4年後。
ディーン「ローガンはどうしたんだ?一緒に来る予定じゃなかったのか?」
ララ「仕事関係の人に会いに行くって。遅れて来るってさっき連絡入ったわ。」
ディーン「そうなんだ?」
ディーン「あいつも相変わらず仕事人間だな。」
ララ「ブリッジポートへ来たのは久しぶりだから、お世話になった人に会いに行ったのよ。」
ディーン「そっか。」
ラトーシャ「ジーンさんはどうしたの?」
ディーン「遠慮したんだろ?」
アイビー「そういうわけじゃないと思うけど・・・久しぶりの同窓会だから一人で行っておいでって。」
ラトーシャ「下の子は?一緒じゃなかったよね?」
アイビー「うん。ジーンがみてくれてる。今回はロミオのお墓参りもあったし、アダムと私だけでこっちに来たんだ。」
ララ「いい旦那様じゃない。子供二人も連れて旅行は大変よね。」
アイビー「そうだねぇ。」
ディーン「でも、明後日実家帰るんだよな?ジーンさんはどうするんだ?」
アイビー「ジーンはアネモネ連れてショアに行くっていうから、ショアで合流することになってる。」
ディーン「そっか。」
ラトーシャ「アイビーたちの分も一緒にチケット予約してあるからね。」
アイビー「助かる。ありがとう。」
ディーン「いやぁ、うちちび3人だからさぁ。アイビーやアダムが居てくれると助かるんだよなw 長距離の移動はホント大変だよ。」
ララ「あなたたち全然できなかったのに、一人目産んだら次々と3人まで産むなんてすごいわよね。やっぱり一人産むとそのあとできやすくなるのかしら。」
ラトーシャ「先生もそう言ってた。」
ララ「年も近いしいいわね。子供たちだけで遊んでくれるから手がかからないんじゃない?」
ラトーシャ「そんなわけないじゃん。もう毎日喧嘩ばっかりで大変なんだよ。ディーンは甘やかしてばっかりでちっとも叱ってくれないんだから。」
ディーン「だってさ~、俺も一番下だったからよくわかるんだよ。兄貴いると下の子を下僕にするんだぜ?」
ララ「ふふっw 私は一人っ子だったからそういうの羨ましかったわ。」
アイビー「子供は多いほうが家庭内が明るくていいよね。その分手はかかるけど、幸せも多いとおもうな。」
ディーン「だよな~。俺も絶対一人っ子にはしたくなかったんだ。」
ラトーシャ「私は兄弟多かったから二人くらいがよかったなぁ~。」
ララ「アイビーのところもうちと同じく2人でしょう?3人目は産む気ないの?」
アイビー「ジーンとは自然の流れでできたら・・・って話してるよ。アダムもアネモネの面倒をよくみてくれてるし、ホントはあの子にも好きなこと色々させてあげたいんだけど、ジーンが出張多くて。だから私は2人でいいかなって思ってるんだ。」
ラトーシャ「大変だね。アダムくんは全部知ってるんだよね?」
アイビー「うん。小さい頃から両親の話もしてたからね。」
玄関のチャイムが鳴る。
ララ「きっとローガンだわ。」
ディーン「俺でるよ。」
ラトーシャ「うん。お願い。」
ディーンが玄関へと向かう。
ドアを開けるとローガンが寒そうに白い息を吐いていた。
ローガン「おい、ブリッジポートはもう冬でもきてるのか?9月だってのに寒すぎだぞ。」
ディーン「ははっw ラッキーパームスが暑すぎるんだろ?来週からもう10月だからな。」
ローガン「そうか。」
ディーン「久しぶりだなローガン。入れよ。」
ローガン「おう。遅くなってすまん。」
ディーン「仕事関係か?」
ローガン「ああ。去年やった裁判で世話になった人に会いに。話が長くて遅くなっちまった。」
ディーン「今日こっち泊るんだろ?飲みに行こうぜ。」
ローガン「ああ。あとでララに相談してみる。」
ディーン「あいつらも夜は女子会だろ。」
