ララ「アイビー、夜遅くにごめんなさいね。さっきメッセージを読んだの。」
アイビー「そっか。いつでもって書いたのは私だもん。気にしないで。」
ララ『寝てたわよね。』
アイビー「いいの。ララこそ、家事で疲れてるのにごめんね。」
ララ「平気よ。それより・・・元気だった?話すのは久しぶりよね。何年振りかしら?」
アイビー『3年・・・かな。私もアダムも元気だよ。ララは?アンドレア大きくなった?』
ララ「ええ。もう3歳よ。すっかりおしゃべりなの。」
アイビー「そっか・・・女の子は早いね。アダムはまだあんまりおしゃべりもできないよ。」
ララ『そうなの?しゃべるようになったら止まらなくなるわよw』
アイビー「そうだよね。」
ララ「それより・・・どうしたの?なにか話したいことがあるんでしょう?」
アイビー『うん・・・。』
ララ「私にできることならなんでもするわよ。話を聞くくらいしかできないかもしれないけど・・・。」
アイビー「あのね、ララ。・・・私、今ラッキーパームスに住んでるんだ。」
ララ「そうなの?・・・ブリッジポートから随分遠い街に引っ越したのね・・・。ショアからならまだそう遠くはないけど。」
アイビー『うん。』
ララ「いつから?」
アイビー『3年前から。・・・・ずっと言えなくてごめんね。』
ララ「ううん・・・。アイビーにも色々事情があるんですもの。」
アイビー「それでね、ララ。」
ララ『うん。』
アイビー「会いに来てほしいの、この街に。アンドレアも一緒に。」
ララ「え・・・?私とアンドレアに・・・?」
アイビー「そう。今仕事はしてる?」
ララ『いいえ。年が明けたら仕事復帰しようとは考えてるけど・・・今はまだ。』
アイビー「よかった。一週間くらい休暇取れない?チケットを送ったの。明日届くはずだよ。」
ララ「チケットって・・・なんの?」
アイビー『ショア発ラッキーパームス行きの、飛行機のチケット。』
ララ「・・・・。」
アイビー『搭乗日は3日後の夕方の便。』
アイビー「嫌だったらチケットは払い戻してもいいよ。」
ララ『でも・・・どうして急に・・・?』
アイビー「・・・ララに会ってほしい人がいるの。」
ララ「会ってほしい人って・・・。」
アイビー『私が今一緒に暮らしてる人。すごく大切な人なの。』
ララ「恋人ってこと?その人を私に紹介したいの?」
アイビー『・・・詳しくは会ってから話すね。我儘言ってごめん。」
ララ「アイビー・・・・。」
アイビー『でも私の一生のお願い。本気で考えてほしいの。』
ララ「・・・・わかったわ。考えてみる。」
アイビー『ありがとう。じゃあ、またメッセージするね。おやすみララ。』
ララ「おやすみアイビー・・・。」
ララ「(一緒に暮らす恋人・・・?なぜ急に私に・・・?)」
ララ「(アイビー、なにか深刻そうだった・・・・。)」
アイビー「(ごめんねララ。勝手ばっかりで・・・ごめん。)」
アイビー「(でも・・・なんとかして会わせたい。あの3人のことを・・・もう一度。)」
2日後の朝。
ラッキーパームスの空は曇り、しとしとと雨が降っていた。
バスルームを湯気が漂う。
ローガン「ふぅ・・・。(最近飲むのやめたせいか、少し朝のだるさが抜けてきたな。)」
ローガン「(アイビーの言う通り、しばらくはやめるか・・・。)」
ローガンがバスルームから出ると階段を上がってきたアイビーが声をかけた。
アイビー「おはようローガン。」
ローガン「おう。」
アイビー「ちょうどよかった。今日の夕方、ちょっとアダムと出かけてくるね。」
ローガン「ああ。」
アイビー「晩御飯は作って冷蔵庫に入れておくから、温めて食べて。」
ローガン「わかった。珍しいな。どこ行くんだ?」
アイビー「さ、最近できたお友達とご飯行く約束してるの。」
ローガン「そうか。楽しんで来い。」
アイビー「うん。あ、あと明後日から4、5日お休みもらってもいい?」
