2012/12/25

慈愛








翌朝。
身支度を済ませたアイビーが電話をかける。



















アイビー「もしもし、ジーン?」

ジーン『アイビーか。おはよう。』

アイビー「おはよう。昨日はごめんね・・・。」
















ジーン「ああ。マロンちゃんと一緒だったんだろ?」

アイビー『うん。』

ジーン「男の俺なんかより、マロンちゃんやマスターのほうが相談相手になっただろうし、よかったよ。」

アイビー『・・・・。』













アイビー「衣装のことなんだけど・・・濡れちゃって・・・。」

ジーン『昨日雨降ってたもんな。風邪ひいてないか?』

アイビー「うん。それは大丈夫。ゆうべの衣装、私買い取るから。」

ジーン『そっか。そうしてもらえると助かる。』

アイビー「うん。請求書あとでちょうだい。」

ジーン『わかった。』











ジーン「アイビー、今日仕事夕方からだろ?」

アイビー『うん。』

ジーン「このあと暇ならお昼でも食べに行かないか?」
















アイビー「ごめん・・・。私このあとラトの家に行く約束してて・・・。」

ジーン『そっか。』

アイビー「ごめんね。」

ジーン『いや、急に誘った俺が悪いし。また今度誘うよ。』

アイビー「うん・・・。」

ジーン『じゃあまたスタジオでな。』

アイビー「うん。また。」









アイビーが電話を切る。









































ジーン「・・・・。」









































テラスへ出たジーンが遠くの街並みを見つめる。
ビルの隙間からアイビーのマンションが見えた。



















ジーン「・・・・。」










































アイビー「プロポーズ?!」




















ラトーシャ「うん・・・。」

アイビー「よかったね!おめでとう!」

ラトーシャ「ありがとう・・・。」
















アイビー「ララは驚かないんだね?」

ララ「だって私知ってたもの。」

ラトーシャ「え?」

ララ「ローガンから聞いてたのよ。ローガン、ディーンに相談受けてたみたいで。」














ラトーシャ「そうだったんだ?」

ララ「それで?もちろんオーケーしたんでしょ?」

ラトーシャ「うん・・・。」

ララ「式はいつなの?」















ラトーシャ「時期的に冬は忙しいから、なるべく早くって思ったんだけど・・・。この時期に挙式するカップルは多いらしくて、式場がどこも埋まってたんだ。」

ララ「たしかに、式を挙げるなら秋が一番よね~。」

ラトーシャ「一番早くても1ヶ月先みたい。」

ララ「12月かぁ。外じゃちょっと寒いわね。」

ラトーシャ「うん。だから室内の式場にするつもり。」










アイビー「ラト、仕事はどうするの?」

ラトーシャ「続けるつもりだよ。この家のローンもあるし、ディーンにばかり苦労させられないから。」

ララ「あなたらしいわね。私だったらすぐ辞めてのんびり専業主婦するのにw」

アイビー「あははw」












アイビー「ラト、私のお姉ちゃんになるんだね。一年でおねえちゃんが二人もできるのか~。なんかすごいな。」

ララ「そういえばそうね。ずっと親友だったのに、なんだか不思議な感じね。」

ラトーシャ「うん・・・。」

アイビー「子供は?できちゃったわけじゃないんでしょう?」












ラトーシャ「うん。」

ララ「結婚したら子作りがんばらないとね。」

ラトーシャ「私は・・・べつにいつでもいいと思ってるんだけど・・・。ディーンは早く欲しいみたいで・・・。」


ラトーシャの頬が赤く染まる。












ララ「 (ラト、なんて幸せそうなのかしら。親友として嬉しいけど、やっぱりちょっと悔しい・・・。あなたが羨ましくてしょうがないわ・・・。) 」


















アイビー「 (結婚か・・・。周りがどんどん結婚していく・・・・。私・・・・どうなるんだろう・・・・。) 」



















ラトーシャ「日程が決まったら一番に連絡するね。」

ララ「ええ。なるべく早くね。その前に新しいドレス新調しなくちゃ♪」

アイビー「私も休み調整してもらうね。」
















アイビー「おはようございます。」


アイビーがメイクルームに入ってくる。

















マロン「おはようアイビーちゃん。」

アイビー「マロンちゃんおはよう。」

マロン「大丈夫だった?風邪ひいてない?」

アイビー「うん。あったかくして寝たし、それにマスターの特製スープが効いたみたい。」

マロン「さすが魔女だね。」












ジーン「おはようアイビー。」

アイビー「おはよう・・・。」

ジーン「アイビーには頼れる人がたくさんいるな。」
















アイビー「そうだね・・・。感謝しなくちゃ。」

マロン「いいよ~。今度ロミオちゃんに奢らせるからw」

ジーン「えw そっちですかw」

マロン「当たり前でしょ~。」

アイビー「・・・・。」












マロン「さ~、今日もがんばるよ~。」

アイビー「はい。」


















アイビーが一瞬みせた泣きそうな表情を、ジーンは見逃さなかった。


ジーン「・・・・。」
















ロミオ「終了だ。お疲れさん。」




















アイビー「待ってロミオ!」


デスクに向かうロミオをアイビーがひきとめる。

















アイビー「ジーンはただの友達だよ?」

ロミオ「・・・・。」

アイビー「私のこと信じて。」

ロミオ「・・・・。」

アイビー「だから嫉妬しないでほしいの。」










ロミオ「べつに嫉妬なんて・・・。」

アイビー「私が愛してるのはロミオだけだよ。」


















突然アイビーが後ろから抱きつく。




















アイビー「愛してる。」






2 件のコメント:

  1. なで肩さんこんばんは^^
    ラトちゃんのプロポーズの報告、2人は複雑な気持ちでしょうね~(´・ω・`)
    喜んであげたいけど、自分と重ねちゃうんだろうな~。
    まだ若いし、そんなに焦ることも無いと思うけど、相手がいないララちゃん・相手はいても未来が見えないアイビーちゃんには、幸せいっぱいのラトちゃんが羨ましくてならないですよね・・・( ´△`)

    ジーンさんはよ~くアイビーちゃんの事見てますね~w
    ずっと想い続けてますよね~。
    そのままで満足なのかな?いつか爆発するんじゃないだろうか?
    そういうタイプじゃないかぁ・・・w

    そして、アイビーちゃんは本当に惚れた弱みですね、あんな散々な事されてもロミオさんを心底愛してるww
    嫉妬と思い切り突かれてしまいましたが、ここでロミオさんが何かが弾けて変わるといいけど、そんな簡単に行かないかぁ~( ´△`)

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    1. >ゆきさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      プロポーズ報告は、親友としては嬉しいだろうけど、女としてはやっぱりちょっと悔しいですよね。
      ラトは貞操を捨てるのも一番遅かったのに、まっさきに結婚しちゃうし。
      しかもずっと大好きだった人と。
      ララもアイビーも、恋愛でつらい時期なのでよけいにうらやましく感じるでしょうし。

      ジーンはアイビーのこと見守ってくれてますよね。
      食事や飲みには誘ったりはしてるけど、それ以上の関係には進もうとしてこないし。
      いつか爆発・・・どうでしょうね~。
      ロミオとアイビーの関係を一番近くで見ている分、「俺が幸せに」っていう気持ちがいつか出てきそうな気がしないでもないですよねw

      アイビーはホントに惚れた弱みですね(;´Д`)
      どんなにいやなことをされても愛している人だし。
      しかし見方を変えればDVの典型的な被害者のタイプとも言えるんですよねwww
      あぶないあぶないwww

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