ギルバート「アイビーちゃん今日は大丈夫なんすか?」
アイビー「ん?」
ギルバート「猫ちゃん。」
アイビー「あー、うん。知り合いに預けてきたから。」
ギルバート「そうなんすね。」
アイビー「そういえばギルもワンちゃん飼ってるんじゃなかったっけ?」
ギルバート「うちの犬はもう3歳なんで一人でも平気っすよ。」
アイビー「そうなんだ?」
ギルバート「そろそろお嫁さん探ししようかと思ってるんっすよね。」
ジーン「お嫁さん?」
ギルバート「一人じゃかわいそうなんで、犬くらいは彼女みつけてやろうって思ってw」
マロン「へぇ~。」
ギルバート「お嫁さんと言えば・・・聞きました?エリンちゃんの話。」
ジーン「エリンちゃん?」
ギルバート「結婚するらしいんすよね。」
アイビー「そうなんだ?」
ギルバート「それで仕事辞めるらしいんすよ。」
ジーン「へぇ~。」
マロン「でも仕事辞めるって・・・若いのにね。まだ子供ができたわけじゃないんでしょ?」
ギルバート「そうなんすけど。」
マロン「結婚したって仕事は続けられるのにねぇ。エリンちゃん、人気出てきたばっかりじゃない?」
ギルバート「それがどうも相手の男、バツイチの子持ちらしいんすよね。」
ジーン「へぇ~、そうなんだ?」
ギルバート「まだ子供が小さいらしくて。」
マロン「ギルって意外と情報通だよね。」
ジーン「モデルの子たちと仲いいよな。」
ギルバート「女の子たちは噂好きっすからね。話聞いてるといろんなこと話してくれるんすよねw」
ギルバート「でも俺はムリだな~。相手が子持ちなんて、考えられないっすよ。」
ジーン「そう?」
ギルバート「年上は好きっすけどね~。でもまだまだ親になるなんて考えられないっす。ましてや人の子供っすよ?」
ジーン「そうかな?」
ギルバート「ジーンさん、相手が子持ちでも平気っすか?」
ジーン「う~ん・・・まぁ、ホントに好きな人なら、覚悟決めるかなぁ。好きな人の子供だし、可愛がれると思う。」
ギルバート「へぇ~。」
ジーン「まぁでも、やっぱり結婚してしばらくは新婚生活を楽しみたいし、子供は2、3年後でいいけどねw」
ギルバート「やっぱりそうっすよね~。」
ジーン「うんw」
ギルバート「俺も子供は5年後くらいでいいっす。最初は奥さんと二人きりがいいっすよね。」
マロン「やっぱり男はそうかぁ~。」
ギルバート「そうっすよ~。ねぇジーンさん。」
ジーン「そうだねw」
ギルバート「アイビーちゃんは?」
アイビー「え?私?」
ギルバート「好きな人が子持ちだったらどうします?」
アイビー「私は・・・結婚したいかな。」
ギルバート「へぇ~。女性はそうなんすかね。」
アイビー「うん。一緒に子育てしてくれる人なら・・・。自分の子供も欲しいけど・・・相手の子供も同じように育てたいと思う。」
マロン「女性には元々の母性本能があるもんね~。」
ギルバート「そこの違いっすねー。」
アイビー「・・・・。」
ギルバート「そういえばこの前・・・。」
マロン「ねぇ僕は?僕の意見は聞かないの?」
ギルバート「新しいモデルの子、挨拶に来たんっすけどね。」
マロン「ねぇ聞いてる?」
アイビー、ジーン「www」
アイビー「送ってくれてありがとう。」
ジーン「うん。」
アイビー「おやすみなさい。」
ジーン「おやすみ。」
アイビーが背を向けて玄関へと歩き出す。
ジーン「・・・・。」
ジーンがアイビーの身体を引き寄せ抱きしめる。
アイビー「ジーン・・・?」
ジーン「キスしていい?」
アイビー「・・・ダメだよ。」
ジーン「なんで?」
アイビー「・・・・。」
ジーン「この前はよかったのに・・・?」
アイビー「・・・・。」
アイビー「ごめん。」
アイビーがジーンの胸を押して身体を離す。
アイビー「撮られたら困るの・・・。」
ジーン「・・・そうだよな・・・ごめん。」
アイビー「・・・もう行くね。おやすみなさい。」
ジーン「・・・・。」
ジェニファー「綺麗なお花。」
