2012/10/05

恋心







ケイティーとホリーが階段を降りてくると、キッチンのほうからホリーの母親、ヴィタがやってきた。


ヴィタ「あら、もう帰るの?」

ホリー「ママ、ケイティーちゃんを駅まで送ってくるね。」

ケイティー「お邪魔しました。」

















ヴィタ「パパが今日はお客様を連れてくるらしいからご馳走作ったのよ。よかったら一緒に食べていって。」

ホリー「そうなの?」

ケイティー「でも・・・お客様がいらっしゃるならお邪魔なのでは・・・。」

ヴィタ「大丈夫よ。大学の若い先生みたいだから。」
















ホリー「ケイティーちゃん、食べて行って。帰りはパパが送ってくれるよ。」

ケイティー「でも悪いし・・・。」

ヴィタ「いいのよ。せっかく遠いところ遊びに来てくれたんだから。」
















玄関のドアが開く。


ヴィタ「あなた、おかえりなさい。」

ニック「ただいま。お客さん連れてきたぞ。」

ヴィタ「ちょうど食事もできたところよ。」

ニック「ホリーの友達も一緒だったのか。」

ケイティー「お邪魔してます。」










ジム「あ・・・。」

ケイティー「ジムさん・・・。」



















ジム「また、会いましたね・・・。」

ケイティー「はい・・・・。」

ニック「ジム君、知り合いなのか?」

















ジム「はい。」

ヴィタ「知り合いならちょうどいいわね。さ、みんなで食事にしましょう。ホリー、お手伝いお願いね。」

ホリー「はい、ママ。」

ケイティー「私も、お手伝いします。」

ヴィタ「ありがとうケイティーちゃん。」













全員で食卓を囲む。





















ジム「 (偶然にしてはよく会うな・・・。) 」






















ケイティー「すごくおいしいです。」

ヴィタ「本当?よかったわ。」

ジム「おいしいですね。家庭料理なんて久しぶりで・・・呼んでくださってありがとうございます。」

ニック「ジム君も早く家庭を持たないとな。」

ジム「自分はまだ・・・・。」













ヴィタ「ジムさんはおいくつなの?」

ジム「29歳です。」

ヴィタ「なら子供がいてもおかしくない年齢ね~。」

ジム「周りにはせかされているんですけどね・・・。」

ニック「結婚はいいぞ。家に帰って誰かが待っててくれるっていうのはいいものだ。」

ヴィタ「あら。あなた、ホリーが産まれても遊び歩いててなかなか帰ってこなかったじゃないの。」

ホリー「そうなの~?」










ニック「ははっw あのときはわしも若かったんだよ。ジム君も、後悔せん程度に、結婚するまでは遊んでおくといい。」

ジム「はぁ・・・。」

ホリー「パパ、あとでケイティーちゃんのこと送ってってあげて。私も一緒について行くから。」

ニック「あぁ。かまわんよ。」

ケイティー「でも、まだ電車があるので大丈夫です。」

ホリー「遠慮しないで。」

ヴィタ「そうよケイティーちゃん。」









ジム「自分が送って行きますよ。」

ニック「おお。ジムくんなら知り合いだから、ケイティーちゃんもそのほうがいいだろう。」

ケイティー「でも・・・。」

ジム「大丈夫です。帰り道も近いですし。」

ヴィタ「悪いわねジムさん。」

ジム「いいえ。」











ジム「遅くなるとまずいですし、食事が終わったら送って行きますね。」

ケイティー「・・・・すみません。」

ジム「学長、せっかく呼んでいただいたのにすみませんが・・・。」

ニック「いいんだよ。また是非遊びに来てくれ。」

ケイティー「あの、お片付けを・・・。」

ヴィタ「そんなのいいのよ。また食事にきて頂戴ね。ジムさんも。」

ジム「はい。ありがとうございます。」










ニックの家を出て、車は橋を渡る。






















ケイティー「すみません。わざわざ送っていただいて。」

ジム「気にしないでください。通り道ですから。」

ケイティー「あの・・・。この前も思ったんですけど・・・。」

ジム「はい。」

ケイティー「かわいらしい車に乗ってるんですね。意外です。」












ジム「よく言われます。似合わないって。」

ケイティー「いえ・・・。」

ジム「もうそろそろ買い換えないといけないんですけどね・・・。はじめて買った車なので、愛着が沸いてしまって。」

ケイティー「すごく綺麗にされてますもんね。大事にしてるんですね。」

ジム「いえ。」












ジム「今日は顔色がいいですね。」

ケイティー「え・・・?」

ジム「少し安心しました。」

ケイティー「・・・・。」
















ジム「まだ、忘れられないですか?」

ケイティー「・・・・。」

ジム「わかります。」

ケイティー「え・・・?」

ジム「自分も、そうでしたから。」













ジム「もうずいぶん昔の話ですけどね。好きな女性がいたんですよ。」

ケイティー「・・・・。」

ジム「でも裏切られてしまって・・・。二股かけられてたんですよね。」

ケイティー「二股・・・。」

ジム「結婚まで考えてた人だったので。二股がわかって別れたあとは、しばらくなにも手につかなかったです。」











ケイティー「辛いですね・・・。」

ジム「でもいい経験だったと思います。」

ケイティー「いい経験?」

ジム「そのおかげで用心深くなりましたから。それまでは若さもあって、相手の中身が見えてなかったですしね。」

ケイティー「・・・・。」











ジム「ケイティーさん、門限までまだ時間ありますよね?」

ケイティー「・・・はい。」

ジム「ちょっとつきあってもらっていいですか?」

ケイティー「え?」

ジム「変なところじゃないです。ちゃんと送っていきますので。」

ケイティー「・・・・はい・・・。」


































二人が出会った川沿い。
夜景が水面に映ってキラキラと輝いている。




















ケイティー「綺麗・・・・。」

ジム「綺麗ですね。」


二人はしばらく黙ったまま夜景を見つめていた。















先に口を開いたのはジムのほうだった。


ジム「泣いてもいいんですよ。」





















ケイティー「え?」

