2013/11/09

目覚め




























マロン「ねぇマスター・・・・。」

マスター「なに?」

マロン「僕って、ひどい人間かなぁ・・・・。」















マロン「ジーンくんに・・・きついこと言ったんだ。好きなの知ってるのに・・・・アイビーちゃんとは連絡とらないでって・・・・。」


















マスター「それはしょうがないんじゃない?あんた昔ロミオの親友だったものね。」

マロン「昔ってひどい・・・。」

マスター「まぁあれはあんたがロミオにべったりだっただけだけどね。」











マロン「でもね・・・僕思ったんだ。」

マスター「なにを?」

マロン「もしかしたらさ・・・・アイビーちゃんは・・・ジーンくんを必要としてるんじゃないかって。心を開ける人に、そばにいてほしいんじゃないかってさぁ・・・・。」













マスター「だとしてもそれがジーンの役目ではないわね。あんたもわかってるからそう言ったんでしょう?」

マロン「・・・わかんないよ、女心なんて。」

マスター「あんた、中途半端だものね。彼女いた頃あったわけだし。」

マロン「うるさいよ・・・。それは目覚める前の話だし。」











マスター「今のあの子に必要なのは、男でも親友でもないのよ。」

マロン「・・・・。」

マスター「あの子自身が気づかなきゃいけない問題なの。私たちはただ黙って見守るしかないのよ。」















マスター「ただこのままだとあの子・・・・本当にまずいわ。魂がだいぶ衰弱してきてる。」


















マロン「え?魂ってなに?そんなにまずい状態なの?」

マスター「人間ってねマロン。心と体は一対なのよ。どちらかが崩れてもダメなの。特に心のほうが弱ると・・・。」

マロン「それってやばいんじゃないの?どうすればいいの??ねぇマスター。」













マスター「私も念のため注意しておくわ。もうすぐ49日だし・・・。」

マロン「ああ・・・もうそんなにたつんだ・・・?早いねぇ・・・・。」

マスター「ずっと忙しかったものね。でもきっとあの子の時間は止まったままね。」



































アイビーが窓辺に立ち空を見上げている。
一人でいるときはなにもせずにぼーっと外を眺めるか、眠るかの状態が続いていた。

















アイビー「 (星がこんなに・・・・。昼間雨が降ったから空気が澄んでるんだ・・・・。) 」


















アイビー「 (サンリットでみた星空はすごく見事だったな・・・。この何十倍も星が瞬いてて・・・・。あれが最後の・・・・。) 」

















アイビー「・・・・・。」



















アイビー「 (眠い・・・・。マスターが来るまでちょっと横になってよう・・・・。) 」






































数時間後。
時計は深夜を回っている。


















マスター「お邪魔するわよ~。最後の客が粘るからだいぶ遅くなっちゃって・・・。」


マスターが階段をあがってくる。















マスター「あら、寝ちゃったのね。まったくアイビーったら電気も付けっぱなしで・・・・あ、私が来るって言っといたからか。」


















マスターが寝室の入り口で立ち止まる。


マスター「よく眠ってるわね・・・。」
















マスター「 (疲れた顔して・・・・。本当にギリギリね・・・。) 」



















マスター「 (日付が変わって今日は49日ね・・・。ロミオ・・・あの子のこと、頼むわよ・・・・。) 」


















マスター「すごく胸が騒ぐわ。今日は一晩中起きてるしかなさそうね。」


















アイビー「ん・・・・。」


ベッドで眠るアイビーが苦しそうに眉を寄せる。


















ここ・・・・どこ・・・・?





















何もない・・・誰もいない・・・・
真っ白な世界・・・
私・・・・死んじゃったの?
















そんなわけ・・・ないか・・・・
こんな簡単に死ねたら・・・・どんなにラクか・・・・


ロミオ「・・・ビー・・・アイビー。」

















ロ・・・ミオ・・・・?


