鉢合わせ

１ヶ月近くが過ぎた。
２月に入ろうとしていたが、あいかわらず寒い日々は続いていた。

リア「スーツなんて珍しいね～。」

ローガン「今日裁判あったからな。」

リア「だからスーツなんだね。ローガンいつもカジュアルだから、見慣れなくてすっごくかっこいい～。」

ローガン「そうか？」

リア「うん。それに黒ですっごいキマってる。」

ローガン「ありがと。」

リア「裁判所でも黒シャツとか大丈夫なんだね？」

ローガン「ああ。最近は弁護士もパフォーマンスみたいなもんあるからな。自分を印象付けるためにもな。」

リア「へぇ～。なるほどね～。」

リア「そういえばローガン、今日がなんの日か知ってる？」

ローガン「今日？・・・なんだ？誕生日じゃないよな。」

リア「うん。私いて座だから誕生日は過ぎたよ♪ローガンは天秤だよね？」

ローガン「ああ。・・・・ごめん。わかんねぇ。」

リア「今日はつきあって１ヶ月記念日でした！」

ローガン「あ～・・・そうか。」

リア「ふふっｗ　まさかローガンがデートに誘ってくれるなんて思ってなかったから、すっごく嬉しかったんだ♪」

ローガン「そうか。・・・悪いな、俺なにも用意してなくて・・・。」

リア「そんなの気にしなくていいよ！１ヶ月でお祝いなんてやってたら毎月お祝いしなくちゃいけなくなるもんねｗ」

ローガン「誕生日、遅くなったけどなにがほしい？」

リア「え？でも過ぎたよ？いいの？」

ローガン「ああ。」

リア「あ、じゃあ一個だけ・・・。」

ローガン「なんだ？言ってみろ。」

リア「ローガンの・・・住んでる部屋見てみたいな～・・・なんて・・・。」

ローガン「部屋・・・か・・・・。（そういえば今日ララ飲み会で遅くなるって言ってたっけ・・・。）　」

リア「　（あ・・・ローガン困ってる？あたし、地雷踏んじゃったかな・・・・？）　」

リア「あ、別にちょっと思っただけだから気にしな・・・・。」

ローガン「いいぞ。」

リア「え？」

リア「いい・・・の？」

ローガン「ああ。今夜でもいいか？」

リア「も、もちろん！」

ローガン「同居人がうるさいからな。見に来てもすぐ送ってくからな。」

リア「うん！ローガンがいつもどんなお部屋でくつろいでるのか、見てみたいだけだもん。」

ローガン「面白いことなんかなんもないぞ？」

リア「いいのいいの！」

ローガン「じゃあ今日は早めに出るか。」

リア「うんっ！」

二人がマンションのドアの前に立つ。


ローガン「ここだ。」

リア「へぇ～・・・。このマンションはオーナーの家があるから来たことあるけど・・・階によって作り違うっぽいね。」

ローガン「あ～そうかもな。」

電気をつけて中に入る。


リア「お、おじゃましま～す。(なんか緊張する・・・)」

ローガン「どうぞ。」

リア「へぇ～。シックな感じなんだね。意外。」

ローガン「自分の部屋意外は共同だから壁紙なんかはいじってないんだ。俺の部屋はこっち。」

二人がローガンの部屋へ入る。


リア「へぇ～。」

ローガン「つまんねぇだろ？」

リア「ううん、すっごくローガンっぽい！」

ローガン「俺っぽいってどんなだよ。」

リア「なんか黒とか紫好きそうなイメージだったからｗ」

ローガン「ああ、たしかに暗い色のほうが好きだな。」

リア「ありがとうローガン。連れて来てくれて。」

ローガン「ああ。」

リア「私すっごく嬉しい・・・。」

ローガン「そうか。よかったよ。」

リア「ねぇローガン・・・・ちょっとだけ・・・・。」

ローガン「リア。すぐ帰るって約束したろ。」

リア「そうだけど・・・。ローガンのベッドでしてみたいんだもん・・・。」

ローガン「このままお前んち送っていくから。そのあとでな？」