ラトーシャ「ローガン、久しぶり~。」
ローガン「よぉ。ラト、お前また痩せたんじゃないか?」
ラトーシャ「育児疲れだよ。」
ローガン「ははっw そうか。」
ローガンがララの隣に腰かける。
ローガン「子供たちは?」
ララ「上で遊んでもらってるわ。」
ローガン「そうか。」
ララ「小さい子が大勢いるから楽しそうよ。」
ローガン「そうだろうな。旅行も久しぶりだしな。」
ララ「ええ。」
ローガン「ジーンさんはどうした?」
ララ「遠慮したみたいよ。」
アイビー「下の子とツインブルックに残ったの。アダムと私はロミオのお墓参りがあったから、二人で来たんだ。」
ローガン「そういえば9月だったな。」
アイビー「うん。」
ラトーシャ「私お茶入れて来るね。」
ローガン「すまん。」
ローガン「お前らショアに帰るんだって?」
ディーン「ああ、明後日。久しぶりに全員で実家集まるんだ。」
ローガン「賑やかだな。実家泊るのか?」
アイビー「ううん。私やディーンの部屋はもう甥っ子たちの子供部屋になってるからw ホテル予約してある。」
ローガン「そうか。」
1時間後。
賑やかな笑い声がこだまする。
ディーン「俺たちも年食ったよな~。36とか自分でも信じらんねーもん。」
ローガン「俺も最近焼肉とか腹いっぱい食えなくなってきた。」
ディーン「わかる!肉より魚のほうが好きになってきたわ。」
アイビー「トイレ借りるね。」
ラトーシャ「うん。」
アイビーが立ち上がる。
アイビー「(アダムはどうしてるかな?ちょっと様子見に行ってこようかな。)」
階段を上がってアイビーが子供部屋のある二階へとやってくる。
アイビー「アダム~。」
小さい子たちと積み木で遊んでいたアダムがアイビーに気付き立ち上がる。
アダム「ママ。」
アイビー「みんないい子にしてる?」
アダム「いい子にしてるよ。最初ジャンがレーガンのこと叩いて喧嘩になりそうだったけどね。」
アイビー「そうなの?ジャンは年下なのに強いねぇ。」
アダム「アンドレアがちゃんと叱ったからね。弟のジャンにごめんなさいさせて仲直りしたよ。」
アイビー「アンちゃんはさすがお姉ちゃんだねぇ。」
アイビー「アダムも小さい子の面倒みてくれてありがとうね。」
アダム「いいよ。ママたち集まるの楽しみにしてたんでしょ?ジンが言ってた。」
アイビー「ジーンが?」
アダム「うん。留守の間アネモネのことは俺が守るから、ママのことよろしく頼むぞって、ジン言ってたぞ。」
アイビー「そっかw」
アイビー「なにか欲しいものある?明日おもちゃ屋さん行こうか。」
アダム「別にいらないよ。次のプレゼントはクリスマスだろ?僕の誕生日プレゼントとクリスマスプレゼント、2つだろ。」
アイビー「そうだけど・・・今回はジーンに内緒で買っちゃおうよ。」
アダム「すぐバレるからダメだよ。ジンに怒られるのはママなんだからね。」
ガチャリとドアが開いてローガンが部屋に入ってくる。
ローガン「アイビーここか。」
アイビー「ローガン。」
アダム「ロガン?」
ローガン「ああ。アダム、俺のこと覚えてるか?」
アダム「もちろん覚えてるよ!小さい頃一緒に住んでたよねぇ。僕あの頃ずっとロガンがパパだと思ってたんだ。」
ローガン「そうかw まぁ、父親代わりだったな。」
アダム「うん。」
ローガン「おおきくなったな。今のパパはどうだ?仲良くやってるか?」
アダム「うん。すごくいいパパだよ。チェスでは僕に負けるけどねw」
アイビー「この子すごくチェスが強いのw」
ローガン「そうかw 今度是非お手合わせしてくれよ。」
アダム「もちろん。ロガンがツインブルックに遊びに来たらね。」
ローガン「楽しみにしてるよ。」
