10月。
レオンが職場を去り、1ヶ月半が過ぎた。
スターライト ショアにはすっかり秋の風が吹いていた。
課長「スノーくん。」
リア「はい。」
課長「ちょっと頼みたいんだが・・・。」
リア「はい。」
課長「すまないが、これの付箋貼ってあるところを、全部PDFとってくれないかな?」
リア「わかりました。」
課長「ちょっと量が多いんだが、できれば今日中に頼むよ。」
リア「はい。」
リア「 (思ったより早く終わりそう・・・。これなら残業しなくてもすみそうね。あとはこれを共有フォルダにまとめてっと・・・。) 」
ドアが開いて男性が入ってくる。
マーク「お疲れリアちゃん。」
リア「あ、お疲れ様です。」
マーク「PDFとってるの?」
リア「はい。あ、使いますか?」
リア「もう終わったのでどうぞ。」
リアが立ち上がる。
マーク「いや、君に用があってね。」
リア「え?」
イスから立ち上がったリアを壁際に追い詰め腰を抱き寄せる。
リア「ちょ・・・・マークさん・・・。」
マーク「お昼に君をみかけてから、ずっとこうしたかったんだ。」
リア「ダメです・・・。」
マーク「ダメ?嫌がってるようには見えないけど?」
リア「仕事場ですよ・・・。」
マーク「誰もこんな奥の部屋には来ないよ。」
リア「でも・・・・まだ仕事中だし、マークさんだって・・・。」
マーク「僕は外回りから帰ってきたばかりだ。きっとまだみんなでかけてると思ってるさ。」
リア「・・・・そうやって・・・いつも強引なんだから・・・。」
マーク「だって君の唇が僕を呼んでるんだよ。ほら・・・また今日も・・・・。」
リア「マークさん・・・。」
マーク「なんておいしそうな唇・・・・。」
リア「ん・・・・。」
マーク「リアちゃん・・・・今日空いてる?」
リア「どうして・・・ですか・・・?」
マーク「今日こそは君を・・・僕の腕の中に・・・・。」
彼とはまだ寝ていない。
こうやって仕事中に誰もいないところで時々ちょっかいを出してくるだけで、まだキスしかしていない。
きっと彼には本命がいるに違いない。
こうしてひとときの火遊びを楽しんでいるだけなんだ。
わかってる。
でも私は、流されることに身をゆだねた。
きっと、本当は寂しいのかもしれない。
マーク「待たせてわるかったね。」
リア「いいえ。」
マーク「まさかギリギリで残業になるとは思わなかったよ。それにしてもおなかすいたね。」
リア「そうですね。」
マーク「先に食事にしようか。」
リア「はい。」
階段の先に待つアランの姿が目に入る。
リア「あれ?・・・アラン?」
アラン「もう。リア遅い。」
リア「え?(待ち合わせなんてしてないよね?) 」
アラン「いつまで待たせる気?俺おなかすいちゃったよ。」
リア「でも、今日・・・。」
アラン「ていうかこの人誰?」
マーク「・・・リアちゃん・・・・彼は?」
リア「えっと、同じシェアハウスにす・・・。」
アラン「彼氏だけど?」
アラン「あんたこそ誰?」
マーク「僕は・・・リアちゃんとは同じ職場で・・・。」
アラン「あっそ。それで人の彼女に手出そうとしてたわけ?」
リア「ちょっとアラ・・・。」
アラン「俺のもんに手出さないでくれる?」
アラン「行くよ。」
リア「アラン!」
そっぽを向いて歩き出すアラン。
リア「マークさんすいません!また・・・・。」
マーク「ああ・・・。」
リア「ちょっと待ってよアラン!」
慌ててアランを追う。
リアがアランに追いつく。
リア「今日約束なんてしてないよね?なんであんなこと言ったの?」
アラン「あいつはダメだよ。」
リア「え?」
アラン「俺あいつ嫌い。」
リア「・・・・。」
アラン「リアはあんなのが趣味なの?」
リア「べつに・・・そういうわけじゃないけど・・・。」
アラン「あいつ、女いるよ。」
リア「あ~・・・やっぱりそうなんだ?」
アラン「は?」
リア「いや・・・なんかそんな気はしてたのよね。」