ロミオ「アイビー。すまない。」















ロミオっ!
会いたかった・・・ずっと・・・ずっと会いたかった・・・・


ロミオ「お前を一人にした俺を許してくれ。」
















やだよ・・・なんで・・・・なんで一人でいっちゃったの・・・?
ひどいよ・・・・


ロミオ「俺だってお前と一緒にいたかった。」
















ロミオ「でもダメだったんだ・・・・。俺はお前を幸せにしてやることはできなかった。むしろ・・・・お前に重荷を背負わせる羽目に・・・。」

















やだよ・・・一緒にいる・・・・
ロミオとずっと一緒にいる・・・・


ロミオ「ダメなんだアイビー。わかってくれ。」

















なんで・・・?なんでダメなの?わかんないよ・・・・


ロミオ「お前にはお前の使命がある。俺はもういかなきゃならない。」
















やだよ、一緒にいく!
私も連れてって


ロミオ「ダメだ。」


ロミオのところにいけば一緒にいられるんでしょう?
それなら私すぐにでも・・・












ロミオ「バカやろう。変なこと考えんな。」


でも・・・・


ロミオ「死んでも俺には会えないぞ。自殺なんてしたらそれこそ、来世もその次も、永遠に俺には会えない。それどころかお前には重いカルマが科せられることになるんだぞ。」


でも・・・じゃあどうすればいいのよ・・・・











ロミオ「よく聞くんだアイビー。頼むから絶対に自ら死を選ぶことだけはやめろ。約束してくれ。」


うぅ・・・・


ロミオ「俺にまた生きて会いたいなら来世で必ずお前を探しに行くから。だからそれまで待ってるんだ。わかったな?」


ホントに・・・?


ロミオ「ああ。約束する。」








ロミオ「アイビー、お前に頼みがあるんだ。聞いてくれるか?」


頼みってなに・・・?


ロミオ「簡単なことだ。」














それを聞いたら・・・・またこうして会いに来てくれる?
たまにでいいから・・・・


ロミオ「もちろんだ。約束する。」


わかった・・・・じゃあ聞くよ













ロミオ「必ずだ。わかったな?」


うん・・・・絶対に約束する・・・・

















ロミオ「時間がない・・・・もういかないと・・・・。」


待ってロミオ・・・・もう少しだけ・・・・

















ロミオ「お前を愛してるアイビー。ずっとそばで見守ってるよ。」




















私も・・・・ずっと愛してるロミオ・・・・




















愛してる・・・・





















アイビー「ロミオ!!」



















マスター「アイビーどうしたの??」


悲鳴に似た叫び声に慌ててマスターが駆け寄る。
















マスター「アイビー?!大丈夫?」

アイビー「あ・・・・マスター・・・・?」

マスター「そうよ。あなたが寝てたから勝手にお邪魔してたの。」















アイビー「マスターぁ・・・・ロミオが・・・・ロミオが・・・・。」

マスター「ロミオがなに?ロミオがどうしたの?」

















アイビー「ロミオが・・・死んじゃった・・・・。」



















勢いよくマスターがアイビーの小さな体を抱きしめる。


マスター「そうね。・・・・よくがんばったわアイビー。えらいわよ。」

アイビー「うぇ・・・・。」














アイビー「なんで・・・・・なんで死んじゃったの・・・・?私を置いて・・・・ひとりで・・・・。」


アイビーの瞳からはとめどなく涙が流れる。
嗚咽まじりに悲鳴にも似た声を出す。


マスター「そうね。そうよね。」

アイビー「ひどいよ・・・・。先にいくなんて・・・・ひどいよぉ・・・・。」










マスター「本当にひどい男よね。あなたみたいないい女を置いて、ここまで惚れさせといてさっさと死ぬなんて・・・。」

アイビー「ふぇ・・・・。」

マスター「でもねアイビー。ロミオがどんなにあなたを愛していたか、あなたもわかるでしょう?あの人は最後まであなただけを愛してたの。だから苦しんだのよ。あのときだってあなたに会おうとして・・・・。」

アイビー「ロミオぉ~・・・・。」









アイビー「ロミオのばかぁ~・・・・。一緒に幸せになるって・・・・約束したのに・・・・。」

マスター「つらいわよね。悲しいわよね。」

アイビー「ロミオ・・・・会いたいよぉ~・・・・。」














マスター「泣きなさい。思う存分。あなたはもう我慢しなくていいのよ。」

アイビー「うえぇ~・・・・・ロミオぉ~・・・・。」

マスター「よしよしいい子ね。もっと吐き出していいのよ。自分の気持ちを。」













アイビー「ふえぇ~・・・・・。」

マスター「よしよし・・・。」


子供のように泣きじゃくる。
アイビーの背中を優しく撫でるマスターの声も、少し涙声に変わっていた。













アイビー「ロミオぉ~・・・・。」













































4 件のコメント:

  1. なで肩さんこんばんは^^

    アイビーちゃん、やっとロミオの死を受け入れる事が出来ましたね(´・ω・`)
    今まで、死んだとは分かっててもちゃんと受け入れられてはいなかったんだろうな、ロミオが夢に出てきた事で、やっと張り詰めていた糸がプツンと切れたんでしょうね。
    ロミオがアイビーちゃんに伝えた頼みって何だったのでしょうね、またそれもストーリーが進むにつれ、明らかになってくるのでしょうかね。
    ロミオの死を受け入れた事で、アイビーちゃんもこれから試練と辛い現実に向かい合っていくんだなぁと思うと、本当に切ないですが、やっと思い切り泣けたというのがホッとしましたよ。

    前後しますが、マロンちゃんもあの後だいぶ悩んでいるようですね。
    ジーンさんに言いすぎたというのと、本当はアイビーちゃんに必要なんじゃないかという葛藤と戦ってますねw
    確かに傍にいて支える人がいれば・・・という風にも思えるけど、マスターのいうとおり、今そばにいるべき人はジーンさんでも誰でもなくアイビーちゃん自身、という事なのかもしれませんね。

    ところでマロンちゃんて目覚める前は女の子と付き合ってた時期もあるんですねw
    妙にリアルで笑えましたww
    そういう設定好きなんですよね~~( ´艸`)

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    1. >ゆきさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      アイビーはようやく目覚めましたね。
      ロミオの死亡したときのタイトルが「眠る」だったのはロミオが「永眠」という意味だけでなく、アイビーが「眠る」、いやなことには目をつぶってみないようにする、という意味でもあったんですよね。
      なので今回ようやくアイビーが正面からロミオの死と向き合って受け入れました。
      ロミオが夢に出てきたのはアイビーに伝えたいことがあっただけじゃなくてアイビーを救うためでもあったんですよね~。
      49日すぎてようやく会えたカンジです。
      アイビーもようやく受け入れることができて、はじめて涙を流しましたね。
      マスターがすべて受け止めてくれたのでもう大丈夫そうです。
      マスターには癒す力もあるのでね(*´ω`*)
      ロミオがアイビーに頼んだことは、次回明らかになりますが、ロミオが言っていたように「簡単なこと」ですw

      マロンちゃんはかなり悩んでますね~。
      ジーンは今現在も仕事仲間だし、1年たってようやく信頼できる関係を築けているところだし。
      でもやっぱりロミオのことを考えたら二人を近づかせたくない、という気持ちが強いんですよね。
      でもアイビーのことを考えたらどっちが正しいのか・・・。

      マロンちゃんは元々ティーン時代までは普通の男子でしたw
      でも彼女ができて、初体験も済ませているんですが「なにか違う・・・」と気づき、自分が男性が好きだということに気づいたカンジですwww
      マスターはフィ姐ガンさんと同じオネェ(心も女、好きなのも男性)ですが、マロンちゃんはゲイ(心は男、でも好きなのは男性)なんですよね。
      なのでマロンちゃんの一人称は「僕」ですw

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  2. マロンちゃんの苦悩もアイビーの苦悩も
    すごくリアルで泣けました。

    ロミオが登場したことでアイビーの心のうちが
    あふれ出してきて、アイビーにとっては良かったですね。

    ロミオの頼みごと、アイビーの支えになってくれることで
    ありますように!

    そしてマスターみたいな人がリアルに側にいてほしいと
    思った私ですw

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    1. >ふわりんごさん

      いつもありがとうございます(´∀`)
      マロンちゃんは板ばさみなかんじでちょっとかわいそうですよね。
      どっちも仲のいい仕事仲間で三人のことを一番よくわかっているだろうし。
      でもやっぱり今一番誰のことを考えるべきか、っていうのを思うとアイビーなのかな~とも思って悩んでるみたいですね~。

      アイビーはようやくロミオに夢の中で再会してロミオの死を認めたみたいですね。
      いままで我慢してきた気持ちがあふれ出していますね~。
      ロミオの頼みごとはロミオが「簡単なこと」といっているので、そんなに大変なことではなさそうですw

      マスターは私がリアルにほしい!!
      でもマスターは誰よりも一番大変な位置ですよねきっとwww

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