初デート

ディーン「え？お見合い？」

ラトーシャ「そう。」

ラトーシャ「ママがね、勝手に話すすめちゃってるみたいでさ。」

ディーン「へぇ～。どんな人？」

ラトーシャ「高校でラグビー教えてる２９歳の人だって。」

ディーン「コーチとかそういう感じか。」

ラトーシャ「たぶん。」

ディーン「いつなんだ？」

ラトーシャ「今週末。」

ディーン「へぇ～。面白そうじゃん。」

ラトーシャ「全然面白くない。なんかすごく不安なんだけど。」

ディーン「大丈夫だって。お前の母さんも心配してんだよ。」

ラトーシャ「それにしてもまだ早いでしょ。私２３だよ？」

ディーン「結婚に早いも遅いもないだろ。お前の両親も若かったんだろ？」

ラトーシャ「そうだけどさ～。」

ディーン「わかんないよ？運命的な出会いになるかもしれないしさ～。」

ラトーシャ「え～。」

ディーン「まぁ気楽にいけよ。あんまり期待しないでさ。」

ラトーシャ「うん。期待は全然してない。」

ディーン「今週末なら俺もデートだわ。」

ラトーシャ「え？・・・ロビンちゃんとヨリ戻したの？」

ディーン「ちげーよｗ　大学生の子。」

ラトーシャ「大学生？」

ディーン「ローガンの友達のいとこなんだけどさ。男性恐怖症？みたいなところがあって。」

ラトーシャ「ふぅ～ん・・・。」

ディーン「メールしてるんだけど面白いんだよなｗ　天然すぎてｗ」

ラトーシャ「　・・・・。（自分も天然のくせに。）　」

ディーン「その子とデートの練習。」

ラトーシャ「練習ね～。どんな子なの？」

ディーン「小さくてかわいいよ。胸でかいし。」

ラトーシャ「胸かよ。」

ディーン「なんか田舎臭くて新鮮かなｗ」

ラトーシャ「へぇ～・・・。」

ディーン「性格は絶対いいと思うんだけど人見知りが激しいみたいでさ。」

ラトーシャ「なんか、想像できるわ。」

ディーン「来週お互い報告し合おうぜ。」

ラトーシャ「うん・・・・。」

ディーン「楽しみだなｗ」

映画を見終わったディーンとケイティーはカフェに来ていた。

ディーン「映画、面白かった？」

ケイティー「面白かったですけど・・・ディーンさん、寝てました・・・よね？」

ディーン「ごめんｗ　いつも寝ちゃうんだｗｗｗ」

ケイティー「そうなんですか。」

ケイティー「お疲れじゃないですか？・・・すみません。」

ディーン「え？なにが？」

ケイティー「お疲れのところ、付き合っていただいて・・・。」

ディーン「ははっｗ　大丈夫だよ。」

ディーン「今日はまたこの前と雰囲気違うね。」

ケイティー「あ・・・えっと、リア姉ちゃんに電話したら、ワンピースを貸してくれて。」

ディーン「そうなんだ？」

ケイティー「あ、でも・・・ちょっと露出が高かったので中に一枚着てきたんですけど・・・変ですかね？」

ディーン「いや、いいんじゃない？色も合ってるし。」

ケイティー「そうですか？よかったです・・・。あんまり真っ赤な服とかは着ないので・・・ちょっと恥ずかしいっていうか・・・。」

ディーン「赤似合うと思うよ。」

ケイティー「あ・・・ありがとうございます。」

ディーンが黙ったままケイティーを見つめる。


ケイティー「あ・・・あの・・・。なにか、顔についてますか？」

ディーン「いや・・・・ちょっと。」

ケイティー「え？な・・・なんか変でしょうか、私。」

ディーン「あのさ。ちょっとそのメガネとってくんない？」

ケイティー「え？メガネ、ですか？」

ディーン「うん。ちょっと外してみてよ。」

ケイティー「私・・・すごく目が悪くて・・・。」

ディーン「ちょっとでいいからさ。」

ケイティー「は・・・はい。」

ケイティー「こ、これでいいですか？」

ディーン「やっぱり。」

ケイティー「え？」

ディーン「そのほうが全然可愛いよ。」

ケイティー「え？？」

ディーン「コンタクトにはしないの？」

ケイティー「コンタクトは・・・ちょっと怖くて。」

ディーン「そうなんだ？でもそっちのほうが全然いいよ。マジで。」

ケイティー「ほ、本当ですか・・・？」