アラン「わかってたのになんで隙見せてんの?」
リア「いや・・・・べつにそういうわけじゃないけど・・・。」
アラン「隙だらけじゃん。最近のリア。」
リア「そうかなぁ?」
アラン「そうだよ。」
リア「なんか・・・どうでもよくなってきちゃったんだよね。恋愛ってものが・・・。」
アラン「・・・・。」
リア「愛されるってなんなんだろうね・・・・。」
アラン「・・・・。」
リア「一生独りかもしれないって思ったら、なんかもうなにもやる気がおきないんだ。」
レオン「意外に面白かったっすね~。」
劇場からレオンと上司のアイザックが出てくる。
アイザック「はぁ?」
レオン「え?w」
アイザック「お前ほとんど寝てたじゃねぇかよ。」
レオン「いや~序盤がダラダラしてて眠くなっちゃったんすよ~。アクションはじまったらちゃんと起きましたよ?」
アイザック「つーかなんで金曜の夜に男二人で映画なんか観なきゃいけねーんだよ。ったく・・・。」
レオン「一応観ておかないと。明日からあの女優の警護にあたるんですからね。」
アイザック「お前ああいうの好みか?」
レオン「いや、俺はもっとこう・・・白くてモチモチっとしてて・・・。」
アイザック「なんだそれw」
レオン「 (あれ・・・?あの二人・・・。) 」
レオン「 (リアとイケメン・・・。職場の近くだし、金曜の仕事終わりにデートか・・・。結局なんだかんだくっついたんだな。) 」
二人が歩き出す。
レオン「 (よかったじゃん。あいつ、うまくやってんだな。) 」
アイザック「ボケっとしてないで、さっさといくぞ!」
レオン「あ、はい。」
アラン「おなかすいた~。リアのおごりね。」
リア「え?なんでよ!」
アラン「30分も待たせたもん。」
リア「アランが勝手に待ってただけでしょ~。」
レオン「たまには飲み行きますか~。アイザックさんのおごりで!」
アイザック「いつもだろ!・・・ったく、しょうがねーなー。」
レオン「うぇ~いw ゴチです!」
2週間後。
レオンとアイザックがクラブにやってくる。
レオン「久しぶりだな~。ここ来るの。」
アイザック「なんだお前、しょっちゅう来てたのか?」
レオン「潜入捜査のときに職場仲間とたまに来てたんすよ。」
アイザック「あ~、なるほどね。」
アイザック「ビールひとつ、お前は?」
レオン「あ、俺ちょっと知り合いがいるか2階見てきます。」
アイザック「おう。」
レオン「すぐ戻ります。」
アイザック「あいよ~。」
2階のカウンターにはアランが立っていた。
リサ「懐かしいわね。昔もよくこうやって二人で飲んでたわよね。」
アラン「昔って行っても3年前だろ。」
リサ「あなたがシェアハウスへきてすぐの頃よね。まだホストクラブのカウンターで働いてた頃だっけ。」
アラン「・・・そんなときもあったな。」
リサ「あのホストクラブ、すぐ辞めちゃったのはどうして?」
アラン「オーナーがホストやれってうるさかったのと、客が俺のところに来るからって、キレた下っ端のホストが喧嘩ふっかけてきたんだよ。」
リサ「そんなことがあったのね。」
アラン「それより、貸切なんかにして大丈夫なのか?」
リサ「だってもうすぐ出て行くんでしょう?あなたと二人っきりになるのもいまのうちじゃない。」
アラン「リサって金持ってるよな。ホントはパトロンでもいるんだろ?」
リサ「ふふっw どうかしらね。それより、リアには言わないつもりなの?」
アラン「・・・・近くなったら言うよ。」
リサ「そう。」
アラン「酒はおごる。なに飲む?」
リサ「あら、ありがとう。任せるわ。それにしても、すごい雨ね~。さっき雷も鳴ってたわよ。」
アラン「今も鳴ってる。」
リサ「あら?」
階段をあがってくるレオンに気づく。
リサ「貸切だって、下に看板だしてあったわよね?」
アラン「ああ。」
レオン「よぉ。」
アラン「・・・・。」
リサ「珍しいわね、男の客なんて。夜のお客さん?」
