2013/06/23

旅立ち





























アイビー「ごめんね、遅くなっちゃって。」

ララ「いいのよ。もう大丈夫なの?」

アイビー「うん。3日休んだからもうすっかり。」

ララ「そう。よかった。」














アイビー「それで?話って?」

ララ「ええ・・・。あのねアイビー・・・。」


ララが語り始める。
ローガンとの子供を妊娠していること。
自分だけの子供として産む決意をしたこと。
そのために仕事を辞め、地元へ帰ること。
アイビーは黙ったまま聞いていた。











アイビー「そっか・・・。いろいろ大変だったんだね。」

ララ「アイビーは驚かないのね。」

アイビー「ローガンとそうなる予感はしてたから。でも・・・子供のことは予想外だったけど。」

ララ「そうね・・・。」

アイビー「でも・・・よく決心したね。ララえらいよ。」











ララ「えらくなんてないわ。私はただ・・・自分が悪者になるのが嫌なだけよ。」

アイビー「悪者?」

ララ「おろすことについて・・・。人ひとりの命だもの。」

アイビー「そうだね。」

ララ「でも・・・この子が成長して・・・父親がいないことについて責められたら、私は結局悪者になってしまうけど。」











アイビー「そんなことしないよ。ララの子供だもん。子供はちゃんと親の背中をみてるよ。」

ララ「そうね。私ががんばらなくちゃね。」

アイビー「ショアならおじさんやおばさんもいてくれるから安心だね。」

ララ「ええ。生まれるまでは実家で暮らすつもりだけど、いつかは家を出てこの子と二人で、って考えてるの。」

アイビー「そっか。」








ララ「アイビーは?ロミオさんとうまくいってるみたいね。」

アイビー「うん。私もいろいろあったけどね。」

ララ「いろいろ?」

アイビー「ジーンのことでロミオに誤解されて・・・ずっと喧嘩してたんだ。」

ララ「そうなの?」











アイビー「でもようやく元に戻れたけど。」

ララ「そう・・・。アイビーはジーンさんを選ぶんじゃないかって、私は思ってたわ。」

アイビー「そのほうが幸せになれるのはわかってる。でも、ロミオと一緒のほうが、心が幸せなんだ。」













ララ「わかる気がするわ。」

アイビー「ホント?」

ララ「ええ。私も・・・ほんの一瞬だったけど・・・・ローガンといた時間がいままでで一番満たされてたわ。」















アイビー「まだ好きなんだね・・・。」

ララ「不思議よね。ずっと一緒にいたのに。」

アイビー「・・・。」

ララ「アイビーには連絡はくる?」

アイビー「ううん。ローガンがブリッジポートを離れるときに電話で話してからは特に。」

ララ「そう・・・。」












女性「あの・・・すみません。」


突然女性が二人に声をかける。

アイビー「 ? 」

女性「モデルの・・・アイビーちゃんですよね?」













アイビー「はい。」

女性「私、ファンなんですっ!BiBiも毎月買ってて・・・春のガルコレも見に行きました。」

アイビー「そうなの?ありがとう~。」

女性「あの・・・・サインしていただけますか?」

アイビー「いいよ~。」











女性「ホントですか?!嬉しいっ!」


アイビーが立ち上がってペンを受け取る。


アイビー「お名前は?」

女性「マリアンですっ!」

アイビー「マリアンちゃんね~。メイク上手だね。そのチーク、すっごく似合ってる。」

マリアン「あ、ありがとうございます!去年のサムちゃんのメイク術のページでみたチークなんです。」

アイビー「あ、そうなんだ~?サムちゃんメイク、流行ったもんねw」

マリアン「サムちゃんとアイビーちゃんって仲良しなんですよね?連絡とったりしてるんですか?」

アイビー「うちのお兄ちゃんと結婚したからねw いま義姉ちゃんだよ~w」

マリアン「そうなんですか?!すごいっ!」








しばらく話したあと、マリアンがお礼を言って去っていく。


ララ「ふふっw 大人気ね。」

アイビー「そんなことないよ。いつもはそんなに気づかれないし。」

ララ「すごいわよね。あのアイビーが人気モデルだもの。」













アイビー「私はララのほうがすごいと思うよ。」

ララ「え?」

















アイビー「自分ひとりで育てるなんて、そんな簡単に決断できることじゃない。」

ララ「・・・・。」

アイビー「私だったら・・・きっとおろしてたと思う。」















ララ「私だってホントは怖いのよ。自信があるわけでもないの。」

アイビー「きっと・・・誰だってそうだよね。」

ララ「ええ。でも、この子に会いたいの。ただそれだけなのよ。」
















ララ「私も、きっと子供なのかもしれないわね。」

アイビー「子供・・・?」

ララ「周りの迷惑も考えず、ただ会いたいだなんて・・・・。」

アイビー「そんなこと・・・。」

ララ「でも、ローガンがいなくなった今でも、私にはこの子がいる。この子を愛することができる。それだけで私は幸せなの。」











