アダム「おぎゃあぁぁ」
アイビー「どうちたの~?」
アイビー「おなかすいたの?ミルクの時間にはまだ早い気がするけど・・・。」
アイビー「はぁい、ミルクでちゅよ~。」
ゆっくりと哺乳瓶の口をアダムの口元へ近づける。
アダム「おんぎゃぁぁ。」
アイビー「あれ?ミルクじゃなかったか。」
アイビー「どうちたのかなぁ。今日はご機嫌ななめでちゅね~。」
アダム「ふぎゃああ。」
突然サイドテーブルの上の携帯電話が鳴り響く。
アダム「うぎゃぁぁ。」
アイビー「ごめんごめん。うるさいよね。よしよし。」
アイビー「(今は電話出られない・・・。誰からだろう。あとで折り返ししないと。)」
しばらくすると電話の音が止む。
アダム「ふぎゃああ。」
アイビー「あ~よしよし。いい子だね~。眠れないのかな?」
数時間後。
シャワーを浴びたアイビーがバスルームで歯を磨いている。
アイビー「(まだ静かに寝てるみたい、よかった・・・。)」
アイビー「(ふぁぁ・・・。眠い・・・・。もう2時か・・・。)」
アイビー「(最近シャワーも7分で浴びれるようになった。髪切ったらもっと早くなるかな・・・。)」
アイビー「(さすがに髪は切る気ないけど・・・。でも抱っこするときちょっと邪魔なんだよね・・・。)」
アイビー「(もう寝なきゃ・・・。明日も朝から仕事だし。)」
アイビー「(あ・・・そういえばさっき電話あったよね。誰からだろう。)」
アイビー「(ジーンだ。どうしたのかな?)」
アイビー「(さすがにこの時間は寝てるだろうしメールも迷惑だよね。・・・明日にしよう。)」
アイビー「寝よ・・・。おやすみなさい。」
2分もしないうちに寝息が聞こえ始める。
翌日。
アイビー「おはようございま~す。」
アイビーがスタジオに入ってくる。
ギルバート「おはよーっす。」
ギルバート「アイビーちゃん最近早いっすね。」
アイビー「うん。早い時間に変更してもらったの。仔猫いるからね。」
ギルバート「あ~、なるほど。」
アイビー「準備してきまーす。」
ギルバート「あ、マロンちゃんもうすぐ戻ると思います。」
アイビー「了解~。」
控室のドアを開ける。
アイビー「おはようございま~す。」
ジーン「おはようアイビー。」
アイビー「ジーンがスマホなんて珍しいね。いつも本読んでるイメージ。」
ジーン「最近電子書籍にしてるんだ。」
アイビー「やっぱりそういうの読んでたんだw」
ジーン「うんw」
ジーン「マロンちゃんはメリーちゃんとランチ行ってる。」
アイビー「メリーちゃん、さっきまで撮影だったの?」
ジーン「そう。」
アイビー「ジーンは行かないの?」
ジーン「俺はさっきギルとラーメン食ってきたとこ。」
アイビー「そうなんだ?」
ジーンが立ち上がってアイビーにかけよる。
アイビー「 ? 」
ジーン「アイビー、あのさ。」
アイビー「あ!」
アイビー「ごめんジーン。ゆうべ電話くれたよね?」
ジーン「うん。」
アイビー「お風呂入ってて出れなかったんだ。それでそのまま寝ちゃってて・・・。」
ジーン「お風呂で?」
アイビー「そ、そうなの。ごめんね?」
ジーン「大丈夫か?お風呂で寝たら溺れるぞ。気ぃつけろよ?」
アイビー「う、うん。そうする・・・。」
アイビー「なんか用事だった?」
ジーン「ああ、うん。」
アイビー「 ? 」
ジーン「アイビー、俺との約束覚えてる?」
アイビー「約束?」
ジーン「退院したらデートするって。」
アイビー「あ~、あれね。覚えてるよ。」
ジーン「ホントに?」
アイビー「うん。」
ジーン「ならよかった。次いつ休み?」
アイビー「休みか・・・いつだっけな・・・。」
ジーン「俺はアイビーに休み合わせるよ。いつでも大丈夫だから。」
アイビー「うん、ありがとう。」
ジーン「行きたいところある?」
アイビー「う~ん・・・今は思い浮かばないな・・・。ジーンの行きたいところでいいよ。」
ジーン「そっか。」
アイビー「休み確認したら連絡するね。」
ジーン「うん。わかった。」
ジーン「ていうかさ・・・。」
アイビー「うん?」
ジーン「今日、ペアルックみたいだね?w」
あいびー「あ・・・ホントだw」
1週間後。
アイビー「よしよし。どうちたのかな~?」
アダム「ふぎゃあぁぁぁ。」
アイビー「今日も朝からご機嫌ななめだねぇ・・・。」
ジャニス「おはようございまーす。」
明るい声が部屋に響く。