ローガン「長いな。どこか遠出でもするのか?」
アイビー「えっと・・・ミランダさんの・・・三回忌だから。」
ローガン「またブリッジポートに帰るのか。」
アイビー「うん。そう・・・。」
ローガン「俺のことなら気にするな。どうせならもっとゆっくりしてこい。」
アイビー「ううん。大丈夫!」
アイビー「それに、代わりにお手伝いさんお願いしてあるんだ。」
ローガン「そうなのか?お手伝いさんって誰だ?斜め向かいのばあさんか?あの人お前と仲いいよな。」
アイビー「仲いいけど・・・ゴメスさんではなくて・・・・当日まで内緒!」
ローガン「内緒って・・・。まぁ・・・いいけど。」
アイビー「急に我儘言ってごめんね。長期休暇まで。」
ローガン「気にするな。」
アイビー「ありがとうローガン。」
ローガン「ああ。」
アイビー「おなかすいてない?朝ごはん何食べたい?」
ローガン「クロワッサンとベーコンエッグ。」
アイビー「了解。あとコーヒーね。すぐ用意しとく。」
ローガン「ああ。じゃあ着替えてくるわ。」
アイビー「うん。」
ローガンが自室へと入っていく。
アイビー「・・・・。」
アイビー「(ローガン、私のへたくそな嘘信じてくれたみたい・・・。よかった。)」
アイビーがベランダへと続くガラスドアに手をかざす。
アイビー「(この雨、夕方までに止むかなぁ・・・。)」
アイビー「(どうか・・・うまくいきますように・・・・。)」
スターライトショア。
飛行機の中からはガヤガヤと人々の声が聞こえてくる。
ほとんどの席は埋まっており、搭乗員や乗客が上の棚に荷物をしまっている。
機内は離陸の準備中だった。
ララ「・・・・。」
アンドレア「ママぁ~。」
ララ「なぁにアンドレア?」
アンドレア「飛行機、お空を飛ぶの?」
ララ「そうよ。もうすぐ飛ぶわ。」
アンドレア「見たい!アンちゃん、飛ぶところ見たい!」
ララ「この飛行機が飛ぶんだから、アンドレアは残念ながら見れないわよ。」
アンドレア「え~。見たいのに~。」
ララ「でも鳥さんと一緒に飛ぶわよ。アンドレアも鳥さんと一緒にお空を飛びたいでしょう?」
アンドレア「うん!アンちゃん鳥さんと一緒に飛ぶ~。」
ララ「窓の外をみてたらきっと一緒に飛んでるわよ。」
アンドレア「やった~。」
ララ「ふふっ。」
ララ「アンドレア、暑くない?コート脱ぎましょうか?」
アンドレア「うん!脱ぐ~。」
ララ「はいはい。」
10分後。
ララ「(動き出したらすぐに寝ちゃったわね・・・。)」
ララ「(アンドレアがぐずらなくてよかったわ・・・。子供連れて乗り物に乗るときって、大抵ぐずって大変なのよね・・・。すぐに寝てくれて助かった。)」
ララ「(結局来てしまったけど・・・アイビーに一生のお願いなんて言われたら断れないわよね・・・。カツラさんとのデートはしばらくお預けね。まぁ・・・あまり気乗りしなかったからいいけど。)」
ララ「(それにしても・・・アイビーの恋人ってどんな人かしら・・・?紹介してくれるってことは、結婚まで考えてるとか・・・。)」
ララ「(ジーンさんには少し気の毒だけど・・・。でも、あまりいい人じゃなかったらすぐに別れさせてジーンさんの元へ連れ戻してやるわ。じゃなかったら私、アイビーのこと応援できないもの。ジーンさんはあんなにアイビーのこと・・・。)」
ラッキーパームス空港。
夜も遅い時間の為か、到着ロビーは人がまばらだった。
アダムを抱いたアイビーがララの到着を待っている。
アダム「まぁだ?」
アイビー「もうすぐだよ。」
アダム「もうちゅぐ?」
アイビー「うん。もうすぐ・・・。」
アイビー「あ・・・アダム、ほらっ!ララだよ。」
アイビー「ララ、久しぶり!遠いところごめんね。」
ララ「久しぶりねアイビー。遅くなってごめんなさい。飛行機が遅れちゃって。」
アイビー「いいの。遠いところよく来てくれたね。ラッキーパームスへようこそ。」