アイビー「愛する対象・・・だね。」

ララ「そう。いつかローガンに言われたことがあるのよ。お前はいつだって誰かに恋してる。恋愛依存だ~みたいなことをね。」

アイビー「恋愛依存・・・。」

ララ「きっとこの子が生まれたら、私のことを一生愛するでしょう?親だから当然よね。」

アイビー「うん。」










ララ「無償の愛、ね。私がほしかったのはきっとそれなんだわ。」

アイビー「・・・・。」

ララ「そして私も、そんな風に誰かを愛してみたかったの。いままではずっと見返りを求めてた。」

アイビー「わかる気がするな。」

ララ「私はきっとこの子から教えてもらうのね。見返りを求めず、誰かを愛するってことを。」










アイビー「素敵だね。なんか・・・羨ましい。」

ララ「そう?」

アイビー「ララ、いい顔してるもん。すごく、やさしい顔になった。」

ララ「そんな風に言ってもらえると嬉しいわ。」

アイビー「ホントだよ。きっと母親になる覚悟ができたからだね。」












ララ「そうかもしれないわね。」

アイビー「いつここを出るの?」

ララ「月末に。」

アイビー「もう1週間しかないのか~。」














1週間後。





















ララ「ありがとうございました。」


ララが頭をさげる。


引越し業者「では明日また到着前にご連絡します。」

ララ「はい。よろしくお願いします。」












引越し業者「失礼します。」


男たちが去っていく。
その後姿をみつめるララ。
















ドアが閉まると、振り返って部屋を見渡す。


ララ「 (なにもなくなっちゃったわね・・・。) 」

















ララ「 (ここに引っ越す前に、ローガンと見に来たことを思い出すわ・・・。) 」



















ララが部屋の奥へと歩き出す。




















ドアを開けて、ローガンの部屋へと足を踏み入れる。




















ララ「 (ここへ入るのは・・・産むと決断してからはじめてだわ・・・・。) 」



















ララ「 (ローガン、今どうしてるの?私は・・・・あなたの子供を産むわ。) 」


ララの瞳から涙が零れ落ちる。
















ララ「 (ホントはすごく不安よ・・・。でも・・・あなたが私に残してくれた唯一の宝ものだから・・・。ローガン、あなたに会いたい・・・。) 」



















ララ「 (ホントは会いたくてたまらないの・・・。あなたが恋しい・・・・。こんなにも・・・・。) 」


ララが顔を覆い泣き出す。
















ララ「 (ローガン、あなたがいないと・・・寂しくてたまらないのよ・・・・。) 」



















1時間後。



















ララがマンションの入り口から出てくる。


ディーン「やっと来たか。」
















ララ「みんな・・・どうして・・・・。」

ラトーシャ「待ってたのよ。遅いから心配しちゃった。」

ララ「見送りに来てくれたの?」















ディーン「駅まで送る。」

ララ「でも・・・タクシー呼んだから・・・・。」

ディーン「タクシーならさっき帰ってもらったよ。」

ララ「え・・・?」

ディーン「水臭いだろ。なんで俺に頼まねぇんだよ。」

ラトーシャ「そうだよララ。」

ララ「ふたりとも・・・ありがとう・・・。」









ララ「アイビーも・・・。」

アイビー「まだ仕事あるから、このあと行かなくちゃいけないんだ。私は駅までは見送りできないけどごめん。」

ララ「そんなのいいのよ。忙しいのにわざわざ来てくれて・・・ありがとう。」

アイビー「うん。」












ララ「ホントに・・・びっくりしちゃった。」

アイビー「そうだよねw」

ララ「でも嬉しいわ。みんなありがとう。」

ディーン「荷物それだけ?」













ララ「ええ。実家だからほとんど処分したの。それに明日には届くし。」

ディーン「そっか。」

ラトーシャ「もうチケット買ってあるの?」

ララ「ええ。もうそろそろ出ないと・・・。」

ラトーシャ「そうだね。」












アイビーがララに駆け寄り抱きつく。


アイビー「元気でね~。ララがいないと寂しくなるよ~。」


アイビーの瞳から涙がこぼれる。













ララ「アイビーも元気で。毎月BiBiでアイビーの活躍を楽しみにしてるわね。」

アイビー「うん。ありがとう。ララも元気な赤ちゃん産んでね。」

ララ「ええ。がんばるわ。」















ディーン「じゃあ、行くか。」

ララ「ええ。お願いします。」


3人がディーンの車に乗り込む。















車が見えなくなるまで、アイビーはマンションの前で見送っていた。


















アイビー「 (ララが誰よりも幸せになりますように・・・。ずっと祈ってるよ。) 」
























4 件のコメント:

  1. なで肩さんこんにちは^^

    ついにララちゃんは実家に戻りましたねw
    アイビーちゃんも、ララちゃんがローガンくんとそういう関係になるであろうという予感はしていたんですね。
    妊娠してしまうとは予想外だったようですけど、ララちゃんの想いが固い事で、応援する気持ちでいっぱいになってくれてて良かった(*´∇`*)

    ララちゃんはアイビーちゃんがジーンさんを選ぶと思っていたみたいですねw
    アイビーちゃん自身もジーンさんを選んだ方が幸せになるっていうのは充分承知のようだけど、人を好きになる気持ちってどうしようもないものですよね(´・ω・`)

    ララちゃんも一瞬でもローガンくんと過ごした時が一番幸せだったようで、余計この子は手放せないですよねww
    産まれてからは子育ての大変さで、それどころじゃなくなるかと思うけど、子育てが一段落着いた時にふと寂しくなったりするんだろうなぁ・・・
    これから出産までも、だんだんお腹が大きくなってきて、傍にいてほしい、お腹に触れて欲しいとか、どうしても思い出して寂しくなってしまいますよね・・・切ないなぁ。
    どうして、あのタイミングでヤリ逃げ(言い方悪いがw)したんだろうな~~ほんとwww

    最後のお別れシーンは・・・
    こうやってどんどん皆それぞれの道を行って別れて行くんですね(´・ω・`)
    みんなが幸せな道を歩んでいって欲しいなぁ。

    返信削除
    返信
    1. >ゆきさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      ララはアイビーに報告してますね。
      アイビーはわりと勘が鋭いというか、人をよく見てる子なので、ローガンとララの関係も薄々予想してたみたいですね。

      ララがアイビーはジーンと、って思ったのは「自分なら」っていうのが強いと思いますw
      ララはジーンのこと好きでしたからね~。
      まぁ、普通に考えて誰がみてもジーンのほうが平穏な幸せを手に入れられそうですけどもw
      しかしアイビーにしろララにしろ、お互いに追う恋愛をしてるので、この二人は相手の気持ちがよくわかるでしょうね(;´∀`)

      ララはあいかわらずローガンのことを忘れられていないので、子育てに追われて生活しているうちはいいけど、ふと一人になったときに寂しさがこみ上げてくるかもしれませんよね~(;´Д`)
      まぁローガンは子供のことまったく知らないのでね。
      ララとのことは勢いというか、本能的なもので一度関係を持ってしまったんですが、やはり冷静になって考えたら自分とララじゃうまくいかないと思ったんだと思います。
      まぁ、別れ方が逃げるみたいであまり上手じゃなかったですけどねwww

      ブリッジポート編、さりげなく仲間がバラバラになっていってますw
      みんな、それぞれの道を選んで大人になっていくのさ~♪

      削除
  2. ふわりんご2013年6月26日 4:24

    ララ、いいですね。
    母親になるから強くならなくちゃ。
    でも、やっぱり本心は寂しい。

    うん、すごく人間らしいです。

    ここ最近のララ、すごく好きです。

    頑張ってほしいです。

    そしてみんなバラバラになっていきますね。

    寂しいけど、現実でもそういう感じですよね。
    みんなそれぞれの生活ができるし。

    でもだからって縁が切れるわけじゃない。

    数年後のアイビーたちが楽しみです。

    返信削除
    返信
    1. >ふわりんごさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      ララはみんなの前では弱音を吐くことはなくなりましたが、内心はやっぱり寂しいんですよね^~。
      でも強くなろうと決心したから、前みたいに周りに愚痴ることもやめたし人前で泣くのもやめたようです。

      そしてララまでもブリッジポートを去って、残ったのはディーラト夫婦とアイビーたちだけになりました。
      みんなそれぞれ自分の道を進んで大人になっていくのです。
      そうそう、遠くても縁が切れるわけではないしいつまでも仲間\(^▽^)/

      削除