ジム「辛いときは、我慢しないで泣いていいんです。我慢するほうがもっと辛いですよ。」

ケイティー「・・・・。」

ジム「ケイティーさん、いつも泣きそうな顔してます。」














ケイティー「 (私のこと・・・見ていてくれたの?・・・もしかして、ここに連れてきたのは・・・私のため?) 」




















ケイティー「泣きません。」

ジム「え?」

ケイティー「もう泣きません、私。強くなるって今決めました。」

















ケイティー「いつまでもウジウジしてちゃダメですよね。」

ジム「ケイティーさん・・・。」

ケイティー「好きな人の幸せを応援できるくらい、強くなります。」

ジム「・・・・。」

ケイティー「ここに連れてきてくれて、ありがとうございました。」

ジム「いえ。自分も見たかったので・・・。」














ケイティー「もう少し、ここにいてもいいですか?」

ジム「はい。」

ケイティー「ホントに綺麗・・・・。」

ジム「・・・・。」






































女子寮の前で車を降りる。


ジム「遅くなってしまいましたね。すみません。」

ケイティー「いいえ。」



















ケイティー「ありがとうございました。あそこに連れて行ってくれて。」

ジム「いえ。自分が夜景見たかっただけですから。」

ケイティー「なんだかすごく、気持ちがスッキリしました。」
















ジム「やっと笑いましたね。」

ケイティー「え?」

ジム「ケイティーさん、笑ってるほうが素敵ですよ。」


















ケイティー「そういえば最近笑ってなかったかもしれません・・・。ジムさんのおかげです。」

ジム「自分はなにも・・・。」

ケイティー「私、頑張ります。」

ジム「・・・はい。」

ケイティー「ジムさんにもきっと素敵な人が現れますよ。だってすごくいい人だもの。」

ジム「いい人止まりだって言われますけどね。」

ケイティー「女性のほうに見る目がないだけですよ。」

ジム「いや・・・。」








ケイティー「じゃあ私、行きますね。ありがとうございました。」

ジム「はい。おやすみなさい。」

ケイティー「おやすみなさい。」


















ケイティーが寮へ入っていく。













































家に帰り、熱いシャワーを浴びる。


ジム「 (彼女の笑顔が焼きついて離れない。) 」



















ジム「 (こんな気持ち、久しぶりだ・・・。) 」























ジム「 (彼女のことが好きだ・・・。) 」






















ジム「 (その前にやらなければいけないことが・・・。) 」





4 件のコメント:

  1. こんばんわ!
    ついにはっきりとジムさん、気付いちゃいましたかw
    ケイティーちゃんの事好きなのはいいけど・・・
    マリアンちゃんとの事もあるし・・・
    どうなるのか;;
    どうか上手く行ってほしいですね!

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    1. >どーるぃさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      先に好きになったのはジムのほうでしたね(ノ´∀`*)
      ようやくケイティーへの恋心に気づいたようです♪

      マリアンとのことはどうするんでしょうね~。
      「やらなければいけないこと」というのはもちろんそっちだと思うんですがw
      あっさりうまくいけばいいんですけどね~( ̄ー ̄)ニヤリ

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  2. なで肩さんこんばんは^^
    わお~~!!ヴィタさん登場~!!
    そして、ここでまさかのケイティちゃんとジムさんの再会!!
    アルト家の家庭会話シーンが家族円満ぶりを見せつけられて、いいですね~( ´艸`)
    うちのアルト夫妻、どこかで見掛けるといつも喧嘩してますよσ(^_^;)

    そしてジムさんの過去が語られましたね( ´艸`)
    なるほど、二股か・・・しかも結婚まで考えた相手とは・・・(ノω・、)
    辛い経験を乗り越えて、その後の恋愛は慎重になってるんですね。
    泣くのも必要と夜景のきれいな場所に連れてくるあたり、恋に不器用な男ではなく、女心への気配りが出来る、なんていい男なんだぁ~~!!

    そして・・・ケイティちゃんへの気持ちに気付いてしまいましたね!!
    これはワクワクしますね~♪
    マリアンちゃんとの一件もあるし、ジムさんどう行動に出るのか??
    でも頑張ってほしいです(^▽^)/

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    1. >ゆきさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      今回とうとうヴィタさんも登場です\(^▽^)/
      そしてアルト家でまさかの再会w
      アルト家は整形後いろいろあったみたいですが、今は幸せそうですね~♪
      ゆきさんところは喧嘩ばかりですか(;^ω^)
      まぁ、あの夫婦の性格じゃしょうがないですよねwww
      実はうちは本編ワールドにはアルト家は入れていないのでw
      今回ケイティー編のみの出演の予定だったりします(;^ω^)

      ジムの過去、ようやく語られましたね~。
      若干ネオとかぶるんですけどねw(だまされたというところが)
      たしかに、ジムは気遣い屋さんだし、女心わかってそうですけど、どうなんですかね~w
      いい男、と、いい人、は違いますからね~www

      そしてようやくケイティーへの恋心に気づいたようですね(ノ´∀`*)
      マリアンとのことはどうするんでしょうね~。
      このへんはっきりしないとだめですよね!

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