アラン「・・・違う。」
レオン「俺のこと覚えてるか?」
リサ「 ? 」
アラン「・・・覚えてるよ。」
アラン「リアを送ってきただろ?」
レオン「そうそう。あれ?ここでは会ったことあるけど、家では会ってないよな?」
アラン「・・・・。」
リサ「なあに?リアの知り合い?」
アラン「職場仲間。」
リサ「そうなの?」
レオン「ビールくれよ。」
リサ「あら?貸切の看板見えなかったの?」
レオン「一杯だけだから。久しぶりに来たから寄ってみたんだよ。」
アラン「・・・・。」
レオン「あんたもリアのこと知ってんのか?」
リサ「私も同じシェアハウスに住んでるの。」
レオン「ああ。リアに紹介した親友か。」
リサ「そう。」
リサ「あなた、よく見たら結構いい男じゃない?リアとはただの仕事仲間?」
レオン「ああ。俺はもうあの会社辞めたから元、だけどな。」
リサ「そうなの。リアとは会ってないの?」
レオン「ああ。」
レオン「あんたは?なにしてる人?」
リサ「こうみえて教師よ。高校で美術を教えてるの。」
レオン「へぇ~。教師には見えないな。」
リサ「よく言われるわ。」
レオン「この前一緒にいるところ見かけたぞ。」
アラン「・・・・。」
レオン「あいつ、元気にしてるか?」
アラン「元気なんじゃない?」
レオン「なんだその言い方。つきあってるんじゃないのか?」
リサ「アランとリアが?まさかw」
レオン「違うのか?」
リサ「ありえないわよ。この二人は仲はいいけど、姉弟みたいなものよ。」
レオン「そうなのか・・・。」
リサ「それにリア、最近またフラフラしてるみたいだし。」
レオン「フラフラ?」
アラン「リサ・・・。」
パンッとはじけるような音がして、室内が暗くなる。
レオン「停電か?」
リサ「そうみたい。下も消えてるわね。」
レオン「最近ホント多いな。」
アラン「・・・・。」
レオン「あいつは・・・?」
リサ「リアのこと?リアなら家にいるわよ。私がでかけるときにお風呂入ってたし。」
レオン「・・・一人か。」
リサ「ええ。」
アラン「この店から近い。きっとシェアハウスも停電してる。」
レオン「・・・・。」
リサ「大丈夫よ。あのへんは治安も悪くないし。」
レオン「お前ら・・・帰らないのか?」
リサ「どうして停電ぐらいで帰る必要があるの?」
レオン「 (暗闇で一人でいるのが怖いって、あいつあんなに泣いてたのに・・・・。) 」
アラン「この辺り一帯停電してるみたいだ。ここは予備の電源があるからいいけど、町外れだし復旧にも時間がかかるかもな。」
レオン「・・・・。」
レオン「俺、もう行くわ。」
ふらふらとレオンが立ち上がる。
リサ「あら、急にどうしたの?ビールはもういいの?」
アラン「待って。」
レオンが振り返る。
アラン「これ。」
アラン「自分で確かめなよ。リアが元気かどうか。」
レオン「・・・・。」
アラン「そのまま行ったら不法侵入。」
アラン「家の鍵あんたに貸す。」
レオン「・・・・。」
アラン「明日返して。俺今日は帰らないから。」
レオン「・・・・わかった。」
レオンが手を伸ばす。
アランの手から鍵を受け取る。
手のひらの鍵を見つめ、握り締める。
無言のままレオンが駆け出す。
アラン「・・・・。」
リサ「なあにあの熱血くん。リアに片思いでもしてるの?」
アラン「・・・・。」
アラン「・・・さぁね。」
アラン「リサ、今日ホテルとってある?」
リサ「もちろんそのつもりよ♪」
アランー!
返信削除せつないな、アラン。
リアのこと好きなのに、結ばれないんですねぇ。
過去双子だったなんて。
そのときも好きだったなんて。せつない。
アランが救われる日はくるのかなぁ。
そしてレオン。
リアちゃんのことほっとけないんですね。
心配なんですね。
んー、でもそんなことしたらリアちゃん
絶対再び惚れちゃいますよね。
レオン、あなたの心は一体。。
それにしてもマーク!
