マロン「ジーンくん。」
ジーン「ん?」
マロン「アイビーちゃん知らない?さっきから探してるのに居ないみたいなんだよね。」
ジーン「あ~、弟さんたちとのクリスマスパーティーに向かったんじゃないかな?」
マロン「弟?」
ジーン「うん。毎年兄弟や仲間内でクリスマスパーティーしてるって言ってたから。」
マロン「そういえば去年も途中で帰ってたかも。」
ジーン「たぶんそっちに行ったんだと思うよ。」
マロン「そっか~。」
マロン「おなかすかない?なんか食べようか?」
ジーン「そうだね。」
アイビー「リリィ社長!」
リリィ「アイビー。」
アイビー「ミランダさんは?」
リリィ「今手術中よ。」
アイビー「手術・・・?」
リリィ「ええ。おなかの子の成長が、心臓に負担がかかったらしいわ。」
アイビー「・・・大丈夫なんですか?」
リリィ「わからないわ。あなたも覚悟しておいて。」
アイビー「・・・・はい。」
リリィ「アイビー、私は一旦会場に戻るわ。ここをお願いしてもいい?」
アイビー「もちろんです。」
リリィ「悪いわね。」
アイビー「いいえ。」
リリィ「片付いたらまた戻るから。なにかあれば電話してちょうだい。」
アイビー「はい。わかりました。」
ディーン「冷めちゃう前に食べようぜ。」
ラトーシャ「でもアイビーがまだ・・・。」
ディーン「遅いよな。8時には来るって行ってたのに、もう9時だぞ?」
ラトーシャ「パーティー抜けれないのかな?」
ディーン「そういえばなん周年記念とかなんとか言ってた気がする。」
ラトーシャ「メールは?きてない?」
ディーン「ないな。」
ラトーシャ「電話してみたら?こっちに向かってる途中なのかもしれないよ。」
ディーン「そうだな。かけてみるか。」
ディーンがアイビーの携帯電話に電話をかける。
ラトーシャは黙ったままディーンを見つめている。
ディーン「もしもし、アイビー?」
アイビー『ディーン、ごめんね。連絡もしないで。』
ディーン「なにかあったのか?」
アイビー『うん。・・・ごめん。今日行けそうにないんだ。』
ラトーシャ「・・・・。」
ディーン「大丈夫なのか?」
アイビー『事務所の子が倒れちゃって・・・今病院で付き添ってるの。』
ディーン「そっか。それじゃあ仕方ないな。」
アイビー『ごめんね。また連絡するね。』
ディーン「うん。またな。」
ラトーシャ「来れないって?」
ディーン「うん。同じ事務所の子が倒れたから付き添いで病院に居るらしい。」
ラトーシャ「そうなんだ?大変だね・・・。」
ディーン「うん。」
ディーン「ごめんなラト。せっかくたくさん作ってくれたのに。」
ラトーシャ「いいよ。残ったら明日また食べればいいし。ほら、冷めちゃう前に食べよう。」
ディーン「おう。」
ディーン「そうだ。明日どっか二人ででかけない?」
ラトーシャ「休日だから混んでるんじゃない?」
ディーン「いいじゃん。クリスマス気分味わおうぜ。」
ラトーシャ「そうだね。たまにはいいかもね。」
アイビーが電話をきる。
アイビー「 (ディーンごめん、嘘ついて・・・。) 」
アイビー「 (手術・・・いつ終わるんだろう・・・・。) 」
アイビーが立ち上がり、窓辺へ向かう。
アイビー「 (神様、もうクリスマスはずっと独りでもいいです。だからどうか・・・ミランダさんと赤ちゃんを助けて。) 」
アイビー「 (お願い・・・。) 」
ディーンが階段をおりるとキッチンにラトーシャが立っていて、朝食の準備をしていた。
ディーン「おはようラト。」
ラトーシャ「おはよう~。」
ラトーシャ「サンドウィッチでいい?すぐでかけるでしょ?」
ディーン「うん。そうだね。」
ラトーシャ「すぐできるから座ってて~。」
ディーン「はーい。」
ディーン「雪やんだみたいだな。」
ラトーシャ「そうだね~。天気予報では晴れって言ってたよ。」
ディーン「そっか。」
ディーン「今日も寒いな。今何度なんだろ?」
ディーンがソファーに座ってテレビをつける。
アナウンサー『次のニュースです。』
アナウンサー『女優のミランダ・レッドさんが、昨晩、心不全のため、市内の病院で亡くなりました。36歳でした。』
