アイビーが立ち尽くす。
マロン「アイビーちゃん・・・?」
そのままロミオをおいかけてスタジオを出て行く。
ロミオはまだエレベーター前にいた。
アイビー「待ってロミオ。」
アイビー「ちゃんと話し合いたい。」
ロミオ「なにを話す必要がある。」
アイビー「ロミオは勘違いしてる。」
ロミオ「勘違い?」
アイビー「たしかに私はジーンにそばにいるとは言ったけど、あれはそういう意味じゃないよ。親友として・・・仲間としてって意味だよ?」
ロミオ「仲間としての抱擁か?そうは見えなかったけどな。」
アイビー「じゃあロミオは・・・私のこともう愛してないの?」
ロミオ「・・・・そんなのもうどうだっていいだろ。俺はミランダと寝た。お前とはもう終わりだ。」
アイビー「答えになってないよ。私のこともう嫌いなの?」
ロミオ「ああ。」
アイビー「ちゃんと目をみて言ってよ。そしたら諦めるから。」
ロミオ「・・・・。」
アイビー「私のこともう愛してないの?ミランダさんのことが好きなの?」
ロミオ「バカバカしい。」
ロミオが開いたドアからエレベーターに乗り込む。
アイビー「ロミオ・・・。」
ロミオ「合鍵、早く返せ。」
アイビー「やだ。ちゃんと話してくれるまで・・・。」
ロミオ「じゃあ鍵は換える。」
アイビー「ロミオ・・・。」
ドアが閉まりエレベーターが下りていく。
ロミオ「・・・・。」
アイビー「・・・・。」
アイビー「お疲れ様でした~。」
撮影が終わり、着替えたアイビーがスタジオに入ってくる。
ギルバート「お疲れ様っす!」
アイビー「また明日ね。」
ギルバート「はい。気をつけて!」
アイビー「は~い。」
エレベーターを降りてビルから出る。
ドアの脇に人影があるのに気づく。
アイビー「わっ!」
アイビー「ジーン?びっくりしたぁ~・・・。」
ジーン「ごめんw 驚かせるつもりはなかったんだけど。」
アイビー「うん・・・。」
ジーン「早かったな。もっとかかるかと思った。」
アイビー「どうしたの?」
ジーン「ちょっと話したかったから待ってたんだ。これからお茶でもしに行かないか?」
アイビー「いいけど・・・。」
ジーン「よかった。」
ジーン「ダイナーダイナーでいい?」
アイビー「うん。」
ジーン「車だから、乗って。」
アイビー「うん。」
アイビー「ジーン、今日は食べないの?」
ジーン「食べてきたんだ。マロンちゃんと。」
アイビー「そうだったんだ?」
ジーン「うん。マロンちゃんと別れた後また戻ったんだよ。」
アイビー「そっか。」
ジーン「今日も行ってくれたんだってな、病院。」
アイビー「うん。」
ジーン「母さんからメール来てた。毎日ありがとな。」
アイビー「これくらいしかできないから。」
ジーン「感謝してるよ。母さんも、俺も。」
アイビー「ううん。ジーンのほうこそ・・・大変なのに・・・。」
ジーン「アイビーさ。」
アイビー「うん?」
ジーン「ロミオさんと・・・ケンカでもした?」
アイビー「え?」
ジーン「様子変だったから・・・。マロンちゃんも、心配してたよ。」
アイビー「そっか。・・・ごめんね心配かけて。」
ジーン「いや。」
アイビー「でも、大丈夫だから・・・。」
ジーン「それってもしかして・・・・こんなこと言ったら自意識過剰かもしんないけど・・・。」
アイビー「 ? 」
ジーン「ケンカの原因・・・俺だったりする?」
アイビー「いや・・・そういうわけじゃ・・・・。」
ジーン「やっぱそうなんだな。」
アイビー「え?」
ジーン「隠してもわかる。」
アイビー「・・・・ごめん。」
ジーン「不謹慎かもしんないけど・・・・。」
アイビー「え?」
ジーン「俺・・・ちょっと喜んでる自分がいる。」
アイビー「ジーン・・・。」
ジーン「ごめんなアイビー。」
アイビー「・・・・。」
ジーン「俺やっぱりアイビーが好きだ。」
アイビー「・・・・。」
ジーン「この前は咄嗟に告白しちゃったけど・・・もう咄嗟に出ちゃうくらい、アイビーのこと好きなんだ。もうこの気持ちを抑えられない。」
ジーン「ずるいってわかってる。恋人とうまくいってないときにこんなこと言い出すのは。」
アイビー「・・・・。」
ジーン「でもずっと好きだった。この街で再会したときから・・・いや、その前からずっと。」
アイビー「ジーン・・・・。」
ジーン「ホントは見守っていられるだけでいいってずっと思ってたんだ。だからそうしてきた。」
アイビー「・・・・。」
ジーン「でも母さんがこうなって、俺自身いろいろ考えたんだ。もしアイビーに自分の気持ち伝えないまま、俺になにかあったらいやだって思ったから。」
ジーン「後悔だけは・・・したくないから。」
アイビー「・・・・。」
ジーン「アイビー、真剣に俺のこと・・・考えてくれないか?」
ジーン「もちろん今すぐじゃなくていい。むしろじっくり考えてから返事がほしい。」
アイビー「・・・・。」
ジーン「仲間なんかじゃなく一人の男として・・・できればもう一度、俺と付き合ってほしい。」
アイビー「・・・・・わかった。」
ジーン「よかった・・・。」
アイビー「ちゃんと・・・考えてから答え出すね。」
ジーン「うん。」
ジーン「アイビー、ありがとな。」
アイビー「ううん。」
ジーン「それからごめん。・・・ずるい男で。」
アイビー「・・・うん。」