報告

サマンサ「新人さん、アイビーちゃんの知り合いだったんだね。」

アイビー「うん。」

サマンサ「もしかして昔つきあってたとか？」

アイビー「え？」

サマンサ「ふふっ。図星なんだ？アイビーちゃんの様子がおかしかったし。」

アイビー「サムちゃん、やっぱり鋭いね。」

サマンサ「アイビーちゃん、顔に出やすいんだもん。」

アイビー「そうかな・・・？」

サマンサ「ロミオさんは知ってるの？」

アイビー「まだ・・・。」

サマンサ「そっか。でも、知ったとしてもロミオさんならやきもちとか妬かないよねきっと。」

アイビー「うん・・・。」

サマンサ「もしかして、好きなのに別れちゃったの？」

アイビー「・・・・うん。」

サマンサ「そっか～。だから二人ともぎこちないカンジだったんだね。」

アイビー「・・・・。」

サマンサ「アイビーちゃんは気になる？彼のこと。」

アイビー「気にならないわけじゃないけど・・・数年ぶりに再会したのが職場で・・・なんかびっくりっていうか。」

サマンサ「そうだよね。」

アイビー「でも私にはロミオがいるし、別にジーンとはなにも。」

サマンサ「そっか。」

サマンサ「アイビーちゃんの気持ちがはっきりしてるならいいんじゃない？」

アイビー「私の気持ち？」

サマンサ「もし今彼に誘惑されたら気持ち揺るいだりしそう？」

アイビー「・・・・それは・・・・ないと思う。」

サマンサ「ならいいんじゃないかな？でもまぁ昔の恋人でお互い好きなのに別れちゃったんなら、また燃え上がっちゃうのもしょうがないと思うけど。私はね。」

アイビー「それはないよ・・・。」

サマンサ「そっか。」

サマンサ「あ、そうそう。明後日なんだけど。」

アイビー「うん。マスターの店ね。仕事午後からにしてもらったから、夕方には行けそうだよ。」

サマンサ「ホントに？よかった。」

アイビー「ただいま～。」


玄関のドアが開いてアイビーが入ってくる。

ララ「おかえりなさい。」

ラトーシャ「おかえり。待ってたよ。」

アイビー「ごめんね遅くなって。」

ラトーシャ「大丈夫だよ。アイビーもコーヒー飲む？」

アイビー「ううん。それより話って？」


アイビーが空いているイスに腰掛ける。


ラトーシャ「うん。実はね・・・。」

ラトーシャ「ディーンから、同棲しようって誘われてるんだけどさ。」

アイビー「同棲？」

ラトーシャ「うん。」

ララ「へぇ～。ディーンもやるじゃない。」

ラトーシャ「引越し先探してたらすごくいい一軒家があったんだって。でも一人で住むには広すぎるし、同棲しないかって。」

アイビー「そうなんだ？」

ラトーシャ「ディーンは賃貸じゃなくてローンで買う予定みたいだから、家賃は払わなくていいって言ってくれてるんだけど。」

ララ「いいじゃない。結婚前の練習みたいね。」

ラトーシャ「でも、シェアハウスのこともあるし、私一人では決められないから二人に相談しようと思ってさ。」

ララ「それはそうよね。」

ラトーシャ「うん。」

アイビー「ラトはどうしたいの？」

ラトーシャ「え？」

アイビー「一番大事なのはラトの気持ちだよ。私たちのことはまず考えから離して、ラトの気持ちはどうしたいの？」

ラトーシャ「一緒に暮らせたらな～って・・・思う。」

アイビー「うん。なら私たちは応援するよ。」

ララ「うんうん。３年も付き合ってきたんだし、そろそろそういう時期よね。ディーン、ちゃんと大事にしてくれてるじゃない。よかったわね。」

ラトーシャ「でも、二人はどうするの？私が抜けたらこの家・・・。」

ララ「なんとかなるわよ。心配しないの。」

ラトーシャ「でも・・・アイビーはロミオさんがいるからいいけど、ララは・・・。」