ディーン「え?マジかよ・・・。(ミランダ・レッドって・・・・たしかロミオさんとつきあってたって、前にアイビーが言ってたよな?) 」
アナウンサー『事務所の発表では、レッドさんは幼少期から心臓が弱かったとのことです。』
ディーン「 (そうだったんだ・・・?隠してたってことか。) 」
ディーン「 (そういえばアイビー、昨日病院だって行ってたけど・・・。関係ないよな?・・・電話してみるか。) 」
ラトーシャ「おまたせ~。できたよ。」
ラトーシャ「アイビーから?」
ディーン「いや。かけてみようかと思ってさ。」
ラトーシャ「ゆうべ帰れたのかな?アイビー。」
ラトーシャがニュースに気付く。
ラトーシャ「え?ミランダ・レッドって亡くなったの?まだ30代だよね?」
ディーン「・・・・。」
ラトーシャ「若いにかわいそう・・・。この人の演技すごく好きだったんだよね~。色気があるのにどっかかわいくて。去年やってた映画、レンタルしてたよね?観たいな~。」
留守番電話のアナウンス『留守番電話にきり変わります。』
ディーン「 (出ないな・・・。) 」
ディーン「アイビー、留守電聞いたら電話くれ。」
ディーンが留守番電話にメッセージを残す。
ラトーシャ「寝てるんじゃない?昨日遅かったのかもしれないよ。」
ディーン「ああ。そうだな。」
ディーン「そういえばアイビー、年末帰るって言ってたんだよな?」
ラトーシャ「うん、できたらって。一緒に帰ろうって誘おうと思ってたんだよね。」
ディーン「そっか。」
ラトーシャ「ディーンがお休み入ったら3人で帰ろうと思って、チケット取らなきゃって思ってたんだ。」
ディーン「車でいいじゃん。」
ラトーシャ「雪だから危ないよ。それに電車のほうが、ディーンもゆっくりできるでしょ。」
ディーン「たしかにそうだな。」
ディーン「あとでまた電話してみるよ。」
ディーンが立ち上がり皿をとる。
ディーン「腹減った~。いただきま~す。」
ラトーシャ「食べたらすぐでかける?」
ディーン「そうだな。」
なで肩さん、こんばんは!
返信削除ミランダさん、やっぱり助からなかったですね・・・
お腹の赤ちゃんのことも、アイビーのことも、今回語られていませんが、どうなったのだろう。
クリスマスの日に逝ってしまったんですね。
私の知人の旦那様も、クリスマスの日に逝ってしまいました。
末期がんで入院中のことでしたが、私の知人は「奇跡を信じている」と言ってて、なんだかその言葉がすごく響いて、私も信じてみようと思い、それから毎日神様にお祈りしたんですよね。
知人の旦那様が、奇跡的に助かりますようにって。
でも、クリスマスの日に逝ってしまって・・・
アイビーがお祈りをしているシーンを見た時、なんだかその時のことを思い出しました。
大切な人の死は、それだけで忘れられない出来事だけど、それがクリスマスとなると、本当に忘れられない。
亡くなったと報せを受けた時は、神様は意地悪だ、クリスマスの日にこんな悲しい出来事をプレゼントするなんて・・・と思ったけれど、クリスマスに亡くなったから、もう十数年も経っているのに、他人の私がこうして今も、その人の死を覚えている。
今は、ミランダさんの死がミランダさんやその関係者にとって、暗く、悲しい出来事だけれど、特別な日に亡くなっているから、長い目で見ればこれは、ただ悲しいだけの出来事ではなく、何かの奇跡の始まりなのかもしれませんね。
ミランダさん、今頃はロミオと再会しているのかな・・・
どうか安らかにお眠りください。
更新、お疲れ様でした!
この続きも楽しみにしています^^
>マリーさん
削除こんばんは!(´∀`)
コメントありがとうございます。
ミランダはクリスマスに亡くなってしまいましたね。
マリーさんの知合いの旦那様もクリスマスですか・・・。
確かに、イベント事と重なると、ある意味忘れられないですよね。
ミランダはきっとロミオと会えたことでしょう。
前回から久しぶりに撮影をはじめて、大変さも楽しさも思い出しましたw
撮り溜めしていないのでのんびり更新になると思いますが、また次回も読んでくださると嬉しいです!
ありがとうございました~\(^▽^)/