ローガン「アダムー。」
ローガン「アダム、ここに居たのか。」
アダム「ロガン。」
ローガン「おはようアダム。」
アダム「ロガン!」
ローガン「公園行くか?」
ローガンの声を聞いてキッチンからアイビーが顔を出す。
アイビー「おはようローガン。」
ローガン「おう。」
アイビー「もうすぐお客さんが来る時間じゃない?」
ローガン「いや、ゆうべキャンセル入ったんだ。」
アイビー「そうなんだ?」
ローガン「ああ。」
アイビー「じゃあ午前はお休み?」
ローガン「ああ。アダムと公園に行ってくる。」
アイビー「わかった。じゃあその間にお掃除しとくね。」
ローガン「お前も来ないか?いつもの公園じゃなく市内の公園に行ってみようと思ってるんだ。どうせだから公園で遊んだ後3人で飯でも食いに行こうぜ。」
アイビー「いいの?」
ローガン「ああ、もちろん。」
アイビー「行きたい!急いで準備するね!」
アダム「きゃっきゃ!」
ローガン「アダム楽しいか?」
アダム「あい!」
ローガン「そうか!」
アイビー「(ローガン、この前の夜とは別人みたい・・・。いつものローガンだ・・・。)」
アイビー「(アダムと居るときはいつもよく笑ってる・・・。)」
アイビー「(でもきっと・・・まだ・・・・。)」
アダム「ロガン~。」
ローガン「はいはい。じゃあ次なにして遊ぼうか。」
アダム「ちゅなば!」
ローガンがアダムを抱き上げる。
途端にアダムが走り出す。
ローガン「転ぶなよ!」
アダム「あうっ!」
アダムが躓いて前のめりに倒れる。
ローガン「・・・言っただろ。」
アイビーが思わず立ち上がる。
ローガン「大丈夫か?」
アダムが顔を上げると頬が血で滲んでいた。
ローガン「擦りむいたか・・・。」
ローガン「アイビー、消毒液と絆創膏あるか?」
アイビー「うん。」
ローガン「ほっぺた擦りむいたみたいだ。」
ローガンがベンチに缶ジュースを置く。
アイビー「ありがとう。」
ローガン「おう。」
ローガンがベンチに腰を下ろし、缶ジュースを開ける。
アイビー「アダム、楽しそう。」
アダムの頬には青色の子供用の絆創膏が貼られている。
ローガン「この公園は初めてだもんな。」
アイビー「うん。」
ローガン「いいな、ここ。近所のより遊具がたくさんある。」
アイビー「ありがとう、連れてきてくれて。」
ローガン「おう。」
アイビー「3人ででかけるの久しぶりだね。」
ローガン「そういえばそうだな。俺も仕事が忙しくてなかなか休めなかったしな。」
アイビー「うん。」
アイビー「疲れてるのにアダムの相手までしてくれて・・・ローガン家で寝てたほうがよかったんじゃない?」
ローガン「いや・・・あいつと遊んでるほうが癒される。」
アイビー「そっか・・・。」
ローガン「ああ。」
アイビー「ローガン、昔から子供好きだった?」
ローガン「いや、全然。」
アイビー「・・・・。」
ローガン「むしろ苦手な部類だった。」
ローガン「俺一人っ子だし両親はあんまり親戚づきあいもなかったし・・・。周りに小さい子供がいなかったからな。この年になるまで子供と接したことがなかったんだよ。」
アイビー「そうなんだ?」
ローガン「アダムと暮らすようになって、子供っていう生き物に慣れた。」
ローガン「それにあいつら・・・無垢だろ。嘘や駆け引きがない。」
アイビー「うん・・・。」
ローガン「俺は基本的に人間嫌いだからな。」
アイビー「(そんなことないと思うけどな・・・。)」
ローガン「それにしてもあいつ、全然泣かないよな。」
アイビー「え?」
ローガン「普通泣くだろ。血出てんのに。」
アイビー「そうだね。」
ローガン「転んで泣いてるところ見たことねぇよ。」
アイビー「確かに・・・。そういうところロミオに似たのかな・・・。それか・・・ミランダさんにw」
ローガン「どっちに似ても気が強そうだ。」
アイビー「うんw」