アイリーン「おにいちゃんてちゅだって~。」
アダム「わかったよ。」
アダムが積み木をしている子供たちの元へと戻る。
ローガン「久しぶりだな。最近どうだ?」
アイビー「うん。楽しくやってるよ。下の子がまだ小さいからアダムがよく面倒みてくれてる。」
ローガン「アネモネ、だっけ?お前に似て可愛いんだろうな。」
アイビー「口元はジーンにそっくりだよw」
アイビー「ローガンは?」
ローガン「最近になってララの両親とやっと和解したところだ。最初全然許してもらえなくて、ララが家出みたいにうちに転がってきたからな・・・なかなか大変だったよ。」
アイビー「そっか。でも認めてもらえたんだね?よかった。」
ローガン「ああ。年末は俺たちもショアに帰る予定だ。」
アイビー「そっか。」
ローガン「まだ夢はみるのか?」
アイビー「夢?」
ローガン「ロミオさんの。俺と住んでた頃時々うなされてたろ。」
アイビー「そういえば・・・そういうの全然ないな。ロミオの夢はたまにみるけど、いつも穏やかな顔してる。」
ローガン「そうか。」
ローガン「俺じゃだめだったんだろうな。」
アイビー「え?」
ローガン「ロミオさんに。認められなかったんだろう。」
アイビー「・・・・。」
ローガン「アダムはロミオさんにますます似てきたな。」
アイビー「・・・うん。」
ローガン「そろそろ行くか。ララが嫉妬すると面倒だ。」
アイビー「そうだねw」
二人が部屋を出ていく。
アンドレア「ねぇアダム。」
アダム「なに?」
アンドレア「さっき来たの、私のパパだよ。」
アダム「うん。ママから聞いてる。」
アンドレア「パパと住んでたって何歳のとき?」
アダム「3歳までかな。赤ちゃんのときから。」
アンドレア「え?パパずっと私と一緒にいたのよ?」
アダム「いや、僕のママと三人で暮らしてたぞ。アンドレアも遊びに来ただろ。君のママと二人で。」
アンドレア「え?私あなたに会うの今日がはじめてよ?」
アダム「覚えてないのか?小さい頃一緒に遊んだぞ。遊園地行っただろ?」
アンドレア「全然覚えてない・・・。」
アダム「忘れちゃったのか・・・。僕ははっきり覚えてるけどな。君のママが赤いコートを着てたことも。」
アンドレア「すごい記憶力ね!何歳くらいまで覚えてる?」
アダム「えっと~・・・ママのおなかにいるときかな。今のママとは違う、僕の本当のママ。」
アンドレア「え??アダムのママは本当のママじゃないの?」
アダム「うん。僕のママは僕を産んで死んじゃったから、今のママは本当のママではないんだ。育ての親ってやつ。」
アンドレア「へぇ~。ドラマみたいね!素敵!」
アダム「素敵かぁ~?」
アンドレア「もっと聞かせて!」
アダム「いいよ。」
二日後。
スターライトショア。
リビングでは子供たちがテレビゲームに夢中になっている。
クリフ「アダムは強いなぁ。このゲームはじめてだろ?」
アダム「うん。僕んちテレビゲームないんだ。」
ロドリック「え~、ゲームがないなんてつまんなくない?」
アダム「そんなことないよ。チェスがあるし。」
クリフ「チェスできるの?僕より年下なのに、すごいなぁ。うちにもチェスあるけど、パパとおじいちゃんがやってるだけだよ。」
アダム「ルールを覚えれば簡単だよ。あとで教えてあげるよ。」
ロドリック「俺はもっとテレビゲームしたい~。」
ディーン「兄貴は?」
ネオ「レオンたちは遅れて来るらしい。」
ディーン「そっかぁ。」
サマンサ「二人とも女の子がいて、ホント羨ましいなぁ~。私女ばっかりだったから、お兄ちゃんがいるのすごく憧れる~。」