アイビー「ジャニスさん、おはようございます。」
アダム「おぎゃぁぁ。」
ジャニス「アイビーちゃんおはよう。・・・あらら。」
アイビー「最近朝は機嫌悪くって・・・。」
ジャニス「今日はお天気も悪いものね。これから雨になるって予報でも言ってたわ。」
アイビー「そうなんですね。」
ジャニス「代わるわ。さ~アダムちゃんおいで~。」
ジャニス「おーよしよし。」
アダム「ぎゃぁぁ・・・。」
ジャニス「よしよし、いい子だね~。」
ジャニス「ん~~♪かわいいアダムちゃん~~、大丈夫でちゅよ~~。」
優しい声でジャニスが話しかけると、次第に泣き声が止んでいく。
ジャニス「ほ~らいい子。えらいでちゅね~。今日もたくさん遊びまちょうね~。」
アダム「あだぁ~~。」
ジャニス「あら~今日も可愛い!」
アイビー「(すごいな・・・5分もしないうちに泣き止んだ。私じゃ泣き止むのに30分以上かかるのに・・・)」
ジャニス「よしよし。今日はなにちて遊ぶ?ぬいぐるみがいい?」
アダム「ばぶぅ!」
ジャニス「オッケー、ぬいぐるみね!」
アイビー「(まるでおしゃべりしてるみたい・・・。ジャニスさん、アダムとあんなに意思疎通ができるなんて・・・本物のママみたい。)」
ジャニス「アイビーちゃん、ちゃんと寝れた?」
アイビー「あ、はい・・・3時間くらいは・・・。」
ジャニス「睡眠不足はお肌に悪いわよ。ダメよちゃんと睡眠とらなきゃ。」
アイビー「そうですよね・・・。」
ジャニス「疲れた顔してるもの。アイビーちゃんにもたまには息抜きが必要よね。仕事と家の往復でしょう?」
アイビー「そうですね・・・。」
ジャニス「たまにはデートでもしてきたら?若いんだし、ボーイフレンドはたくさんいるでしょう?」
アイビー「男友達なら何人か・・・。でもデートって・・・。」
ジャニス「あら、誘われたりしないの?」
アイビー「そういえば・・・誘われてましたw」
ジャニス「ほらやっぱりいるんじゃない!」
アイビー「そうですねw」
ジャニス「デートしてきたらいいじゃない!」
アイビー「でも・・・。」
ジャニス「大丈夫よ。私もう少しお仕事増やしてもいいし。それに社長が夜は見てくれるんでしょう?」
アイビー「あー・・・その返事はまだしてなくて・・・。」
ジャニス「あら、そうなの?・・・アイビーちゃんはもう少し周りに頼ってもいいと思うわよ。」
アイビー「そうです・・・かね・・・。」
ジャニス「そうよ~。一人で全部やろうとしちゃだめよ。」
アイビー「はい・・・。」
ジャニス「時間大丈夫?」
アイビー「あ、そろそろ準備しないと。」
ジャニス「アダムちゃんは私がみてるから、仕事行く準備してね。」
アイビー「はい。ありがとうございます。」
数日後。
アイビー「はい・・・。よろしくお願いします。」
リリィ『それにしても、思ったより決断するのに時間かかったわね。』
アイビー「この前ジャニスさんに言われて・・・。」
リリィ『なんて?』
アイビー「もっと周りに頼ったほうがいい。一人で抱え込んだらダメだって・・・。」
リリィ『その通りね。あなたは全部自分でなんとかしようとするものね。末っ子なのに・・・甘え下手よね。』
アイビー「・・・そうですかね。」
リリィ『じゃあ明日の晩、ジャニスが帰る前に迎えに行くわね。』
アイビー「はい・・・。よろしくお願いします。」
リリィ『よかったわ。私もあの子に会えるのが嬉しいのよ。』
アイビー「はい。」
アイビー「あ、社長。」
リリィ『なぁに?』
アイビー「来週1日だけお休みをもらえますか?」
リリィ『わかったわ。アンナに調整させる。』
アイビー「ありがとうございます。」
リリィ『じゃあね。』
携帯電話を見つめる。
ソファーから立ち上がり、窓辺へと移動する。
アイビー「・・・・。」
アイビー「(甘えてもいいのかな・・・私。ミランダさんに約束したのに・・・。でも・・・独りじゃ子育ては難しい・・・。)」
アイビー「(・・・デートかぁ・・・。)」
アイビー「(ジーンに電話しようかな・・・。)」
しばらく携帯電話を見つめたあと、ジーンの番号に電話をかける。
アイビー「もしもしジーン?」
アイビー「来週1日休みとれそうなんだ。だから・・・この前の話・・・」
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