リア「････どうしてもダメ？」

ローガン「ダメだ。言うこと聞かない子はご褒美もらえないぞ。」

リア「・・・わかった。」

ローガン「よし。いい子だ。」

リア「じゃあ帰る前にちょっとおトイレだけ借りてもいい？」

ローガン「ああ。」

数分後。
リアがトイレから出てくる。

リア「トイレもすっごく綺麗にしてあるんだね。女の子とルームシェアっていうからもっといろいろ置いてあるのかと思った。」

ローガン「いや、物ごちゃごちゃ置くの好きじゃないんだ。（だから俺がいつも掃除してるわけだが）　」

リア「そうなんだ～？」

ローガン「ああ。」

ローガン「よし。じゃあそろそろ出るか。」

リア「うん。」

ローガン「忘れ物ないよな？」

リア「うん。大丈夫。」

リア「おじゃましました～。」

ローガン「はい。」


二人が玄関へ向かうとちょうどララが帰宅した。

ララ「　！　」

リア「　（今・・・・この子一瞬・・・・・。）　」

ローガン「おかえり。」

ララ「ただいま。」

ララ「お友達来てたの？」

ローガン「ああ。」

リア「お邪魔してます・・・。」

ララ「こんばんは。」

ローガン「ちょっとトイレ借りに寄っただけだ。」

ララ「そう・・・。」

ローガン「下まで送ってくる。」

ララ「うん。」

ローガン「行こうリア。」

リア「うん・・・お邪魔しました・・・。」

ララ「・・・・。」

リア「ごめんね・・・。」

ローガン「いや。俺のほうこそ。」

ローガン「悪い。今日は一人で帰ってくれるか？」

リア「うん・・・。」

ローガン「今度またお前んち遊びに行くよ。」

リア「わかった。」

リア「ローガン寒いでしょう？おうち戻っていいよ。」

ローガン「ああ。タクシー拾うまで・・・。」

リア「大丈夫。スタジアムの前タクシー乗り場あるし。」

ローガン「そうか。」

リア「うん。じゃあ、おやすみなさい。」

ローガン「おやすみ。」

リアがスタジアムのほうへ歩き出す。

しばらくしてローガンもマンションへ入っていく。

ドアが開いてローガンの姿がマンションへ消える瞬間、リアが振り向く。

リア「　（ローガン・・・あの子やっぱりローガンのこと好きなんだよ・・・・。ローガンのことだから・・・きっと気づいてるよね・・・・。）　」

リア「　（それでも私には・・・・信じることしかできない・・・・。それだけしか・・・・。）　」

ローガン「ララ。入っていいか？」

ララ「・・・なによ。」

ローガン「入るぞ。」

ララ「・・・・。」

中へ入るとララはクローゼットにコートをしまったところだった。

ローガン「早かったんだな。呑み会じゃなかったのか？」

ララ「体調が良くなくて先に帰ったのよ。」

ローガン「そうか。」

ララ「・・・・なんの用？」

ローガン「怒ってるのか？」

ララ「決まってるでしょ。」

ローガン「・・・・すまん。悪かった。」

ララ「悪かった・・・？異性を連れ込まないって、ルールを決めたのはあなたよ？」

ローガン「わかってる。部屋がみたいって言うからちょっと入れただけだ。たった１０分だ。」

ララ「そういう問題じゃないわよ。私はあなたとの約束だから、ずっと守ってきたわ。それなのに・・・」

ローガン「すまん。今回はホントに俺が・・・。」

ララ「さっきからそればっかり！言い訳はもう聞きたくないわよ！」

ローガン「おい、落ち着けって・・・。」

ララ「落ち着けですって？あなたこそさっきからなんなの？！口ばっかりで全然悪びれてる風に見えないじゃない！」

ローガン「悪いとは思ってるよ。」

ララ「もういい！シャワー浴びてくるからその間に私の部屋から出て行って。」

ローガン「おいララ・・・。」

ララ「この話は終わりよ。これ以上聞きたくない。」