クレア「私もそうだったわ~。だからあなたを産んだときガッツポーズしたの。上が男ばっかりだったから、ようやく可愛い服を着せれるってw」
アイビー「でもサムちゃんのところは二人とももう小学生だし、友達と遊んでくれるから手がかからないでしょう?うちはアネモネが泣き虫だからすごく大変。」
サマンサ「でもロドリックがやんちゃだから、すぐクリフに手だして喧嘩してるのよ。」
クレア「クリフとロドリックをみてるとレオンとディーンの小さい頃を思い出すわw しょっちゅう喧嘩してネオが止めに入ってた。」
ディーン「そういえばジーンさんは?いつの間にかいなくなってるけど。」
ネオ「父さんもいないな。」
クレア「あの二人ならテラスでチェスの対戦してるわよ。」
J「う~ん・・・。」
ジーン「お義父さん・・・・時間かけすぎですよ。」
J「私はじっくり考えたいんだよ。負けるのが嫌いでね。」
ジーン「わかります・・・。僕も昔は負けず嫌いでした。」
J「それにしても・・・なかなかの腕前だね。君の師匠は誰なんだい?」
ジーン「師匠というわけではないですが・・・アダムと毎週対戦してるので自然と。最近は負けてばっかりですよ。」
J「まだ7歳だというのに・・・あの子は本当に賢いな。クリフやロドリックと比べても、非常に落ち着いているし大人っぽい雰囲気がある。」
ジーン「そうですねw 僕もそう思います。」
J「ジーンくん、君には感謝してもしきれんよ。血の繋がらないアダムをひきとったうちの娘を、嫁にもらってくれる男なんぞいないと思っていた。あいつは一生独身だと覚悟しとったよ。」
ジーン「僕の方こそ・・・身寄りもなく天涯孤独の身となった僕を、あなたたち家族は受け入れてくれたじゃないですか。こんなにたくさんの家族に囲まれて、僕は今とても幸せですよ。」
J「家族か・・・・。君の説得がなければ私はアダムのことも受け入れられなかっただろう。アダムやアイビーにとっても・・・そして私にとっても君は恩人だ。君がいなければ私は娘を失うところだった。」
J「娘のことをよろしく頼むよ。あいつは私に似て頑固者だからな。」
ジーン「僕も結構頑固なんで、似た者同士ですw」
J「そうかw」
玄関が開いてレオンたちが入ってくる。
レオン「いや~、遅くなって悪い。」
ディーン「兄貴おせ~よw」
レオン「よぉアイビー、元気してたか?」
アイビー「うんw お兄ちゃんこそ、相変わらず元気そうだね。」
レオン「でかける前に子供らがぐずってさ~。車乗るのに30分もかかっちまったよ。」
サマンサ「リアちゃんも大変だったね~。」
リア「はい・・・。すみません遅くなって。」
クレア「いいのよ。気にしないで。」
ラトーシャ「ホーマーくん、黒髪なんだ?」
レオン「ああ。俺染めてるだけで元々母親譲りの黒髪だからな。」
ラトーシャ「そうだったっけ?」
レオン「そうだよw」
レオン「んで?父さんとジーンは?」
アイビー「テラスでチェスやってるみたい。」
レオン「せっかくジーンと飲みに行こうと思ったのに。」
ネオ「だめだぞ。今日は家族みんなで集まる会なんだから。」
サマンサ「ママさん大変。」
クレア「どうしたの?サムちゃん。」
サマンサ「どう考えても椅子が足りない。」
クレア「あら、ホントねw」
レオン「じゃあみんなで外に食べに行こうぜ。うまい店知ってるからさぁ。」
ディーン「それいいね。」
アイビー「え~、せっかく久しぶりに帰って来たのに・・・。」
ディーン「また正月集まればいいじゃん。」
クレア「そうよ。みんな、いつでもここに帰ってらっしゃい。」
アイビー ブリッジポート編 おしまい♪
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