午後。
ローガンがパソコンに向かって仕事をしている。
コンコンとドアをノックする。
アイビー「ローガン、入ってもいい?」
ローガン「ああ。」
アイビー「コーヒー持ってきた。」
ローガン「おう。サンキュー。」
アイビー「ここに置いておくね。」
ローガン「ああ。」
アイビーが部屋を出ていく。
ローガン「そうだ、アイビー。」
アイビー「なぁに?」
ローガン「今度写真撮りに行かないか?」
アイビー「写真・・・?」
ローガン「ああ。スタジオなんとかってあるだろ。子供の写真館。」
アイビー「スタジオアリサ?」
ローガン「そう、それ。」
アイビー「なんで急にスタジオアリサ?」
ローガン「思い立ってさ。アダムの記念写真ないだろ。ちゃんとしたの撮っておかないか。それから、家族写真も。」
アイビー「家族写真・・・?」
ローガン「ああ。3人でさ。」
アイビー「うん・・・いいね。」
ローガン「じゃあ来週予約入れとく。」
アイビー「うん。」
ランドリールームへ入る。
アイビー「・・・・。」
アイビー「(なんで急に写真・・・?しかも家族写真って・・・。)」
アイビー「(でも・・・素敵だよね、家族写真。うちの実家にも小さい頃の家族写真今でも飾ってあるし。写真ってその時しか撮れないし何年もずっと・・・。)」
アイビー「(そうだ!)」
アイビー「(ちょっと強引だけど・・・我ながら悪くないアイデアかも!)」
スターライトショア。
ララがアンドレアをベッドへおろす。
ララ「そろそろ寝る時間よ、アンドレア。」
アンドレア「まだ遊びたい~。」
ララ「明日の朝いっぱい遊びましょ。今日はもう寝るのよ。」
アンドレア「はぁ~い。」
ララ「いい子ね。おやすみアンドレア。」
アンドレア「おやすみなさいママ。」
しばらくするとアンドレアが寝息を立て始める。
ララ「(今日はたくさん走ったから疲れてたのね・・・。早めに寝てくれて助かるわ。)」
明かりを消して部屋を出る。
1階へ降りると出しっぱなしのおもちゃを片付けはじめる。
ララ「(次はお片付けを教えなくちゃね・・・。)」
ララ「(アンドレアは少し我儘なところがあるけど、賢いし物覚えもいいからきっとすぐ一人で片付けできるようになるわね。そういうところ・・・ローガンに似たのかしら・・・。)」
部屋の片づけが終わるとテーブルに置きっぱなしの皿を手にキッチンへと向かう。
ララ「(ママは洗い物は朝やっていたけど、今のうちにやっておかなくちゃね・・・。)」
ララ「(あとは洗濯機をタイマーかけて・・・朝になったらすぐ干せるようにしておかなくちゃ。)」
ララ「(そういえば昼間カツラさんからメッセージがきてたんだったわ・・・。忙しくて返事まだだったけど・・・。)」
洗い物を終えたララがコーヒーメーカーのスイッチを押す。
ララ「(デートのお誘いだったわね。土曜ならママもパパもうちにいるし、アンドレアを預けても大丈夫よね・・・。)」
ノンカフェインのコーヒーを淹れてララがソファーに座っている。
ふぅと小さくため息をついた。
ララ「(やっと一息つけた・・・。この時間じゃないと一人の時間がとれないし、唯一落ち着ける時間なのよね。)」
ララ「(暖炉の火っていつまでも見てられるわ・・・。)」
ララ「(そうだわ、カツラさんに返事・・・。)」
ララがポケットからスマートフォンを取り出す。
ララ「(あら・・・?アイビーからメッセージなんて・・・。)」
ララ「(いつでもいいから電話してって・・・。珍しいわね、どうしたのかしら・・・。もう12時過ぎてるけど・・・かけてみようかしら・・・。)」
アイビーの番号にかけると、発信音がしばらく続いた。
ララ「(もう寝てるわよね・・・。)」
アイビー『・・・ララ?。』
ララ「アイビー?」
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