ディーン「うんうん。」

ケイティー「あ・・・ありがとうございます・・・。」

ディーン「それで髪型変えたらだいぶ垢抜けそうだよ。」

ケイティー「垢抜け・・・ですか。私・・・やっぱり田舎臭いですよね・・・。」

ディーン「いやｗ　今でも十分可愛いんだけどね。」

ケイティー「ありがとうございます・・・。お世辞でも、嬉しいです・・・。」

ディーン「お世辞じゃないってｗ　ホントに。」

ジム「食事、うまかったですか？」

ラトーシャ「はい。」

ジム「よかった。」

ジム「自分も、こういう店ははじめてで・・・。」

ラトーシャ「私も、ここははじめて来ました。」

ジム「そうなんですね。ラトーシャさんは、こういう店、よく来られるのかと思っていました。」

ラトーシャ「いえ。割と外食は少ないですね。飲みに行くくらいで。」

ジム「そうなんですか。お酒、お好きなんですか？」

ラトーシャ「普通、ですね。（ネクタイが気になってしかたないんだけど。）　」

ジム「自分はつきあいでよく呑まされるんですが、どちらかというと弱いほうで・・・。」

ラトーシャ「へぇ～。」

ジム「ラトーシャさんのご趣味はなんですか？」

ラトーシャ「趣味・・・ですか。う～ん・・・映画鑑賞くらいですね～。」

ジム「へぇ～。いいですね、映画。」

ラトーシャ「ジムさんは映画とか観ます？」

ジム「いえ・・・。一緒に観に行く人がいれば行くんですが・・・。」

ジム「お一人で行かれるんですか？」

ラトーシャ「いえ・・・友達と。」

ジム「そうですよね・・・。一人ではちょっと恥ずかしいですもんね、カップルばっかりだし。」

ラトーシャ「私は一人でも大丈夫なんですけどね。（ディーンが一人苦手らしいから）」

ジム「あの・・・もしかして、このネクタイ・・・やっぱり変ですよね？」

ラトーシャ「え？あ・・・いえ・・・。」

ジム「わかってるんです。いいんですよ。」

ラトーシャ「すいません・・・。つい目がいってしまって・・・。」

ジム「仕事柄あんまりスーツとか着ないので・・・。これは母がハワイのお土産に買ってきてくれたものなんですよ。」

ラトーシャ「お母さんが・・・？」

ジム「ネクタイあんまり持ってないだろうからって。でもちょっと趣味が悪すぎですよねｗ」

ラトーシャ「いえ・・・。そんなことないです。」

ジム「なかなか捨てられなくてｗ」

ラトーシャ「わかります。それ。」

ジム「え？」

ラトーシャ「私も、そういうのあるから。」

ジム「そうなんですか。ちょっと、嬉しいです。」

ラトーシャ「ジムさんは、付き合ってた人は？」

ジム「３年前に別れて、以来独りですね。」

ラトーシャ「そうなんですか。」

ジム「結婚まで考えてたんですけどね。お互い一人っ子だったので、いろいろとうまくいかなくて・・・。」

ジム「やはり一人っ子同士だと、自分たちだけの結婚じゃないですからね。」

ラトーシャ「そうですね・・・。」

ジム「ラトーシャさんは、ご兄弟は？」

ラトーシャ「５人兄弟の４番目です。あとは全員男ばっかりで。」

ジム「へぇ～。大変ですね。」

ラトーシャ「しかも下の弟が、今年生まれたばっかりなんですよ。」

ジム「え？！それはおめでたいですね！」

ラトーシャ「ちょっとありえないですよねｗ」

ジム「いえいえ！そんなことないです。子供は多いほうがいいですよ。」

ラトーシャ「ジムさん、子供お好きなんですか？」

ジム「はい。大好きです。本当は小学校の先生になりたかったんですけどね。」

ラトーシャ「へぇ～。似合いそうですね。」

ジム「一人っ子で寂しい思いをしたので、自分は子供はたくさん欲しいですね。」

ラトーシャ「そうなんですね。」

ジム「あの・・・もしよかったらまた会ってくれますか？」

ラトーシャ「・・・はい。私でよければ・・・。（いい人そうだし・・・あたしにはこういう人のほうが合ってるのかも・・・。）　」

ジム「ホントですか？！よかった～。」

ラトーシャ「こちらこそ・・・。よろしくお願いします。」

ジム「あ、連絡先、交換してもいいですか？」

ラトーシャ「はい。もちろん。」