ララ「一人暮らしでもはじめるわよ。」

アイビー「私も・・・一人暮らしかな～。」

ララ「え？ロミオさんのところに住まないの？」

アイビー「う～ん・・・・。そういうのは、彼負担に感じるかもしれないし。」

ラトーシャ「そうなんだ？」

アイビー「あ、でも大丈夫だよ。ラトは心配しないで。」

ラトーシャ「でも・・・・。」

アイビー「ディーンはいつ引っ越すって？」

ラトーシャ「来月からかな、たぶん。」

ララ「来月かぁ～。」

アイビー「ラトもいまのうちから荷物片付けないとね。」

ラトーシャ「うん・・・。」

ララ「　（同棲か～。３年付き合って同棲、順調にいってるのね。ラトが羨ましいな。）　」

ララ「　（でもラトが抜けたらラトの分の家賃、アイビーと折半にしてもちょっときついわね・・・。やっぱり引越し考えたほうがいいかしら・・・。）　」

ララ「　（私、一人暮らしなんてしたことないし・・・、料理もできないし・・・。なんだか不安だわ・・・・。）　」

ララ「　（悩んでもしかたのないことよね・・・。今日はもう寝ましょ。）　」

週末。
アイビーはサマンサとネオと３人でHouse of the witch２にいた。

アイビー「結婚？」

ネオ「あぁ。まずはお前に報告しなくちゃと思ってな。」

アイビー「ホントに？サムちゃん、仕事は？」

サマンサ「ううん。辞めることにしたの。」

アイビー「辞めちゃうの？」

サマンサ「私、結婚したら仕事辞めて家庭に入るのが夢だったんだ。それにもうやりたいことも十分やったし。」

アイビー「そうなんだ？」

ネオ「俺は別にいいって言ったんだけどな。」

サマンサ「ネオさん、仕事がスターライト　ショアだから、結婚したらネオさんの実家に住むことになったの。ママさんたちも是非って言ってくださったから。」

アイビー「そっか～。じゃあ実家に帰ればいつでもサムちゃんに会えるんだね。」

サマンサ「うん。アイビーちゃんのおうちなんだから、いつでも帰ってきてね。」

アイビー「うん。」

サマンサ「それとねアイビーちゃん。もうひとつ報告があるんだ。」

サマンサ「私ね、赤ちゃんできたの。」

アイビー「え？赤ちゃん？」

サマンサ「うん。できちゃった結婚になっちゃったんだけどねｗ」

ネオ「婚約済ませてすぐにわかったんだけどな。」

アイビー「そっか～。」

サマンサ「それもあって仕事辞めることにしたんだけどね」

ネオ「おなかが目立つ前に式をあげることになったから、急だけど来月挙式だ。」

アイビー「来月かぁ。サムちゃんは仕事今月いっぱい？」

サマンサ「うん。」

アイビー「式の準備とか、いろいろ大変だね。」

サマンサ「今月分の撮影は私はもう済んでるから大丈夫。式もプランナーさんと相談していろいろやってもらえてるから。」

アイビー「そっか。あんまりムリしないでね。」

サマンサ「うん。ありがとう。」

アイビー「あれ・・・？なんか・・・涙が・・・。」

サマンサ「もう、アイビーちゃんったらホント泣き虫なんだから。」

サマンサが立ち上がってアイビーを抱きしめる。


サマンサ「アイビーちゃん、これからはお姉さんとしてよろしくね。」

アイビー「サムちゃん、私のお姉ちゃんになるんだね。嬉しい。小さい頃、お姉ちゃんほしかったんだ。」

サマンサ「ホントに？私もアイビーちゃんみたいな妹ができて嬉しい。」

アイビー「お姉ちゃんの次は甥っ子か姪っ子ができるんだね。素敵。」

サマンサ「ふふっ。どっちが生まれるか楽しみね。」

アイビー「元気な赤ちゃん生んでね。体ムリしちゃだめだよ？」

サマンサ「うん。わかってるよ～。」

アイビー「でもやっぱり仕事場で会えなくなるの、ちょっと寂しいよ～。」

サマンサ「私も～。電話するね！」

アイビー「うんっ。」