平日の午後、仕事が休みのアイビーは一人自宅でテレビをみていた。
アイビーの携帯電話が鳴る。
テレビの音量を小さくする。
アイビー「ジーン・・・?」
アイビー「もしもし。」
ジーン『アイビー?俺、ジーンだけど。』
アイビー「うん。どうしたの?」
ジーン『今日休みだろ?なにしてた?』
アイビー「家でテレビみてるよ。ジーン仕事は?」
ジーン『撮影中止になったんだ。』
アイビー「そうなの?」
ジーン『うん。暇だったら、夜にでも呑みにいかない?』
アイビー「うん。いいけど・・・。」
ディーン「じゃあ今日は同棲祝いに乾杯だな。」
ラトーシャ「同棲してからもう2週間も過ぎたよ?」
ディーン「いいんだよ。外に呑みに来るのも久しぶりだろ?」
ラトーシャ「そういえばそうだね。ディーン、最近仕事忙しそうだし・・・。」
ディーン「あ~、今流行ってる風邪のせいで、外来がすげえ多いんだよ。ホント参るわ。」
ラトーシャ「そうなんだ?移らないように気をつけてね。」
ディーン「体が資本だしな。気つけるよ。」
ラトーシャ「うん。」
ジーナ「ディーン・・・?」
ふいに名前を呼ばれてディーンが振り返る。
ディーン「ジーナ・・・さん?」
ジーナ「やっぱりディーンね!懐かしいわ~。大人っぽくなったわね~。」
ディーン「ジーナさん、今この街に住んでるの?」
ジーナ「ええ。スターライトショアから、ブリッジポートに引っ越してたのよ。」
ディーン「そうなんだ?」
ジーナ「ディーンは?」
ディーン「俺は聖ひ臓病院に勤務してるんだ。」
ジーナ「そうなの?お医者様になったのね。あなたらしいわ。」
ラトーシャ「 (どこかで見たことあると思ったら・・・この人ディーンの・・・・。) 」
ジーナ「私待ち合わせ中なの。もういかなくちゃ。」
ディーン「そうなんだ?」
ジーナ「ごめんなさいね、お友達と一緒のところ。」
ディーン「ううん。大丈夫だよ。」
ジーナ「番号、変わってない?電話してもいいかしら?」
ディーン「うん。変わってないよ。」
ジーナ「そう。じゃあ連絡するわね。会えてよかったわ。」
ディーン「俺も。じゃあまた。」
ジーナ「ええ。またねディーン。」
店の奥へと向かうジーナ。
その後姿を見送る。
ディーンが再び席につく。
ラトーシャ「知り合い・・・?」
ディーン「ああ。大学の頃のね。」
ラトーシャ「そうなんだ・・・?」
ディーン「ラト、おかわりは?」
ラトーシャ「あ・・・うん。じゃあ同じのもらおうかな。」
ディーン「すいません。これと同じのを。」
バーテンダー「かしこまりました。」
ラトーシャ「 (ディーン・・・嘘ついた・・・・。どうして・・・・?) 」
アイビーを降ろしたタクシーが走り去る。
ドアが開いてアイビーが店内に入ってくる。
マスター「いらっしゃ~い。」
アイビー「こんばんは~。」
アイビー「ごめんね遅くなって。なかなかタクシーがつかまらなくて。」
ジーン「俺も今来たところだから大丈夫だよ。」
アイビー「ジーン、この店知ってたんだね?」
ジーン「マロンちゃんに連れて来てもらったんだ。」
アイビー「やっぱり。そうじゃないかと思ったw」
ジーン「たまり場なんだな。ここ。」
アイビー「うん。居心地いいんだよここ。」
ジーン「わかるw」
ジーン「結婚式、どうだった?」
アイビー「サムちゃんとお兄ちゃんの?すっごく素敵だったよ~。もう感動しちゃった~。」
ジーン「そうか。いいな。俺も見たかったな。」
アイビー「出会うのが遅かったねw 招待状もらえなかったのか。」
ジーン「ああ。なんかさみしいぞ。」
アイビー「あははw どんまいだね。」