ララ「ふふっ。カジノの街なんてはじめてよ。」
アイビー「カジノ興味ある?」
ララ「まさかw 子供連れだし・・・。」
アイビー「そうだよねw でもプールもあるんだよ。今の時期は温水とはいえちょっと寒いけどね。」
ララ「あなたギャンブルなんてやるの?」
アイビー「全然w」
ララ「ふふっw そうよねw」
アイビー「うんw」
ララ「この子がアダムね。こんばんはアダム。ロミオさんにそっくりね。」
アイビー「でしょw」
ララ「瞳と髪の色はミランダレッドね。綺麗なピンク色。」
アイビーがアダムを下ろしてアンドレアの前にしゃがみ込む。
アイビー「こんばんはアンちゃん。」
アンドレア「こんばんわぁ~。」
ララ「アイビーおばちゃんよ。あなたが小さい頃に何度か会ってるのよ。」
アンドレア「ほんとぉ?」
アイビー「大きくなったね・・・。ローガンにそっくり・・・。」
アンドレア「おばちゃんじゃないよねぇ。おねえちゃんだよねぇ。」
アイビー「あははっw アイビーでいいよ。」
アンドレア「アイビー?」
アイビー「うん。」
アイビー「この子はアダム。」
アンドレア「アダムちゃん?」
アイビー「うん。まだちょっと恥ずかしいみたいw 仲良くしてくれる?」
アンドレア「うん。いいよぉ~。」
アンドレア「あのねぇアイビー。」
アイビー「なぁに?」
アンドレア「もうすぐクリスマシュでしょ~。アンちゃんね、サンタさんにお願いしたの。」
アイビー「なにをお願いしたの?」
アンドレア「パパ!」
アイビー「そっか・・・。きっとすぐ叶うよ。」
アンドレア「ほんとぉ?!アダムちゃんはパパいる?」
アイビー「アダムもいないんだ。」
アンドレア「一緒だねぇ。アダムちゃんもすぐパパできるよ!」
ララ「ね、おしゃべりでしょう?」
アイビー「うん。いいね、アンちゃんはお利巧さんだね。」
アンドレア「そうなのー。」
アイビー「ふふっw」
アイビー「おなかすいてない?」
ララ「もうペコペコw」
アイビー「そうだよねw 下のレストランで晩御飯にしよっか。」
ララ「ええ。」
アイビー「そのあとホテルまで送るね。」
ララ「近くなの?」
アイビー「ううん。ここからはちょっと遠いかな。カジノの近くだよ。」
ララ「アイビーのおうちは?」
アイビー「家はこの丘の向こう。湖沿いの住宅街だよ。」
数時間後。
ララ「豪華なホテルねぇ。」
アイビー「カジノが目の前だもんねw 遊園地と映画館もあるんだ。」
ララ「この辺は観光地なのね。」
アイビー「そう。」
アイビー「今日は疲れたでしょう?ゆっくり休んでね。明日昼前にまた迎えに来るね。」
ララ「なにからなにまで・・・本当にありがとう、アイビー。」
アイビー「ううん。ムリ言って来てもらったのは私だもん。」
アイビー「じゃあまた明日。」
ララ「ええ。おやすみなさいアイビー。」
アイビー「おやすみなさい。」
アイビーがアダムを抱っこして部屋を出ていく。
アンドレア「帰っちゃうのぉ~?」
ララ「また明日会えるわよ。」
アンドレア「ほんとにぃ?」
ララ「ええ。」
アンドレア「ママ来て!こっち!」
ララ「はいはいw」
ララ「まぁ・・・リースに靴下・・・。」
アンドレア「かわいいねぇ~。」
ララ「ええ。」
ララ「(もうすぐクリスマスね・・・。クリスマスにリゾート地でバカンスなんて何年振りかしら。私にもたまには休みが必要よね・・・。)」
ララ「アンドレア、お風呂に入りましょ。」
アンドレア「いや~。」
ララ「もう・・・。」
数年前から陰ながら応援してました!
返信削除また読めて本当に嬉しいです(*´-`)
遂にローガンとララの再会(再再か…)、次のお話が楽しみすぎて眠れません…!
>まりぃさん
削除こんなダラダラと長いお話を読んでくださりありがとうございますw
コメントをいただくと大変励みになります。
頑張ります!(´∀`)