アイビー「下のお花屋さん、かわいいお花がたくさんあって迷っちゃいましたw」
ジェニファー「そうなの。ありがとうアイビーちゃん。」
アイビー「なかなか来れなくてすみません。」
ジェニファー「なに言ってるの。忙しいのにわざわざ来てくれてありがとう。顔がみれただけでとっても嬉しいわ。」
アイビー「ジェニファーさん、今日口紅付けてます?すっごく似合ってます。」
ジェニファー「気付いてくれた?これね、アイビーちゃんがCMしてた、CANELの口紅なのよ。」
アイビー「そうなんですね。」
ジェニファー「私が雑誌を見て素敵な色って言ったらジーンが買ってきてくれたのよ。私ここのところ痩せちゃったから、口紅を塗ったら顔色が良く見えるって。優しい子よね。」
アイビー「素敵ですね。(ホント・・・半年会わない間に、すごく痩せたな・・・。」
ジェニファー「アイビーちゃん、なんだか赤ちゃんの匂いがするわ。」
アイビー「え?」
ジェニファー「ミルクかしら?」
アイビー「あ~・・・ベ、ベビーパウダーかな。最近使いはじめたんですよね。お肌にいいって聞いて。」
ジェニファー「あらそうなの?私も使ってみようかしら。」
ジェニファー「なんだか懐かしい匂い。」
アイビー「そうですか?」
ジェニファー「ジーンの子供の頃を思い出すわ。」
アイビー「ジーンの子供の頃ってどうでした?」
ジェニファー「あの子はすっごくやんちゃだったわよ。でも優しい子だった。今もだけどね。」
アイビー「へぇ~。」
アイビー「子供の頃の話、聞かせてください。」
ジェニファー「聞きたい?」
アイビー「はい。是非。」
ジェニファー「私が産まれたのは小さな田舎町だったの。でもそんな暮らしが嫌で家を飛び出して、ツインブルックにあるショーパブで働きだしたのよ。まだ17歳だったわ。」
アイビー「ダンサーだったんですよね。」
ジェニファー「ええ。」
ジェニファー「働いてたショーパブでジーンの父親、ジェラルドに出会ったの。彼はお客さんとして来ていたけど、私に一目惚れしたそうよ。」
ジェニファー「すぐに意気投合して一緒に暮らすようになったわ。古くて小さい家でね。冬なんて隙間風が寒くて。でもすごく幸せだったの。」
ジェニファー「それから1ヶ月で、私はジーンを妊娠した。彼は消防士になったばかりで、まだ若くて二人とも全然お金がなかったけど、家族3人仲良く暮らしていたわ。」
ジェニファー「でもそんな幸せな日々は長く続かなかった。彼が勤務中の火事に巻き込まれて亡くなってしまったの。」
ジェニファー「私には泣いてる暇なんかなかった。女手一つであの子を育てる為に、またショーパブで働きだしたわ。」
ジェニファー「昼はカフェのアルバイト、夜はダンサーとして店で働いた。とても忙しくて・・・あの子にかまってやれる時間なんかなかったけど、あの子は店の女の子たちに人気者だったのよ。」
ジェニファー「あの子はいつも店のマスターや女の子たちに囲まれて、ちっとも寂しそうじゃなかったわ。だから私はすごく助かったの。みんなが子育てしてくれたようなものよね。」
ジェニファー「小学校に上がっても、あの子は明るくて活発で元気に育ってくれた。やんちゃでケガもたくさんしたけど、子供は元気なのが一番よね。」
ジェニファー「まだ小さいのに、家計を手伝おうと新聞配達のバイトもやってたわ。小さい頃から働く私の姿を見ていたから、自然とそう思ったんでしょうね。」
ジェニファー「あの子には苦労ばかりかけてるわね・・・。」
アイビー「そんなことないと思います。」
アイビー「それに、今のジーンがあるのも、小さい頃の苦労のおかげじゃないですか?ジーンみたいな母親想いの優しい男性は、私の周りには他にいないですよ。」
ジェニファー「そう言ってもらえるとすごく嬉しい。」
アイビー「私も、子供の頃のジーンの話が聞けて良かったです。」
アイビー「(みんなで子育て・・・かぁ。)」
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