ジーン「誘っても平気だった?」
アイビー「え?」
ジーン「いや、二人きりだしさ。」
アイビー「あ~、うん。大丈夫。」
ジーン「そっか。まぁ、仕事仲間だしな。」
アイビー「そうだね。」
ジーン「うまくいってるのか?ロミオさんと。」
アイビー「うん・・・。うまくいってるよ。」
ジーン「そうか。つきあってどのくらいなんだ?」
アイビー「3年・・・かな。」
ジーン「へぇ~。ロミオさんって、30くらいか?」
アイビー「うん・・・31。」
ジーン「じゃあそろそろいい年だな。」
アイビー「ジーンは?いい人いないの?」
ジーン「俺まだこっちに来てまもないし。今は仕事でそれどころじゃないな。」
アイビー「そっか。むこうにいたときは彼女いたんでしょ?」
ジーン「う~ん。彼女、ってちゃんと呼べる人はいなかったかな。」
アイビー「そうなんだ?」
アイビー「ジーン、モテたでしょ?」
ジーン「そんなことないぞ?」
アイビー「嘘。絶対モテてた。」
ジーン「いや。むしろ俺はなんか周りゲイの人多くて・・・w」
アイビー「やっぱりファッション関係って海外でもゲイの人多いんだねw」
ジーン「そうなんだよw だから俺も勘違いされたりしてさ。」
アイビー「そうなんだ?w」
2時間が過ぎた。
アイビー「ホントに?」
ジーン「うん。マジであのときは焦ったよ。」
アイビー「あははw 想像したら笑えるw」
ジーン「今じゃ笑い話だけどな。あのときはホントやばかったんだって。」
アイビー「そうかもねw」
アイビーの携帯電話が鳴る。
アイビー「ちょっとごめんね。」
ジーン「うん。気にしないで。」
アイビー「すぐ戻るね。」
アイビーが化粧室の前まで移動して電話に出る。
アイビー「もしもし。」
ロミオ『俺だ。』
アイビー「うん。どうしたの?」
ロミオ『今なにしてる?』
アイビー「友達と呑んでる・・・。」
ロミオ『マスターの店か?』
アイビー「なんでわかるの?」
ロミオ『流れてる音楽。』
アイビー「あ・・・そっか。」
ロミオ『じゃあ。』
アイビー「ロミオ。」
ロミオ『なんだ?』
アイビー「あとで行っていい?」
ロミオ『ああ。』
アイビー「じゃあ・・・またあとでね。」
ロミオ『じゃあな。』
携帯を切る。
アイビーがジーンの元へ戻る。
アイビー「ごめんジーン。私、そろそろ帰らないと。」
ジーン「そっか。ごめんな、つき合わせて。」
アイビー「ううん。私も暇してたし。すごく楽しかった。」
ジーン「また誘ってもいいかな?」
アイビー「うん。」
ジーン「明日は?仕事?」
アイビー「うん。夕方から。」
ジーン「そっか。」
ジーン「じゃあまた明日。」
アイビー「うん。またねジーン。」
ジーン「うん。気をつけてな。」
アイビー「ありがとう。ジーンもね。」
アイビーが立ち去る。
見えなくなるまでその後姿を見つめる。
ジーン「・・・・・。」
マスター「振られちゃったわね。」
ジーン「え?」
マスター「しょうがないわ。こうなる宿命だもの。」
ジーン「・・・俺にはムリってことですか?」
マスター「あの子はあなたを選ばないわ。そういう子よ。」
ジーン「そんなの・・・わからないじゃないですか。宿命って変えられるんでしょ?」
マスター「運命(さだめ)ならね。」
ジーン「・・・・。」
マスター「諦めろとは言わないわ。努力するのもいいんじゃない?」
ジーン「・・・・。」
マスター「人間ですもの。抗うのもまたひとつの道よ。」
ジーン「マスター、おかわり。」
マスター「は~い。」










