人として最低ですね。
彼女にばれればいいのにw
>ふわりんごさん
削除いつもありがとうございます(´∀`)
アランせつないですかね?(ノ´∀`*)
アランは今のリアを好き、というより過去世で好きだった想いが強すぎるので、今のリアをすごく大事に思っているし家族のように愛してる、って感じなんですよね。
しかし禁忌を犯しているのでリアには手を出せなくて見守るしかない。
よく考えたら一番せつないかw
レオンは前に停電の日泣いてたリアを思い出して気になってるみたいですね。
この人は刑事をやってることもあり、正義感が強いし誰かを救うことに一生懸命になるタイプなのかもしれません。
そしてマークw
人として最低www
でもこういう人結構いると思うんですよね~。
既婚者の不倫とか、恋人いるのに浮気とか。
リアは流されちゃってあやうく抱かれそうなところをアランに阻止されましたけどねw
なで肩さんこんにちは^^
返信削除レオンさんが職場を去り、もう一ヵ月半過ぎたんですね(´・ω・`)
リアちゃんもお仕事頑張っているようで、淡々と日常が進んでいるようで・・・
と思ったら、何だよマークって奴はwww
完全にセクハラだと思うんだけど・・・でも拒絶できないリアちゃんwww
流されるままなのがやっぱり、誰かの暖かみを感じていたいんだろうな~。
そして、そのまま仕事帰りに・・・(´Д`|||)
と思ったら、何で知ってるのかアランくんが待ち伏せwww
お見通しで分かってるのか・・・
しかも、彼氏と言って奪ってしまうとはね~~w(゚o゚)w
リアちゃんのことず~っと見てるのかなと思うと、なんだかちょっと怖い感じもするけど、その感情がどういうものなのかもハッキリ見えないしw
そこへレオンさんとアイザックがwww
リアちゃんたちを見かけて、付き合ったのか、よかったと思ってるみたいですねぇ・・・
2週間後、アイザックと一緒にアランくんのいるバーに来て、まさか顔見に行くとはww
でも2階ではリサちゃんが貸切してるとかww
ほんと、リサちゃんの資金源って・・・
でも2人の会話で、もうすぐ出て行くと言ってたけど、アランくんシェアハウスを出るんですかww
リアちゃんには直前まで言わないみたいですねww
言わないというより、言えない・・・のかな(´・ω・`)
しかしリサちゃん隣に座ってきたレオンさん見て「いい男じゃない?」とかwww
そしてまた停電ww
以前の事があったから、レオンさんかなりリアちゃんを心配してますねw
これは家に助けに行っちゃいますねww
放っておけないのか、やっぱり好きなのか?!
アランくんも鍵渡す意味は、この2人は・・・と思ってるのかどうなのか?
何にせよ、リアちゃんが暗闇で恐怖に怯えてる中を助けに駆け込むレオンさんの姿を想像するとカッコいいだろうな~と思わずにはいられませんねw
さて、どうなるのか?!
>ゆきさん
削除いつもありがとうございます(´∀`)
レオンが去り、リアが振られてからはや1ヶ月半、すっかり秋になりました。
そしてさみしさのせいで気力を失っているリアは流されるままマークとどうにかなりそうなところをアランに阻止されましたねw
セクハラwww上司ではないけどたしかにwwww
アランはやはりリアよりずっと「見えてる」こともあってか、リアの危機を救いましたね~。
アランは最初レオンたちとバーにきたときもリアのこと冗談で「彼女」とかいっちゃってますしねw
ホントはそうなりたかったのかもしれません。
二人が一緒のところをレオンが目撃し、安心してますねw
まぁ振ったのもあってその後が気になってたのかもしれませんw
リサは一番謎な人物かもしれませんねwww
いやでもきっと想像通りの女性だと思うのであえてなにも書きませんw
アランがシェアハウスを出て行く話をちらっとしてましたが、まだリアには言ってないようですね。
リアのことが心配なこともあってか、振られて以来落ち込んでフラフラしてる今の状態のリアには言えないのかもしれませんね。
そして停電w
今回の撮影時は雨や雷が多かったんですが、雷がかなり近くてホント怖かったですwww
いままで落ちたことはないんですけどねw
いつか落ちやしないかとwww
室内だから大丈夫なのかな??
シムズはビルとか揺れますもんねwwww
リアが一人で家にいると知って心配になったレオンですが、アランが背中を押してくれたおかげで飛び出しました\(^▽^)/
レオンは刑事をしていることもあって正義感が強いし、誰かを救うことに必死になるタイプですからね。
ただホントにそれだけなのかそれとも・・・w
アランだけすべてを悟ったような顔しちゃってますからねw