオ「わかってるよ。ハカセも連れて来ていい?」


























ミランダ「ハカセって、メガネの子?」

ロミオ「そう。」

ミランダ「別にいいよ。」





























ハカセがミランダに好意を寄せていることを俺は気づいていた。
だからハカセの力になってやりたかったんだ。
その晩、俺は寝る前にハカセに声をかけた。


ロミオ「ハカセ。」

ジミー「なあにクロ?」




























ロミオ「明日一緒に病院行かないか?」

ジミー「病院?」

ロミオ「うん。ミランダが、明日から外に出ていいんだって。」


























ジミー「ミランダちゃんのお見舞い?」

ロミオ「そう。あいつ病院で退屈してるからさ、一緒に遊びに行こうぜ。」

ジミー「僕も行ってもいいのかな?」

ロミオ「もちろん。あいつもおいでって行ってたぞ。」

ジミー「ホントに??」

























ロミオ「あぁ。学校が終わってから一緒に行こうぜ。」

ジミー「行きたい!僕もちょっと気になってたんだ。誘ってくれてありがとうクロ。」

ロミオ「おう。じゃあ明日、放課後駐輪場集合な。」

ジミー「駐輪場ね!了解!」























9時には消灯で寝ないといけないので、急いで自分たちのベッドへもぐりこむ。






























ジミー「 (明日楽し・・・ムニャムニャ・・・。) 」
































ロミオ「 (よかった。ハカセも喜んでくれたみたいだ。) 」
































ロミオ「 (ミランダも、ハカセのこといいやつってわかってくれたらいいな・・・。) 」

































































その日、ハカセは掃除当番だったらしく、出発が遅れたので病院についたのはすでに4時をすぎていた。






























ロミオ「遅くなってごめんな。」

ミランダ「別にいいよ~。約束通り来てくれたし。」

ジミー「僕が掃除当番だったの、すっかり忘れてたんだ。」

ミランダ「そうなんだ~?」


























ミランダ「ハカセって、名前なんていうの?」

ハカセ「ジミー。ジミー・キムだよ。」

ミランダ「ジミーか。なんでハカセって呼ばれてるの?」




























ハカセ「僕、昆虫とか爬虫類が好きなんだ。それで虫博士ってみんなから呼ばれてて。」

ミランダ「へぇ~。昆虫かぁ~。」

博士「ミランダちゃんは、昆虫好き?」



























ミランダ「昆虫は別に好きでも嫌いでもないけど、爬虫類は好きだよ。」

ジミー「ホントに??」

ミランダ「うん。パパがヘビを買ってたんだ。大きなニシキヘビ。」



























ジミー「へぇ~!すごいね!」

ミランダ「でもその子が死んじゃって、それからパパの事業がうまくいかなくなったんだよね~。やっぱりヘビってそういう能力あるのかな~。」

ロミオ「能力?」

ミランダ「金運のさ。白ヘビの夢をみると金運アップとか言うじゃない?」

ロミオ「あ~。たしかに。」





















ミランダ「パパもすっごくかわいがってたヘビだったんだよね。あの子のおかげで会社も大きくなれたのかもしれないね。」

ジミー「そういうの、あるかもしれないね~。」

ミランダ「この前授業でカエルの解剖やったんだよね。」

ロミオ「え?そんなことやるの?」

























ミランダ「うん。女子とかは泣いてる子もいたけど、私は平気だったよ。」

ジミー「へ、へぇ~・・・。」

ロミオ「お前すげぇな。」

ミランダ「だって、興味あるじゃない?体の中がどうなってるのか。」

ロミオ「いや、別に・・・。」

ミランダ「そう?」


















ジミー「ミランダちゃんって、意外に男らしいんだね。」

ミランダ「あ~そうかもしれないね。ママたちにはよくたくましいって言われてたなw」

ロミオ「女でたくましいのかよ。」

ジミー「はははっw」

























ロミオ「 (ハカセ、楽しそうだな。連れて来てよかった。) 」

































ミランダ「ハカセはなんか飼ってないの?」

ハカセ「今は動物は飼えないから、飼育委員をやってるよ。」

ミランダ「へぇ~。小動物も好きなんだ?」

ハカセ「うん。うさぎがとってもかわいいんだ。今度見においでよ。」

























ミランダ「見たい見たい。転校してから飼育小屋とか行ってないんだ~。」

ハカセ「そうなの?じゃあ僕が案内してあげるよ~。ちゃんとみんな名前もついてるんだよ。」




























ロミオ「? (今誰か・・・・人が・・・・。) 」
































ミランダ「ロミオ?どうしたの?」

ロミオ「今あの窓から誰かこっち見てたんだよ。」

ミランダ「どの窓?」

ロミオ「一番上のさ・・・。」
























ミランダ「一番上は長期の患者さんの棟だよ。」

ロミオ「長期?」

ミランダ「うん。長いこと入院してる人。それかもう病院出られないような深刻な病気の人の病棟だってこの前他の子に聞いたよ。」



























ミランダ「なんか、ほとんどは重い病気の人らしいんだけど、子供もいるらしいよ。」

ロミオ「子供?」

ミランダ「うん。病棟から出られないから、みんな見たことないみたいなんだけどね。」
























ロミオ「子供なのに・・・かわいそうだな。」

ミランダ「そうだね~。私みたいに、たまに入院するのならまだラクだけどね。」

ロミオ「そうだよな。」


























ミランダ「まぁ、誰も見たことないって言うし、都市伝説的な話なのかもしれないんだけどね。」

ロミオ「そっか。」




































































4 件のコメント:

  1. こんばんわ!
    でましたね、謎の少女!
    まさかロミオさんの初恋の人・・・?

    どんな子かなあ?w
    楽しみです><

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    1. >どーるぃさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      ようやく登場しましたw
      ミランダの言ってた病院の「彼女」ですね。
      どんな子でしょうね(ノ´∀`*)
      いままでいくつかフラグを立てておいたので、組み合わせていくとなんとなくわかるかもしれませんね( ̄ー ̄)ニヤリ

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  2. なで肩さんこんにちは^^
    園長、なんて憎らしいバアさんなんでしょうね!!
    本当に園の名前とは全く違うww
    でも、子供達はこういうものと捉えてまだ幼いのに皆冷静に暮らしているのが寂しげですね・・・
    仲間同士の関係が良好なのが唯一の救いだなぁ~と。
    ミランダさんの病院に謎の女の子・・・
    この子がロミオさんの彼女になるみたいですねw
    どういう風に出会って、どんな子なのか・・・気になりますねぇo(^▽^)o



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    1. >ゆきさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      学園長はしぶしぶやってる感じありますよね~w
      あまりいい大人ではないですね( ̄ー ̄)ニヤリ
      子供たちもそれをわかっているので、自分たちだけでがんばっているんでしょうね。
      ロミオは子供の頃はただの少年ですからね~。

      そして病院での謎の少女出現w
      気になりますね(ノ´∀`*)
      しばらくロミオのターンが続きますので、ご期待ください\(^▽^)/

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